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2015年10月31日土曜日

甲野善紀×武蔵一族

ハロウィンで賑わうなか、田端の道場に忍者装束に身を包んだ人達が集まったが、コスプレでもハロウィンパーティでもない。

田端にある武蔵一族の道場に甲野善紀先生を招いて開催されたセミナーに参加した。

楽しみにしていたのは、甲野先生による手裏剣の説明だった。
普段、車剣(星形の十字手裏剣)で稽古することが多い、武蔵一族の方々に棒手裏剣を説明するのだから、普段は当たり前にやっているようなポイントもあらためて説明してくれるのではと期待していたのだ。
それに忍者からの質問なども面白そうだ。


体術、剣術などやってからいよいよ手裏剣術の実技と解説が始まった。

持ち方
指の関節の名前と指の皺の名前から説明が始まった。
甲野先生らしいと言えばらしいが、やたら難しい名前の関節だったので忘れてしまった。
爪に一番近い関節の事だったが名前が気になって詳細が入ってこない。
指のどのあたりに触れるかという話だったと思う。

距離の調整のしかた
直打法ではどの距離でも剣が90度回転して的に刺さるように、手の離れを調節する必要がある。
その方法は、距離に応じた円の軌道を描くようにして調節する。

先生が目指している技術。
手の内の摩擦などに影響を受けず、僅かな動きで必要な力を手裏剣に与える。
具体的な課題は湿気による手の内の変化だ。打ち方を変えれば対応は出来るが、それに影響されずに打てないかと考えられているのだろう。
十字手裏剣
スペシウム光線のように両手を使った手裏剣の打法を紹介された。
接触の感覚で刺さる位置をみて微調整を行い、感覚を掴むと良いそうだ。
100回も打てばかなり精度が上がってくるだろうと話されていた。

弓を引く
襟を逆手に掴んで肘を張るようにして上横方向に引き出しつつ、落とし投げる。
弓を引く感覚で投げるというこの技は、新しい形での『空気投げ』だ。
意表をつく方向から力が加わるので、柔道でも有効な技に感じた。

習志野さん主催の稽古が日程変更になり、すっかりご無沙汰してしまっていた武蔵一族のバネッサ朱雀代表にも久しぶりに挨拶が出来た。

手裏剣以外にも新しい柔道技として甲野先生による『空気投げ』を教わることが出来た収穫の多い講座だった。

2015年10月30日金曜日

投げと剣

抜刀で手裏剣が変わった。
剣先を強く感じるようになり、この感覚で手裏剣の飛距離がのびた。

さて今度はこれを体術の投げに応用したい。
応用すると言っても手裏剣の直打法の形で投げるのではない。
形を合わせるのではなく、剣先を強く感じる状態で投げを打つとどうなるか、試してみようと言うことだ。

うまくいけば投げに必要な要素である、繋がりを保つことになるのではないか。


Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。
まずは木刀による素振りで先端の感覚を確認する。
期待通り、手裏剣で強く感じた先端の感覚が木刀でも感じられ、素振りの感覚も全く変わって、以前よりも早くなった。
以前は木刀に感じる重さを軽くしようというアプローチで振っていたが、先端を感じてその動きを見失わないように剣を振ると見た目にはコンパクトだが、感覚的には自分の外側にはみ出ないギリギリのラインを通る大きな軌跡を描いているような振りになった。
別の言い方をすれば、先端は常に外側に向かって飛び出し続けようとしている感覚とも表現できる。
鞘なしでやったが抜刀の形でも、剣を抜く前から先端を感じていると抜くときの剣先が飛ぶ感じが違ってくる。



横で素振りを見ていたSさんが「ずっと剣を稽古してきた人みたいだ。」という感想を漏らしていた。私が感じた変化は剣をやっている人から見ても理に叶っている動きだと言うことで、これは素直に嬉しい。

抜刀のとき、腰が回っていて半身になっていないというので、改善のアドバイスを受けるとまた動きが鋭くなった。
股関節を抜き続ける感じで、かつ自身の重心の中間が保たれるようにすると、体が開いて剣が抜ける。


この動きがうまくいっているのかどうかは、同じ体捌きで人を相手に柔術の形で崩し投げられるかどうかで判定できる。
腰が回るとぶつかってしまって投げられない。


さてこの感覚を最終的には『空気投げ』に繋げたい。

『浮落』との相性がよさそうだったのでSさんと『浮落』をはじめとしたいくつかの技の形を借りて試した。
『浮落』『渦落(支釣込足)』『送足払』そして『隅落』だ。
どれも原理は同じだが、手裏剣や剣を人間に置き換えたときの先端はどこなのか、動きによって違うのか、一つずつ確かめていった。
『浮落』は相手の先端は、腕、或いは頭のてっぺんでもうまくいった。
『渦落』は右肘
『送足払』は左腰と右肘(円)
『隅落』は右肘


ここから、浮かせて落とすという要素を忘れてはいけない。
浮かせる動きは、重心の移動と身体の伸びで行う。
これらが一致するとゆっくりでも大きく投げることが出来る。
固い受けをしてもらった場合は、少し早く動くと良さそうだった。
しかしこれは相手の状態によって、速度を調節するのではなく、ある動きの原理に従うと、自然と適切な速度になるというのでなければならない。
そうでなければ全てが後手に回ってしまう。
この動きを手にいれる鍵が先端を感じながら動く感覚にあるのではないかと思えるのだ。
これは面白い。




