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2015年8月31日月曜日

松聲館技法研究「座り」の集中稽古

座りの稽古をやりたいという、松聲館剣術技法研究員の金山さんのリクエストに応える形で、スポーツセンターの剣道場で稽古した。

今は構造動作トレーニングと融合しているので立ってやることも多いようだが、中島先生の動作術の会(旧半身動作研究会)では、よく座りで稽古していた。
足を使わないので、テーマがはっきりしやすく、転がっても痛くない。
正座が苦手な人はつらいかも知れないが、き座でもいい。どうしても出来なければ胡座でも何とかなる。


今回は『正面の斬り』の形を借りて、座りでの動きが何からなりたっているか、注意すべきところはどこか、確認していった。
『井桁』の動きを丁寧にやるとよいのだが、残念ながら私がいつでも体言出来るほど身に付いていない。
その前にもやることはたくさんあるので、最近の術理と座ったときに陥りやすい箇所に注目して稽古することにした。

と言っても立ってやる稽古と同じである。
甲野先生が言う、技を構成する三要素にしたがって稽古する。


『丈夫な構造で動く』
姿勢のこと。
立った状態で構造動作トレーニングの東京タワーのポーズを取り、姿勢を整える。
その状態を壊さないように丁寧に座る。
実はこれが出来ると他の技がいらないくらい強力な構造になる。
『正面の対応』で、相撲のごとく相手に対するならこれだけで十分すぎるほど強力になる。

『先端から動く』
指先から相手に侵入する。
背中や腰を使って対応すると、相手にもその動きが伝わって、同じく対応されてしまう。
先端から動く動きは、起こりが捉えにくく、目で見えていても対応しにくい。
相手に侵入すると相手が動くのでその動きについて行く。

『ふんばらない』
ふんばらないことの効果は、姿勢が崩れにくくなることにある。
逆じゃないかと思うかもしれないが、逆ではない。
足が固定される座りの姿勢で、踏ん張らないでいるのは難しく感じるかもしれない。
言い換えればいつでも立ち上がれたり、横に移動したり、後ろに下がれたり動ける状態でいることだ。
いつでもどこへでも動けるが、座る姿勢を選択している状態であり続ける。
このためには体幹部が速く動く必要がある。


『ふんばらない』は、座りでは難しく、そのぶんやりがいもある。
Kさんの興味もここにあったので、『足のヒョウ拳』と『謙譲の美徳』を中心に説明しながら稽古を進めた。

しばらくやっていると、金山さんの動きが、私が姿勢を丈夫にしただけの構えでは止められなくなる動きに変わった。
とくに『足のヒョウ拳』は、私もイメージでやっているので、感覚を伝えるのが難しいのだけれど、金山さんなりに解釈した結果、動きに変化がみられた。


私も金山さんとの稽古で新たな発見があった。
足のヒョウ拳に謙譲の美徳を組み合わせたら、金山さんが吹っ飛んだ。あまりにも派手だったので可笑しくなってしまったが、逆にやってもらうと私も後ろに弾き飛ばされた。

払えない突きでは、相手に向かっていく腕は、突きではなく抜刀のように前腕を内側から外側に向かって開くようにすると、丈夫な構造を保ったまま動ける。


金山さんとこのように集中稽古を行うのは、ずいぶん久しぶりだったが、
剣術と体術の方向性は異なるが、お互い甲野先生の技を研究する身なので、
稽古しやすく、良い集中状態でいられる。
また機会があればお願いしたい。


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