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2011年2月28日月曜日

第4回「技で振り返る松聲館の歴史」~四方輪、体内波、肩の溶かし込み~

今回で4回目となる甲章研究室主催の「技で振り返る松聲館の歴史」に参加した話。
テーマは「四方輪」と「体内波」、「肩の溶かし込み」まで進んだ(当日の進行具合によるので、どこまで歴史が進むかは未定なのです)。

■井桁
第3回のテーマである「井桁」のおさらいから。
『井桁術理』は平行四辺形のモデルで説明されることが多いが、
実際は井桁上に組み上げられた構造物が、一斉にずれる動きである。
このように理解していると、「四方輪」から「体内波」への移行がわかりやすくなる。


■四方輪
腰から体の中を通る腕が伸びてきて、両肩を掴んだ後、
肩を腰まで引きずり込むように肩を沈める。
この状態のまま動くのが「四方輪」である。
肩を沈め込むと身体の前面が丸まり、上下の円を形づくることと、
肘も固定される形になるため、手の動きが左右の円の動きに制限されることから、
上下左右に輪が出来ることから「四方輪」と読んでいたとのこと。
腰から生えた手に操作される感じで動くので、ガラモンとかピグモンみたいな感じになる。
関係ないけどピグモンしか知りませんでした。
写真は左がピグモン、右がガラモン(稽古ではどっちでもイイです)。
 


■体内波
当時、3時間ほどで四方輪から体内波に変わったらしい。
きっかけは、手を後ろに組んだ状態で掴まれたところから逃げるという形から。
手が後ろにまわった状態では「四方輪」が作れず、どうにかならないかと稽古していたところ、
海蛇がクネクネ泳ぐように身体をくねらせると何だかほどけてしまうというのを発見(発見者が甲野先生かどうかは聞き逃してしまった)。
クネクネすると掴まれた手を動かすことが出来るというところから、体内波は生み出されたとのこと。
しかし体内波のイメージは、もっと小さな波、振動であり、例えるなら無数の蜂がホバリングしているような状態で、
動くときもそれぞれの蜂が動くイメージなのだそう。
ここで重要なのは、”無数の蜂がホバリングしている感じ”だという点。つまり、見た目は止まっている形でも身体はいつでも動ける状態にあるということである。
技の途中で相手にぶつかったとしても、それは無数にいる蜂の数匹がぶつかったということなので、その他無数の蜂は止まらずに動くのである。
実際、中島先生は「ぶつかっても動いてみよう。」と思って動いてみたところ予想外に動けたという体験が、(自分にも技が出来るようになるのだ。)と実感した瞬間だったそうな。

下の図は上から「説明でよく用いられる井桁イメージ」「身体感覚としての井桁イメージ」「体内波を井桁の形にしたイメージ(この図は私の個人的なイメージです)」











■肩の溶かし込み
「四方輪」に似ているが、「体内波」を経た上での変化なので、「四方輪」のような不自由さはない。
聞きなれた言葉で書けば、”肩があがってはいけない。”
ということなのだろうが、
同じように思えるポイントであってもあらためて何度も気づきなおして、改良・矯正していくところが甲野先生の進展なのだ。
改良点を発見->強調させて稽古->内在化(当たり前になってしまう為、ことさら言わなくなる)
->改良点を発見ー>強調させて稽古ー>内在化(当たり前になってしまう為、ことさら言わなくなる)
->・・・

この日、説明を聞いていて感じた『四方輪』『肩の溶かし込み』と、甲野先生の最新の気づきである『虎拉ぎ』に共通点を感じたのは間違えではないだろう。
甲野先生の技の歴史を同時期に学んでいるのだから。



甲章研究室(http://hojos.blog135.fc2.com/)主宰の「技で振り返る松聲館の歴史」シリーズ。
次の日程は未定だが、4月に開催予定とのこと。
今から楽しみです!

2011年2月22日火曜日

「前腕に体幹の力を伝える」@半身動作研究会

中島先生による半身動作研究会の稽古に参加した。
テーマは「前腕に体幹の力を伝える」


「肘から先にしっかり重さを乗せる。」
「肘から先は何もしない。」

どちらも前腕に体幹の重さを伝える動きの説明である。

前者ではシステマのプッシュアップを題材に、肘から先に重さが乗る状態を検証した。
拳に感じる圧力に偏りがない状態が結果として重さがのっている状態。
後者では甲野先生が昨日池袋で説明されていた「キャスター・風見鶏の原理」に繋がる動きの説明を受けた。
相手が掴んできたとき、相手が掴むことによって生じる動きに従って動く(言い変えれば掴まれる側は自分からは何もしない)というもの。

検証している内容を見ると違うことをしているように思えるかも知れない。
しかしどちらも同じ動き(状態と言った方が良いかも)の稽古である。
共通して言えるのは、前腕を積極的に使わないということ。
甲野先生が池袋の講座で話していた言葉にも繋がる。
「何もしないというのも難しいんです。」
「何もしないのも技です。」