2015年10月29日木曜日

森田真生著『数学する身体』

急速に手裏剣との一体感が増してきたのはなぜか。
身体の準備ができていたのは前提にあるにしても、きっかけはちょうど稽古前に読み終えた森田真生著『数学する身体』の影響だと思われる。



この本は、数学が発展してきた歴史と現在を、著者の身体感覚を通した言葉で語った本だ。

この事は著書の中にもミラーニューロンの説明で書かれているが、身体感覚は空間を超えて伝播する性質がある。
武術稽古をしていても身近に感じられる感覚だが、この本を読んでいると、著者の身体感覚が文字を通じて伝播してくるのを感じる。


書かれている内容に身体レベルで共感すると言ってもこれだけではピンとこないかもしれない。
具体的に言うと、アルゴリズムが考案されてから代数による一般化の話を読んでいるときは、私が『空気投げ』の解明に見た目を順に真似るやり方から投げる直前の形から成立条件を逆にたどって1つの正解にたどり着くというアルゴリズム考えた点、やり方が理解できると同じ原理で様々な技を説明できるようになり『空気投げ』に技の根本原理を見いだした点などが挙げられる。
これだけでは単に共感しただけだが、ちょうどチューリングについて書かれている辺りから機械が心を持つのかといった話題に触れられている場面を読み進めながら、同時に手裏剣を思い浮かべていた。


ここから本の中の数学は、さらに奥へ入っていくのだが、私がはっきりと感じられたのはここまでだった。

私が感じられるのは身体の準備が出来ている範囲だけだ。そのすべてが完全に伝わるわけではない。
伝播していないのではなく、感じられない部分があるということだ。
この先、芭蕉の『 光いまだ消えざるうちにいいとむ』や、岡潔の『数学は情緒である』といった言葉に対しても、伝播の影響が認識できる日が来るかもしれない。

2015年10月28日水曜日

棒手裏剣『上下左右からの打剣』

Oさんの好意で利用させていただいている人形町の稽古場で棒手裏剣の稽古を行った。


抜刀の感覚で手裏剣を打つと期待した通り、手首を捏ねてしまう動きが出なくなる。

ここからさらに広背筋の感覚をキープしたまま腕の振りを小さくしていく。

抜刀の感覚で試す。
抜刀の形で手裏剣を打つ。
抜刀の感覚で試す。

これを繰り返すうちに、はっきりと重さの乗せ方がわかった。
抜刀でつかんだ感覚を手裏剣に転用できた。
最後まで剣先が活きるように先端が手前に戻らずに、行き続けるような感覚で打つ。
剣の重さを感じ続けながら腕を振る。

動きを大きくして打つ。
動きを小さくして打つ。

重さを乗せる感覚は、手の内を使わない感覚。
手先の器用さは関係ない。
関係ないので不器用な左手でも同じ感覚で打てる。
少し前の右手よりもいい。
見違えるような打剣が飛んだ。

この日ついに、人形町最長距離の三間を左手で通すことが出来た。

まだ終わらない。
剣先の感覚が強くなってくると、下段からの発剣にも変化が出てきた。
まず、右が二間の距離まで通った。
続いて、左は挑戦した記憶もないが、できる感じがしてやってみたら一間強で通った。これはちょっと前の右と同じであり、自分でも驚く進展だ。


<まとめ>
上段右…三間で安定、重さの乗せ方がわかった。
上段左…三間が通った。距離は右よりも出せそう。
下段右…二間が通った。剣先を感じる感覚が濃くなった。
下段左…一間強が通った。

上下左右どこからでも打てるようになってきた。


2015年10月26日月曜日

上達のライバル達

もうすぐ1才になる息子が、つかまり立ちからのつかまらず立ちが出来るようになった。
家族で褒めるものだから何度もやってくれて、どんどん上達してくる。
翌日には立つだけではなく、立ったまま拍手が出来るようになっていた。
恐るべし。

娘にせがまれて柔道練習の後に温水プールにいってきた。
先日お風呂に水中メガネを持ち込んで潜って遊んでいたのだが、
それでプールに行きたくなったらしい。
娘は顔を水につけるのも苦手で大変だったのだが、ことしの夏でそれは克服していた。
しかし、鼻に水が入るのが嫌でしょうがないらしく、必ず鼻をつまんで潜っていた。
けのびもバタ足もすべて鼻をつまんでやるので、見るからに泳ぎにくそうだったのが、
この日、鼻から手をはなせるようになった。
そうなると楽しくなってきたのか、けのびも一気に上達して、
結局5mも泳げるようになってしまった。
恐るべし。


身近に上達の喜びを感じているライバルがいると、私も負けていられないのですよ。


2015年10月25日日曜日

柔道練習49回目『隅返』

今週もS先生とSさんと練習が出来た。

立ち技の練習。
打ち込み
投げ込み
乱取り


打ち込みでは力を抜いて相手に入る形を覚える練習をするとよいとアドバイスを受けた。
相手と密着する距離で技を掛ける。
次の技は特に意識する。
『大外刈』
『払腰』
『跳腰』
『内股』
『大内刈』
『小内刈』


投げ込みを練習したあとは乱取り稽古。
Sさんは勘を取り戻しつつあるようで、私は『背負投』を何度もくらって、前回大きく崩せた『支釣込足』は崩しにくくなっていた。
前回一度仕掛けることが出来た『空気投げ』には入れず、代わりにではないが一度だけ『隅返』がきれいに決まった。
『隅返』は練習していないのに出すとなったら決まる感じがして出せる。
初参加の市民大会でも、私に勝ってそのまま優勝した方を相手にして、
決まったのだから相性がよいのかもしれない。
しかし捨身技ばかりには頼れないので、起死回生のとっておきにしておこう。

