動画で復習!仁木征輝先生の寝技

ついに仁木征輝先生に会えた。
以前から動画で勉強させていただいて、ついには夢にまで見たりしているのである。
少々無理をしたが、参加出来て良かった。

仁木先生は技を伝えに来てくださっているので、出来る限り受け取れるように臨んだ。
と言ってもすぐには出来ないのでいったんは一方的に受け取るところまで。
特に前三角絞めの内腿で絞められる感覚と仁木返しは忘れずに練習したい。

聞いた話をなるべくたくさん書きました。
参加された方や、仁木先生に習ったことがある方、間違えていたら指摘してもらえると大変助かります。

『振って、反対に返す』
あらゆる攻防で意識していたこと。
これがダメなら反対側、あれをやったらその反対側。
この考えはこの日の説明の中に多く含まれていた。
他にも重要なポイントを伺うことが出来た。
『頭を制する』
『脇を取る』
『次の動きを考えて動く』

わたしの復習のために教わった技と仁木先生の動画をセットにして纏めました。

帯取り返し
https://www.youtube.com/watch?v=i20eHEL_vxA
https://www.youtube.com/watch?v=BPVKUfghC1M
https://www.youtube.com/watch?v=QvPQ43bi7lY
https://www.youtube.com/watch?v=vRr9zWftH3Y
https://www.youtube.com/watch?v=sMIu58AnwRE
座ってやる形から、立った状態でやる形まで。
この技はわたしが仁木先生の動画で知った技で、見よう見まねながらも、立ち技乱取りでは最も良くかかる技になっている。
今回しっかり教わることが出来て良かった。
立ち姿勢からの場合、自護体で体を入れ替えながら相手の頭を下げさせる。
背中が見えたら帯を持つ。
反対の手で相手の肘の上を抱える。
軸足、掛ける足の順で動かし、相手の腹に飛び付く。
軸足の位置がポイント。内側を向いてはいけない。外に出過ぎてもいけない。
軸足は相手の足先の少し前に、爪先を外側に向ける。
引っ掛ける足は相手の内腿を蹴るように振りだし、膝頭が外に出るようにする。
後ろに転がる。
先に足を掛けて飛びつくこと。後ろに転がりながら足を掛けるのではない。

亀を返す
https://www.youtube.com/watch?v=iI4Ile1Nzgs
相手の『あたま』を狙う。あたまとは喉から上のこと。
『あたま』を制されると相手は動けない。この日の説明の中に度々登場する大事な話。
亀になっている相手の畳に近い場所の肘を小指側で引っ掛けるようにして抱え込む。
前に書いた振って、返すそのもの。
このまま押し込んで返せるなら返す。相手が抵抗して帰らなかった場合、この形では袈裟固めのように足を前に出してから、後ろ方向に回転して返す。
その前に相手の頭と脇を制するように腕を持ち帰る。
頭を潰されないようにするには何処に動けばよいか、考えて位置取りする必要がある。

脇を取って決める(腕拉ぎ十字固め)
https://www.youtube.com/watch?v=ZnndDK9g_Uo
片足は相手の背中につけて、梃子の原理が大きく働くようにしている。

脇を取って十字固め
https://www.youtube.com/watch?v=PRIHtA3O35Q
仁木先生から『これは試合で出すことは無いから真似せんでください。』と言われた形。
丁寧に解説されています。
真似します(笑)

四つん這いから反撃する(タックル)
https://www.youtube.com/watch?v=238JhJNU9oQ
片足タックル、両足タックル。
片足タックルは相手の膝を外す方向にも力をかけている。実際には外れないように加減して後ろ方向に倒す。
相手が腹を出して踏ん張ったら反対方向か横方向に返して押さえ込む。

仁木返し
https://www.youtube.com/watch?v=AX9MpPsIT6M
これは仁木先生のオリジナル技。
帯取り返しとやり方が違う。
仁木先生にわたしの動画の見よう見まね版を見てもらった。
「最後の足が全然違う!」と言われてしまった(笑)
その後の説明と練習で手順と形は覚えた。
寝技の防御姿勢を取る。片襟片袖、足は両足とも相手のひかがみあたりに引っ掻けるか、片方は足裏を腰にあてる。
釣り手を引き付けて帯を持つ。
引き手を相手の帯の下に突っ込む。
足首を相手の足に掛ける(なるべく自分に近く)。
頭を引き手側に横に振って相手の腹の下に入るようにする。
これに合わせて、帯を持つ手で上方向に持ち上げて、腹の下の手で下から突き上げて、引っ掻けた足で持ち上げる動作を同時に行う。
持ち上げる足は頭を振る方向から遠いほうの足。