うまくいかないと何かしたくなっちゃうんだよなぁ。
何かしたくなっちゃうからうまくいかないんだろうけど。
面白いなぁ。

2011年2月21日月曜日

甲野善紀「武術が明かす世界」@池袋コミュニティカレッジ

池袋コミュニティカレッジで行われた甲野先生の講座。
中島先生の骨盤おこしトレーニングからのはしご参加である。
なのに前回の日記からずいぶんと日が経ってしまった。


ここの講座は講義形式で行われるため、私も唯一リアルタイムでメモを取りながら先生の説明を聞いている講座。
普段は忘れてしまいそうだけど、覚えておいた方が良さそうな言葉などがあってメモを見ると面白い。
この日は参加者が少なかったせいか、後半になってけっこう技を受けることが出来た。


「和算と博打が禁止されていた時代があった。どちらも面白くて仕事が手に着かなくなるからというもの。身体の事も興味を持ってやって下さい。」
「私が理解しているのは、山のようにある身体の不思議のほんの一部。どうぞご自分でも発見なさって下さい。」


■虎拉ぎ
「たいさんも試してみて。」
受けたのではなく、自分で体験させてもらった。
2人で帯を持ち(一人は甲野先生)、マラソンのゴールのように、膝の高さあたりに張る。
そこに向かって普通に歩いていく場合と、虎拉ぎをかけて歩いた場合との差を体験するというもの。
面白かったのは、前者は帯に足がかかると上体が前にぐらつくのに対して後者はぐらつかない。
足がかかったときの恐怖というか不安定感が全然違ってくるのである。
中島先生が後ではなしていた喩えを借りて言えば、
前者は2両編成の電車で連結部分で折れてくるのに対して後者は1両編成の電車で連結部分がないという感じ。
引っかかっても上体がぐらつかないのだ。


■太刀取り
「何かご質問があれば。」
「太刀取りを見せてください。」
「太刀取りというのは、ある意味武術的な動きが集約されている形ですが、これは何年か私のところに通っている人でもなかなか難しいみたいですね。」
甲野先生の動きのなんとスムーズなことか。
甲野先生とバトンタッチして今度は私が避ける番。
”バシッ!”
”バシッ!”
”バシッ!”
ま、こんなもんでしょう。打たれても、以前よりも慌てなくなっていたことが確認できた。

参加者の方たちと。
太刀取り稽古ブーム到来か?
講座後、参加者の方達としばらく太刀取りの検証を行った。
避けるときにどうしても足が残ってしまう方にたいして、私の感覚を伝えたところずいぶんすっきりされた様子だった。
私も説明しながら納得するところを再発見。
甲野先生の説明で「相手に向かって行く。」「倒れ込むのと立て直すのを同時に行う。」という部分は、
重心の移動を先に行い、身体は後からついてくるという理解をしている。
また「向き変わることで刀を避ける。」という部分は、
重心移動でも遅れがちな足の回収を、向き変わるという動作によって自動的に行うと解釈している。

残る問題はタイミングだ。
私の理解では、相手の斬ろうとする気配を感じで動くというものだけれど、
どうも甲野先生の動きはこの解釈とは違うような気がする。
相手が斬ろうかと思い始めるくらいに動き出し、「斬らなければならない。」という意識を相手に持たせているような感触を受ける。
結果的には同じように見えるかも知れないが、、、
斬る側の感覚としては、斬らされている感じが強いのだ。


■「何もしないのも技」
『キャスター・風見鶏の原理』の説明で言われた言葉。
動かされたから方向が変わる。風が吹くから向きが変わる。
自分からは何もしない。
「何もしないというのも難しいんです。」
「何もしないのも技です。」
失敗するときは何かしちゃってるんですが、何もしないというのは本当に難しい!




■講座中に取っていたメモの写し
(せっかくメモしたので転記しているだけです。読みづらいです。)
・虎拉ぎ
ニー・オン・ザ・ベリー
アキレス腱固め
後ろ両手持たせ
胸を押さえさせて椅子に上がる
小手返し@虎拉ぎ。相手の足元から浮いてくる
添え立ち@虎拉ぎ。抱えてから虎拉ぎを行う
紐に足がかかっても前のめりにならない。
跳ね釣り
タックル潰し

・浪之下
肘から先は無いものと思う

・辰巳返し
相手を背中に乗せるつもりで。

・斬り落とし
抱玉の原理。
玉を作るのと転がすのを別々に行う。
玉を作るのは上半身、転がすのは下半身のように見えたが。

・剣
前へ横へ崩れそうになる感じを刀に使う。

・組太刀。
甲野先生考案の組太刀。
以前検討中と伺っていたが、すでに何本か出来ている。
この日も何本か説明されていたが、相手にある程度の技術を要求するので手順を覚えればいいというものではないようだ。
甲野先生らしい組太刀。

・視覚
鏡に写る☆をなぞる。
視覚に惑わされないのは難しい。

・体捌き
後ろ足、横方向への抜き。
”道具の重さを含めて自分。重心が先、身体・道具は後。”か?