それにしても練習が楽しい。
時間と体力が無くならなければいいのにと思う。

2015年10月24日土曜日

釣りで学ぶ『誘いと機』

最近の週末は娘と一緒に釣り堀に通っている。
餌をつけて糸を垂らす、シンプルな浮き釣りで鯉を狙う。
浮き釣りでは、浮きの反応を見て竿を素早くあげるいわゆる『あわせ』で針を魚に掛ける必要があるが、このタイミングがなかなかシビアな時がある。
浮きが少し反応した程度では、まだ魚が餌をつついている程度で、あわせても針は掛からない。浮きが完全に沈んだところであわせる必要があるが、遅すぎると餌を吐き出されてしまっていて掛からない。

このタイミングが魚の調子によっては非常に厳しい時がある。
ピクピクと浮きが反応しているが、沈みそうで沈まない状態が続いたと思ったら、一瞬深く沈んですぐに浮いてきたり、ゆっくりと沈んであわせるタイミングを失ったり、そうこうしているうちに餌が無くなっている。

それでは今度は早めに反応してやろうと待ち構えていても今度は無反応だったりして、こちらの集中を乱される。


先日、常連の釣り師があるテクニックを使っていることに気がついた。
うまくいくとあわせるタイミングをこちらである程度構えることが出来そうだ。
そのテクニックとは『誘い』と呼ばれ、ここで餌に食らいつくはず!という状況をこちらから作り出すことで、機をとらえる確率をあげる。


具体的には餌を落として着底した直後、あるいは落とした後で動かして浮かせ、再び着底した直後のタイミングを狙う。
餌が底に着くタイミングは予測ができるから、その直後にくる合わせのタイミングに集中すればいい。



柔道でも誘いからの仕掛けは有効だ。
やみくもに仕掛けるのではなく、相手の反応を誘って技に入る。
例えば背負い投げが得意なら、相手がこちらを押し込んでくるような動きを取ったときに入りやすいのだから、そうなるように仕向ければよい。
誘い通り動いてくれたらしめたもの、合わせればいい。


釣りもなかなか勉強になる。

2015年10月23日金曜日

浮かせて落とす、誘って消える、肘を肩で消す

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。


最近の進展は今までとは違う形で出てきている。
今までは、教わったことそのものが新しい動きであったが、最近は違う。
教えてもらっていることはわからなくても、それを聞いて動いた体は本人が思っている以上に応えてくれることがある。


最近ではこれらがそうだ。
・足の『ヒョウ拳』
・手の内が変わらない抜刀
・浮かせて落とす『空気投げ』

ここから下はこの日の稽古でわかったもの。
・誘って消える『燕返』
・肘を肩で消す『袖釣込腰』
・肘が動くと全部動く『背負投』


相手を浮かせるためには突っ立っていてはだめだ。
柔道で言えば自然体で、いつでも動ける状態である必要がある。
相手に触れたら相手が浮くように、重心の移動を相手が浮く方向に転換する。
近づきながら押して浮かす、近づきながら引いて浮かす。
『大外刈』がきっかけで、Sさんに『空気投げ』への転用を提案され、全ての技に転用出来そうだという感想をもらった。
浮かせてしまえば軽くなる。
ここに投げの秘密があるようだ。

『誘って消える』とは、Sさんが説明してくれた剣術稽古の話で聞いたフレーズだ。
甲野先生の稽古でいうところの『太刀奪り』の稽古がこれに近い。
『太刀奪り』が相手の剣を奪いにいく攻めの動きで誘うのに対し、Sさんが言う剣術では相手に斬らせる隙を見せてそこからいなくなることにより誘う。
まだ実際には応用していないが、燕返がこの考え方で動くことができる。
うまく整理できたら投げ裏の形が誘いによって成立する。
この日はSさんがやる剣術の形で、試しに私が取りでやってみたところ、意外に成立していたようだった。


肘を肩で消すのもSさんの剣術の稽古の話から聞いた。
話の流れで私が『袖釣込腰』を説明したところ、肘の気配を消して入る方が良さそうだという感想とともにやり方をきいたものだ。
肘を曲げるときに肩があがらないように意識するという注意なのだが、これを意識したところ、肘を動かす際の気配が消えたようだった。それに動きが鋭くなったように思えた。
そこで個人的に『袖釣込腰』よりも肘が気になりやすい『背負投』で意識して試したところ、やった自分が驚く速さで入ることが出来た。
背負投げでは、自分の右肘を相手の右脇の下に当てる。肘の気配が消えて脇に当てるまでにかかる時間が短くなったのは期待通りと言えば期待通り。
驚くべきは肘が脇に当たったときにはすでに背負い投げの形に入っていたことだった。
肘の気配が消えることで、からだ全体の速さが引き出されたようだ。


これは今度の柔道練習が楽しみだ。


2015年10月22日木曜日

抜刀術『手の内』

恵比寿でおこなわれている動作術の稽古会に参加した。
恵比寿での稽古の特徴は、中島先生の説明を聞いて稽古するも、自主稽古するも自由なところだ。



1本足のバランスボードに片足立ちで乗る練習をしてみたり、ジャンプして飛び乗ったり、その後で両足で乗ってみたりして遊んだ。
狙った位置に飛び乗れて、バランスを保ったまましゃがめれば担ぎ系の柔道技が変わりそうだと思ってやったのだが、慌てて制御を失うほど崩れるわけではなかったが、綺麗にしゃがむのはなかなか難しかった。