鉄砲返し(小室先生)
https://www.youtube.com/watch?v=dwNV42phYo4
仁木返しは鉄砲返しの感覚でやる。
仁木先生の動画が見つからなかったが、小室先生の動画が見つかった。
仁木先生は「横四方でしっかり抑え込まれたら鉄砲返しは出来ません。崩れ上四方に対してやる。」と説明されていた。
小室先生の動画もタイトルこそ横四方を返すとなっているが、返す瞬間の形は崩れ上四方の位置まで移動していた。
小室先生の動画も丁寧でわかりやすい。

背負い投げを掛けそこなった相手を潰す
https://www.youtube.com/watch?v=TeUvcxaAu2k
乱取り中に良くある形なので仁木先生に「どう攻めるのが良いか?」と質問した。
これに対する仁木先生の回答は「無限」だった(笑)
「こんなにやり易い形はない。」「亀は絶対に返せる。」とも断言されていた。
無限に研究したい。

前三角
https://www.youtube.com/watch?v=UP2TcCwKv1w
お腹を突き上げる。内腿で絞める。
仁木先生の技を受けることが出来た。

横三角 亀を返しながら入る
踵は差し込みすぎると抱え込まれるので少し引っ掛ける程度。
動画が見つからなかった。
別の動画で「横三角は返されるからやらない。」として、横三角の返し方の説明をされていたものがあったので、仁木先生はあまりやらないのかも知れません。

後三角
https://www.youtube.com/watch?v=8kNbX4OAWTM
https://www.youtube.com/watch?v=VIS-Yp3fgqc
拳が動脈にあたるので前三角よりも良く絞まる。

裏三角 横四方を返す
https://www.youtube.com/watch?v=Dh_W4aaGr6Y

袖車絞め(小室先生)
https://www.youtube.com/watch?v=xNI97ckrn9A
古くは無かった比較的新しい技。簡単で良く利く。
小室先生がやっていると紹介されていた。
仁木先生の説明では、絞めは手刀で斬るようにする。

話を聞く機会があり、質問させていただいて、仁木先生の合気道技と空気投げ(!)をかけていただいた。
「合気道の技術は柔道に活かされているか?」という質問には「合気道は手首を極めるので柔道には使えん。」と言いながら、組み手でさりげなく使うと優位にたてる話や、腕を極めるときの微妙な角度は合気道の技術が役に立っていると話して下さった。
技も凄かった。簡単に手首を持たれたと思ったらスッと極められて床まで潰された。
もう1つお願いしたのは仁木先生の『空気投げ』。以前仁木先生が動画で説明するのを見ていていつか受けてみたいと思っていたのだ。
釣り手をセンサーにして相手の動きを察知する。押し込んでいって相手が押し戻してきたところを引き落として投げる。
『浮落』の形で説明していただいた。
これも『振って、反対に返す』で投げている。

加えて貴重な話も伺うことが出来た。
「内弟子にならないか?」と言っていただいていたと言う塩田剛三先生の話。
講道館で実際に見たという三船久蔵先生や木村政彦先生の話。
当時、夕方になると三船先生とお弟子さん達との練習が始まって、それが始まるとみんな練習を止めて見ていたという。
ちなみに仁木先生は得意技の『体落』を潰されたときに左ひざを壊しているが、
その時の相手が猪熊功先生だ。
出てくる名前が凄すぎて現実感がない。
ここには書けないような話もうかがえて、大変貴重な時間を過ごすことが出来た。

仁木征輝先生もとんでもない人です。昔の柔道家ってすごいですね。
漫画家のやざま優作さんが漫画にしてくれるそうですが、ダイジェスト版?の「柔道家 仁木征輝物語」のエピソードだけでも相当です。



仁木征輝先生、そして快く招き入れて下さった中井祐樹先生、ありがとうございました!

コメント