・グーパー引き
女性でも成功していた。

・直入り身
抜刀で直入り身の形。

・杖
肩とほっぺたは近づきすぎない。杖をやるとよくわかる。

・槍
槍が左前なのは刀の柄に当たるから。

・馬
刀があるから馬には右側から乗った。

2011年2月16日水曜日

骨盤おこしトレーニング

雪の中参加した、骨盤おこしトレーナーとしての中島先生による骨盤おこしトレーニング講座の話。 
股関節を働かせるということと、重心の移動についての基本的なところを再確認出来た。 

久しぶりに長めの時間をトレーニングに費やすことが出来た。 
・骨盤立位の確認。 
・立つ、座る。 
・屈曲。足指、足首、膝、股関節全て屈曲させる。 

説明の合間を縫って、腰割り、股割りの自主練を行う。 
基本的なことをおさらいしながらやると、また気分も、やった感じも違ってくる。 

股割りなんとかならんかなぁ。 
なんて書くと「自分で何とかするんです!」とか中村先生に言われそうだけど。 


この日はこの後、池袋で行われた甲野先生の講座へ!

甲野善紀「武術の実演と解説」@東京武道館

東京武道館で行われた甲野先生の講座の話。 
最近は色々なジャンルの方が参加されてとても面白い。 
ちなみにこの日、隣の会場には外人のかたがたくさんいた。 
と思ったら初見先生の稽古であった。 
こちら側にも両国からお相撲さんが参加されていて、どちらの会場も大変盛り上がった。 


■虎拉ぎ(とらひしぎ) 
この日紹介されたのは、「虎拉ぎ(とらひしぎ)」 
様々な場面で有効だが、効果はインスタント。教わってやるとその場で効果がでる。 
といっても、個人差があるようで足までのつながりを感じられるかどうかはわからない。 
やってみると、肩が下がり、背中が下り、股関節がしっくりくる。 
この股関節周りの余計な緊張がなくなる感じが、下半身に繋がった感じか。 
作用は強烈で、応用範囲も広い。 
・ニーオンなんとかから逃げる。 
・横四方固めから逃げる。 
・袈裟固めから逃げる。 
・アキレス腱固め(かける直前)から逃げる。 
・腕拉ぎ逆十字(かける直前)から逃げる。 
・柔道技を返す。 
甲野先生と言えども、関節系の技はかけられる前に返す必要があるが、力士の方や総合格闘技、柔道をされている参加者から逃げて見せていた。 


■浮き 
「虎拉ぎ」と並んで言われていたのが「浮き」について。 
浮きつつ沈むとタックルを止めることが出来る。 


■辰巳返し 
座りで手のひらを床につけ、相手に両手で腕の手首よりのところを掴んでもらう。 
相手は腕が上がらないように相手の腕に体重を乗せる。 
140kgの力士の方を相手に技をかけていたが、すんなり持ち上がっていた。 
自分も試させてもらえば良かったな。 


■浪之下 
しばらく相撲の方や総合系、柔道の方とのやり取りを見ていていたが、 
ちょうど先生と目が合うタイミングがあり、技を受けることが出来た。 
簡単にはやられまいと思い、腕を掴む。 
「この人は色々考えてこういう持ち方になっている。」 
「これだと今までのやり方ではなく、、、」 
「これは今初めて試す動きですが。」 

見事に崩された。たいていの動きにはついていける状態だったと思うが、一瞬のうちに先生の身体全体が動き、 
その動きに遅れることなく掴んでいる腕も動く。 
ついていけるつもりでいた自分は全くついていけず。 

「今日稽古会をやってきて、今のが一番の気づきですよ。」 

あっさり崩されてしまったけど、こう言われたのなら講座に参加したかいがあった。 


■太刀取りの動き 
I上さんと。 
最近読んだ城間先生の著書「手を使う!」からヒントを得て、脳内稽古していた体捌きを試す。 
甲野先生が太刀取りの説明で「頭を残す」「足を回収する」と言われていた意味少しがわかった気がする。 
「重心の移動が先。身体は重心の移動についていく。」 
これが今の感覚。 
I上さんも太刀取りがお好きなようで、二人で「面白い。」「面白い。」と言い合って、面白かった。 

ウッチーさんと。 
講座後の受付エリアでちょこっと稽古。 
感覚面のアドバイスを受けたがこれがまた面白い。 
言語かが難しいが、相手を捉え続けるというかコントロールし続ける感じ。 
・相手の胸に手を当てて、相手の状態を感じるようにコントロールする。 
・相手の胸に手を当てずに、相手の状態を感じるようにコントロールする。 
・相手の状態を感じるようにコントロールし続けながら相手の中に入る。 

「入る」と言ってもコントロールしている状態で近づくということであって、必ずしも相手の正面に行く必要はない。 


■立ち技系 
詠春拳をされているという初参加の方、Wさんと。 
立ち技に興味ありとのこと。 
浪之下、斬り落とし、払えない突きなど稽古の相手をしていただく。 
「もっと参加者同士で稽古出来たりするといいんですけどね。」とWさん。 
「甲野先生の講座では、稽古したくなったら私のように迷惑をかけない範囲で稽古してていいんですよ。」 
お互いぜひまたお願いします。ということで今後お会いしたときは色々と稽古&情報交換させていただけることとなった。 
楽しみである。