先日理解できた柔道の『大外刈』の打ち込みで足を大きくあげる意味をSさんに説明しながら受けてもらったところ、それを『空気投げ』でやったらどうかと提案された。
言われて思い出すのは三船十段の説明だ。
持ち上げて落とす。そんなことが著書のどこかに書かれていたような気がする。


とにかくSさんに受けてもらうと、この要素は『空気投げ』にも必要そうだという。
『大外刈』がまさにそうだか、浮かしてしまえば相手は急激に軽くなる。
Sさんいわく、スピードにのったジェットコースターで、上りから下りへと切り替わる頂点で体が宙に浮くときのような感じが大事だという。


やみくもに持ち上げようとしてもジェットコースターの感じはでないが、接触面と方向を形通りにやると相手が軽くなる。
そこが頂点だからそこから落とすと投げになる。
ここでも大事なことは、相手との繋がりを保つこと、動きを途切れさせないことである。
この質の動きはやったことがある。押しながら、体は沈みながら(ここはまだ検証の余地がある)相手を浮かせる。
途切れないように気を付けることが出来たら、うまくいくかもしれない。



Sさんが最近理解が進んだという剣術(居合い)の説明を動きと共に見せてくれた。
Sさんにとって大きな発見だということは伝わってきたが、正直に言うと説明の内容にはついていけなかった。
普段剣術の練習をしないので、言葉も動きもピンとこなかったのだと思う。
私がなぜ剣術(特に抜刀)をやらないのかと言うと、自己流で練習してみても、手首に大きな負担がかかるのが感じられて、やりたくなくなってしまっていたのだ。


ところがSさんの説明を聞いていて、手首の負担を無くせる動きが出来そうな感じがした。
鞘なしの木刀だったが、抜刀の練習をしてみると、今までとは手首に感じる負担が全く違う。
全体的にとてもしっくりきて、これなら続けて練習しても楽しくできそうだった。
道場にある大きな鏡の前で自分の動きを確認してみても、今までとは比べ物にならないくらいスムーズに見える。
これまでは抜刀の動作の中で、手の内が思いっきり変わってしまっていて、手首に負担がかかっていたのが、今回理解した手の内が変わらない動きをすることで解消された。
こうなると面白くなってくるなぁ。

2015年10月21日水曜日

棒手裏剣『下段からの打剣』

Oさんの好意で利用させていただいている人形町にある稽古場で手裏剣を稽古した。
今回はOさんとHさんが参加出来た。



広背筋が抜けない範囲で動くのは間違いない。

Oさんは以前私が予言した通り、手裏剣と剣術が繋がって面白くて仕方がない状態になったようだ。
夜中の稽古が止まらなくなって、仕事にも支障が出始めているらしい。


しかし私も人のことはいえない。
手裏剣稽古は毎回終電近くまで続けてしまう。やめ時が難しいのだ。
この日は動作術の中島先生が人形町で稽古していて、その稽古終わりの食事にOさんが合流するタイミングと、Hさんがいつもより早めに帰宅するタイミング、それから少し遅れて私が中島先生に合流するタイミングの全てを意図的に逃して、ようやく終わったのは終電が迫った23時過ぎだった。



三間の距離で打っていると直打法の感覚に変化が出始めた。
Oさんから紹介された、まるでこん棒のような木刀?を操る動画を見たのがきっかけはだった。
動く前から剣が手から離れるまで動きやそれに伴う重さの変化を途切れずに感じ取れているか、丁寧に動きを見直してみたのだ。
腕をあげていよいよ打つ動作に入ってからではなく、最初から最後まで丁寧に自分の動きを感じながら打つ。
これがよい。
最近はこのような変化が増えてきている。
何か刺激になるような技や動きを見たときに、それをそのまま真似してその効果を実感するのではなく、それを切っ掛けにして反応した感覚で動くと効果を感じるというものだ。
甲野先生が色々なタイプの人と稽古をする目的はこのような変化が訪れるのを期待してのことなのだろうと思えてくる。



手裏剣が的に刺さる精度は前回とそれほど変わった感じはなかったが、打つ動作の方向性は定まってきた。
背中が抜けないように動くのはもう必須といっていい感覚になってきた。
この感覚に従うと、左の飛距離ものびてきた。


途中、気分転換に下段からの手裏剣を試すとそれをみたOさんにずいぶんと驚かれた。
まだ二間弱の距離でしか刺さらないが、重さはのっている。
下段からの発剣は、感覚では掴んでいるものの、やり方の説明が難しい。
重力に逆らうので直打法を上下逆さまにしたようにはならないのだ。
重さを感じながら剣を運ぶ。
あるところで剣が手から抜けていくのだが、それは水平になりかけるくらいで剣が飛ぶ感じでちょうどよい。


手裏剣は自分のやっている動きにリンクして上達するのが面白い。
そのうち柔道が上達すれば投げ技と手裏剣が繋がってくるかもしれない。

2015年10月20日火曜日

甲野善紀先生から合気道個人レッスン(?)

BULINK主催で毎月開催されている綾瀬にある東京武道館での甲野善紀先生の稽古会に参加した。

ここはスポーツや介護、日常動作に至るまで様々な興味を持った人がよく集まる。
この日はボートレーサーの方が質問されていたり、先日はゴルフプロがスイングについて質問していたりしていた。
何もやっていない人も興味があって参加されていて、楽しんでいる。
平日の夜だが講義だけではく動きをみたり体験したりしたい方にはおすすめの講座だ。
もちろん、体験せずに見ているだけでも良い。


私は夜間飛行のメルマガ動画撮影でお手伝いさせてもらっている関係で、同じグループであるBULINK主催の綾瀬ではスタッフとして参加している。
スタッフとして、なるべく積極的に参加者のかたに話しかけて、そのかたの興味に合わせて甲野先生の技の解説をするように心掛けているが、私は話が上手ではないし、話しかけてよいものかどうか判断がつかなくて迷うこともあって、本当は聞きたいと思っているかたに話しかけられていないかもしれないし、その逆もあるかもしれない。
結局、自分の直感で話しかけて、『辰巳返し』や『謙譲の美徳』、『浮木之腿』の説明をしながらシンプルな形で体感してもらうと概ね反応がよい。
特に『謙譲の美徳』は受けた感じもやった感じも、いわゆる普通のやり方と大きく変わるので面白がってもらえたようだった。


少しでも面白さを伝えられたら嬉しい限りだ。


途中、合気道の演武のような形で甲野先生の技を受けた。
合気道の経験者が受けているのを見たことはあったが、受けるだけででなく、私が先生を投げるのは初めてのことだった。
今まで受けた甲野先生の技の印象とはちょっと違う。
こちらの動きの邪魔をせず、かといって強力な力で従わせるわけでもない投げ。
「空気投げをやるというならこれは知らないとね。」
参加された皆様には(私にも)唐突な空気投げの話題だったが、つかの間、大変貴重な、甲野先生による合気道の個人レッスンを受けることができた。
この感覚は柔道技に繋げていきたい。


2015年10月18日日曜日

柔道練習48回目『投げ込み!!』

徒歩2分、地元の道場での柔道練習。
0才の息子にご飯をあげてから、遅れて参加した。

道場につくと子供たちが寝技と受身の練習中だった。
人数もぴったりで、2人組みのメニューで人が余らず、私がヘルプで参加する必要はなさそうだった。

広くない道場だがスペースを見つけて、自転車反対漕ぎと、BJJの中井祐樹先生に教わったその場で出来るエビで一人練習をしていたところ、S先生が声をかけてくださって、抑え込みからの逃れの練習が出来た。
今のルールの20秒以内とはいかなかったが、どの抑え込みからも逃れることが出来た。
簡単には外れない程度の押さえかたをしてもらっていたので、体にバネがあるという評価をいただいた。
寝技を全く知らなかった頃は、抑え込まれてしまうとどう動いたらよいのかわからず、やみくもに体力を消耗していたが、それに比べれば随分と動けるようになってきた。
相変わらず体力は消耗しますけど。
・横四方固めからの逃れ
 エビ。これに尽きる。
     隙間が出来たら膝を入れる。
・上四方固めからの逃れ
 その場で回転。ブリッジ。足を掛ける。
・袈裟固めからの逃れ
 足を掛ける。腕を抜く。抜いたらエビと回転。
 相手が胸の上にのってきたらブリッジ。


亀になった相手の返し方
・背中にまたがったところから、帯を持って引き揚げ、
 足を差し入れると同時に脇の隙間から手をさしこんで襟を掴む
 横方向に転がって、相手をひっくり返しつつ自分は相手の上に来るように体を抜いて、変形の上四方固めに入る。


打ち込み、投げ込み、乱取り
この日は途中からS先生の息子さん(黒帯、柔道は10年ぶり)が参加されて、私と組んで練習することになった。
この日ほど色々な技で投げ込みをやったのは、初めてだった。
打ち込みから
大外刈
背負投
体落
大内刈
小内刈

そして投げ込み
大外刈
背負投
体落
大内刈
小内刈(押す版、引き付ける版)

そしてこの練習を経てからの乱取り稽古は今までとは全く違っていた。
『どうすれば良いかわからない』状態だった感覚のなかに『こうなれば投げられる』というものを感じられるようになっていた。
わずかな投げ込みの練習でここまで違うのかと驚いた。
たった2分を1本だけの乱取りだったが、仕掛けた回数は、これまでとは雲泥の差であった。
良かったのは『支釣込足』だった。タイミングはほぼ合っていて、「うおっ!あぶない。」と声が漏れるほどに大きく崩せたものの粘られて投げきるには至らなかった。
それからこれも投げるには至らなかったが、流れの中で一回『空気投げ』を試みることができた。
狙って出たというより、出せそうだったので出したのだが、これも「うおっ、あぶない!」という声が漏れたので、入りと崩しは良かったのだと思う。
逆にこちらがやられたのは相手の右足が前にあるのに誘われて私が出した出足払いを見事に返される返し技だった。
餌に食いついちゃった感じですね。

それにしても充実したいい練習になった。

またお会いして練習出来れば嬉しい限りだ。

2015年10月13日火曜日

『飇拳(ひょうけん)』松聲館技法レポート(最新技速報)

メルマガ用の動画撮影のため松聲館へいってきた。

前回不参加だったKさんも今回は無事に参加できた。
前回できなかった剣術から、『霞突』などをやるが、Kさんが進歩していて、甲野先生の動きにかなり食らいついていた。
薙刀への対応も相当できるようになってきていて、先生も認めるほどになっていたのは驚いた。
しかしそうなるとそれに触発されて甲野先生も変わってくるので面白い。
Kさんに左籠手を装着してもらい、遠慮なく小手を打つと、宣言通りの小手が決まる。
「いつ打つかは自分にも知らせない。」というその剣先は、横から見ても自然に小手に向かう軌跡を描いていた。
『影抜き』のように急速な変化によるものではなく、徹底的に気配をなくすことによる効果のようだ。



この日は飇拳(ひょうけん。飆の字は正しくは左に風で右に火の字を3つ)の効果が思いがけない形で現れてきた。
私とKさんで『鎌柄(かまつか)』と呼んでいる(正式名称かどうかは不明)稽古をしていると、先生が私の動きを受けてくれるという。
『鎌柄』のやり方は、お互いに片手を前にだし(通常右手か左手どうし)、一方が指先を相手の甲に触れたところから始める。
甲に触れられた側は、相手の手首あたりを掴もうと試み、甲に触れている側はそれをから逃げるというものだ。


避けるポイントは徹底した気配読みと無駄の無い動き。
掴むポイントは徹底した気配消しと無駄の無い動き。


これは遊び要素が多いながらも、お互いに気配の出た場所を教えあったりして、やればやるほど速くなるので、ついついハマってしまう。
私も一時期はこればかりやっていたこともあった。
それだけに多少の自信と実績もあったのだが、今回甲野先生にやられた避けられかたにはショックを受けた。
こちらが掴む番で、完全に空振りさせられてしまうのだ。
このようなことは動きの速い人が集まるつくば稽古会でやったときも起きなかったことだ。
伝わりにくいのを承知で書くと、私が掴む動きをしようとして実際に動き始めるまでの僅かな時間に先生は避け始めている。
私はすでに避けられつつあるのを見てはいるのだが、もう掴む動作に入っていて、わかっていても止められないのだ。
フライングで避け始めたところにたまたまタイミングが合ったのとは、避けられたときの感触が全く違う。
これがショックだった。


これを先生は『飇拳』でやっている。
先生も不思議だったようだが、頭を介さないで動くので説明のしようがないようだった。


ここからまた、柔道で襟を掴まれそうなところを、その腕を払いつつ懐に入る動きや、ボクシングのジャブを捉えて相手との距離を詰める動きなどに応用されていった。
先日恵比寿でやったときの『払えない突き』は、『謙譲の美徳』効果をだすのに相手の動きに合わせる必要があったというが、今回のは我々以外の方が受けた場合にどうなるだろうか、今後も見逃せない。



途中、『鎌柄』以外にもKさんと稽古をした。
Kさんは先日集中してやった以降も、座り稽古を研究されていていくつか形を紹介してくれた。
私は柔道の組手で一気に有利な状況に持っていく入りかたを『払えない突き』と『謙譲の美徳』でやるというのを受けてもらった。
そもそもこれが『鎌柄』の稽古をやるきっかけだったのだけれど、気配なく相手の襟、袖を掴み、触れた瞬間働く『謙譲の美徳』効果によりかなりの確率で有利な状況に持っていくことができた。
今回はこちら側からだけ掴みにいく条件で試したかっこうになったが、今後はお互い隙あらば掴むという状況でもでるように研究を進めていきたい。
これがうまく出来るようになれば、一気に相手を後方に押しやりながら間合いを詰めて、『小内刈』なり『大内刈』なりに入ればかなり有利な状況になる。
私の場合、柔道の練習量が少ないので間合いを詰めた後が最大の課題だ。


最後に私の話になってしまったが、話を戻すと甲野先生の『飇拳』による反応は是非一度体験していただきたい。

2015年10月11日日曜日

柔道練習47回目『打ち込み』

子供達の練習後、黒帯のパパさんを相手に少しだけ打ち込み

大外刈
足を前に大きく伸ばすことの意味。
見た目には刈る前に足をあげる必然性がわからないかもしれない。
知らなければそう見えることもあると思うが、受けてみれば違いがわかる。
やばいと感じても止めようがない状態にまで持っていく動きだ。
足をあげる動きで相手の体は宙に浮き始める。浮いた体の足元を刈るので相手が回転する。
かつて木村政彦が相手を脳震とうで気絶させていたという形とは少しやり方が違うが、宙に浮かされてから回転した勢いで頭を打ち付けられたら、ただではすまない。


足技
小外掛け
膠着状態から一気に間合いをつめて押し倒す形まで持っていって掛ける。
大内も小内もなかなか相手の懐に飛び込むのは難しいが、外側から掛ける小外の形だと比較的入りやすい。
ポイントは一気に間合いをつめて、抱きつくくらい相手にくっつくこと。



タイミングをはかる練習。
足払い
相手と同じリズムで動いていては掛けるタイミングを失う。
相手の左右への動きを感じとり、後から動く足を払う。こちらから仕掛ける場合は、左右への動きを誘導しながら相手の動きを感じとり、一緒に動いてくるようであれば、左右の切り替えでタイミングを早めて相手の足を払う。


支釣込足
体を捻って相手を螺旋状に崩し投げる。
足技だが動きの質としては、足を出さなくても相手が崩れるように動く。



技の原理や仕組みへの理解ばかりが進んで、実践練習ができていない。
バランスが悪すぎて気持ちが悪いので、思った通りに動ける練習がしたい。
前からいっていることだが、打ち込み、投げ込み、乱取り練習が必要だ。

2015年10月7日水曜日

体幹部の働きで手裏剣を打つ

Oさんのご好意で貸していただいている人形町の稽古場で棒手裏剣の稽古をした。

棒手裏剣は甲野善紀先生が得意としていて、私が棒手裏剣を知ったのは甲野先生がきっかけだった。
体を練るのにいいのと、何より面白いので練習を続けている。


先日Oさんが一人で手裏剣稽古をしていて、普段やっている剣術や中国武術の構えをヒントに手裏剣に取り組んだところ、刺さり方が変わったと言う。
早速拝見すると、前回見たときとは随分と雰囲気が変わっていた。
動きを見ても手裏剣に質量と重心移動の力が載っている。

Oさんにも言ったが、剣術で手裏剣が変わると、次に手裏剣で剣術が変わると言う循環が始まる。
こうなるともうどちらもやめられない。
私の場合は剣術をやらないので体術でこれが起きる。これが面白い。

用事でOさんがいなくなった後は私の一人稽古。
左を練習しようと予定していたが、Oさんから聞いた剣術の立木打ちの説明で私の広背筋がピクリと反応していた。
先日の重さをのせるスクワットからの流れもあるので、姿勢から丁寧にやってみることにした。

構造動作トレーニングの基本ポーズから、広背筋の収縮が解けないように(背中が抜けないように)手裏剣を構える。
ここからさらに丁寧に取り組まなくてはならない。
手裏剣を打つ動作中も背中が抜けないようにする。肘を無造作に伸ばすと簡単に背中が抜けてしまう。
少なくとも剣が離れるまでは死守する必要がある。
何度かやっていくうちに、腕の振りは以前に比べて小さくなり、剣の飛びは良くなってきた。腕を振りすぎると背中が抜けるのでそうならないようにしていたら自然と変わってきたのだ。

この打ち方は軌跡も安定してくるので、狙うのにも適しているようだ。
二間の距離では刺さらないことはなくなり、普段はあえてやらないようにしているが、的を狙うとそこに手裏剣が集まりやすくなった。

それならば左もと言うわけで当初の予定通り左の練習もはじめた。
同じアプローチで取り組んでみるとこちらも刺さり方が良い。
距離に関係なく、背中が抜けないことに気を付けて打つので、基本的に同じ感覚で打てる。
結局この日は、右は三間(この稽古場でとれる最大距離で6m弱)、左は二間で、手裏剣が刺さらないということはほぼなくなるところまでになった。


広背筋、広背筋と大きいながらも部分的な筋肉に着目して説明しているので誤解を招いているかもしれない。
体幹部の力が働く姿勢をとることがポイントであって、広背筋はそのときに気を付けるチェックポイントの一つにすぎない。
そもそも手裏剣をやっている人が少ないので影響は無いと思うが、この記事を見て他のスポーツに応用するときに広背筋の筋トレに取り組むのは間違えであるところに注意してほしい(そもそも該当者はいないと思うが)。

体幹部が働く姿勢が取れること。
その姿勢が取れているかどうかを自分でわかるようにすること。
広背筋はチェックポイントの1つ。

 具体的なトレーニング方法は、中村考宏先生の書籍や構造動作トレーニングセミナーでご確認ください。

2015年10月4日日曜日

釣りと柔道(実践)

乱取りでは足技と手技が少し出た程度だったが、仕掛けるタイミングを逃しては技に入ることもできないということをあらためて痛感した。

そのリベンジではないが、練習後は娘とともにはまっている釣りに出掛けた。
釣りも柔道と同様、仕掛けるタイミングを逃してはならない。

結果は上々。
これまでの釣果が嘘のように釣れた。
二時間で二人あわせて16匹というのは新記録だ。
釣り堀を管理しているおじさんにも、「うまいですねー!」と言ってもらえたのが上達の目安になる。
回りをよく見ると常連の方以外はそれほど釣れていない様子だったから、悪いコンディションで新記録を出したことになる。


柔道も釣りと同じくらい練習できれば上達できるのだろうか?

柔道練習(46回目)乱取り1分

乱取り練習ができた。
黒帯のパパさんが風邪気味にもかかわらず子供たちの練習後に私の練習につきあってくれたのだ。

背負い投げの打ち込み少々と、動きながら投げるタイミングをはかる練習。
最後に乱取り一分を一本。

背負い投げのタイミングは、後ろに下がる相手が前に方向を変える一瞬に掛けるか、あるいは返し技を覚悟で相手を背負い投げに入れるところまで追い込んでいき、掛ける方法を教わったが、実践は難しかった。

乱取りでは、技が出せない病は徐々に解消されつつあることが確認できたが、技を掛けきることは出来なかった。
チャレンジで掛けると返されて投げられる。
一分少しの間に壁際で止めてもらった腰技を入れて三回投げられた。
私も技を出せたが、担ぎ系には入らせてもらえず、足技が何度か出た程度。
その中でよかったのは『小外掛け』で、畳につくところまで持っていくことができた。
体力はあっという間になくなるし、良いところを取られた後は、組み手を戻せないしで、先手必勝で動かないと技を出せずに終わってしまうのは間違い無さそうだった。


もっと動けるように練習したい。

2015年10月2日金曜日

スワイジャオと柔道

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。
いつもより遅くなったが、W氏によるスワイジャオ(シュワイジャオ)の形の紹介を全36本(?)の1本目からしてくださることになった。
10本目以上まで進んだのですべてを思い出せないのだけれど、柔道技の大きなヒントになる印象深い形がいくつかあったので、書いておきたい。



相手の脇に腕を差し込んで肩を決める形にロックさせ体を回転させて投げる形は、後に出てくる様々な形に通じる質の変化が求められるものだった。
それは、腕はあるだけで働くので、積極的に使わないという感覚。うまくいったときの感覚は本当になにもしていないかのよう。


スワイジャオの形で理解が深まった柔道技。
支釣込足
これが質を変える動きが求められるもの。
腕が余計なことをしなければ体の動きは相手に伝わる。
体の回転と足を出すのを同時に行う。


大外刈
腰の回り。相手の腰の回りを擦るようなくらいの距離感で腰の位置を相手の腰の向こうに移動させる。
腰の動きに足がついてくるようにして大外刈にはいる。技の最終形が近いのは大外落だが、入るところは大外刈。


大内刈
相手の左足に重心をかける方向に向かって近づき足を踏み入れる。
踏み入れてから、形では手を右後ろ方向に回しつつ膝を曲げて足裏を向けて上げた足裏にタッチしつつ270度ほど回転する。
この感覚のまま大内刈では、回転しつつ足をかけながら釣り手を足裏に向かって落とす。
これは本当に凄い。


小外掛
相手のふくらはぎから膝裏に向かって足裏を刷りあげつつ股関節と膝を曲げて相手の足を外から内に払う。
この投げのポイントは、刷りあげる足に自分の体重を預けない点にある。


釣込腰
英語でhip-throwは、柔道では腰技全般をさす。
スワイジャオでは釣込腰に近い形での投げをさすようだった。


大腰
手を積極的に働かせない感覚での大腰はいままでよりもスムーズに投げにはいれる感触がした。


いやー、面白かった。
投げの形はよく考えられていると感じた。
Wさんはこれを世界的に有名な尤中武(ユウ・チュウブ)氏から、動きを一切直接指導を受けることなく、見学のみで盗んだという。
しかも普段対人で稽古しているわけではないので、我々に紹介している動きはほぼ初めてやるものばかりだそうだ。
驚くべき形の力とも言えるが、形を効果のある形で再現できるほどに独学で研究する姿勢に驚かされる。


柔道技の観点からの私の感想はWさんのスワイジャオの研究の一助になったりならなかったり、しているようだ。
少しでもお役にたてれば幸いだ。


投げの研究は実に面白い。

2015年10月1日木曜日

筋トレの感覚変化『超!楽な腹筋運動』

月一回、『松聲館の今を稽古する』と題される甲野先生の稽古会が恵比寿で開催されている。

腹筋と腕立てが一気に楽になった。
今まできつかったのは、やり方が下手だったのだ。
どう楽になったのかも書くがその前に『空気投げ』についてかいておこう。


『空気投げ』
相手の足が継げないように投げるにはどうすればよいか。
Sさんが受けた感触によれば、引き手のみで投げるくらいのほうが、抵抗なく投げられるという。
釣り手が働きすぎるとそれに対して反応できてしまうようだ。
引き手のみで投げると言っても、腕力で振り回すのではない。
相手との繋がりを保ったまま動くということだ。引き手も余計な働きをしてはならない。ここがポイントだ。
速度が上がっても質を変えてはならない。


足の飆拳』で動く
『足の飆拳』で技を止める効果は確かめているが、何とかして技をかけるときにも有効にならないかと考えている。
陥りやすい過ちは、自分が丈夫になったからといって、雑に動いていいという訳ではないということ。
気を付けるべきは、丈夫になると雑に動いても間に合う場面が増えてしまうところだろう。
柔らかさは追求したい。
Sさんいわく今の動きでは沈む動きが難しそうだという。
左手を介した繋がりと落としに沈みでついていく意識で稽古していると
『飆拳』をかけたまま動けるようになってきた。
柔らかさは身に付けたい。

順番が前後するが終了後に到着した韓氏意拳のUさんから貴重なアドバイスをいただいた。
まるで私の悩んでいる課題を知っていたかのように、私の動きの強さとそこを取られたときの弱さについて指摘され、自分の体を足元から引き上げる状態が大切な点について、動きを通して伝えていただいた。
Uさんの動きに触れると、丈夫にしたつもりの私の体が、ひょいと持ち上げられて前後にシェイクされるように簡単に動かされてしまう。
まさしく衝撃的な感覚だったが、
『足の飆拳』をかけたまま動きたいという私の課題をクリアするために必要な質的転換はこの方向なのではと思わされた。


さて腹筋が超!楽になった話をしよう。
甲野先生が紐トレの紹介をしてくれたのだが、その内の1つが足に輪をかけて腹筋をするというものだった。
このメニューの説明は省くがやってみると自分がお椀になったかのように、足をあげて下げると頭が上がるようになる。
紐なしでこの楽な感じが残せないかと思い、何度か紐ありで繰り返し、動作を体に刻み込んだ。
そうしているうちに感覚変化が訪れた。
それは、腹筋は上体を上に持ち上げる動作ではなく、重心を頭から足に向かって移動させる動作だという感覚。
これならば足を上げなくても起き上がれそうだと思えた。
さっそく紐なしで試してみると、これまでとは全く違い腹筋運動で感じるキツさが無いと言っていいほど、楽に起き上がれるようになっていた。
何回でもやっていられそうな気すらしてくる。
続いて擦りあげとも呼ばれる柔道式の腕立て伏せが楽にならないか、と言うと甲野先生がたすき掛けに紐を結んでくれた。これはきつめにやったほうが効果が高かった。
これで擦りあげをすると、驚いたことにこれも楽に感じた。
広背筋の収縮が働きやすくなり、上体が無理なく立ち上がってくる。
一番きついところを軽くしてくれるのでこの変化を感じた人は驚くと思う。
これも紐をつけたまま何度か繰り返して動作の感覚を体に刻み込んでから紐なしでやってみたところ、嬉しいことに再現することができた。
これで柔道練習できつく感じていた筋トレメニューがずいぶん楽になりそうだ。
筋肉はつきにくくなりそうですけどね。