柔道練習『回転系の技に謙譲の美徳』

移動打ち込みを多目にしたいつもの練習。

背負投、袖釣込腰、背負投、大腰
大内、小内、出足払、大外落、膝車、出足払

この日はAさんが先週Rさんと私で練習した空気投げと谷落の餌食になった。
止め方がわからないのでかけ放題状態。
私は引き手を意識した空気投げで何度か投げることができた。

乱取り練習後は投げの練習。
Aさんは捨身技、Rさんは谷落。
極端な防御姿勢の相手にかける内股はけんけん内股になりやすいがその時の引き手、釣り手の使い方は両方とも畳につけにいくように体重をかけると相手が下で自分が上の状態になりやすい。

私は先日松聲館で小磯さんに教わった杖を押す稽古を柔道技に適用する練習をやらせてもらった。
相手を押す稽古はついつい前のめりになってしまいがちだが相手が触れる直前で杖を引いてもすかされないで前に進めるかがポイントだ。
小磯さんと練習したときに、謙譲の美徳と似た技法だが教わった感覚で動いた方が方向に限らず自由に動けそうな予感がしていて早く柔道技で試したかったのだ。

謙譲の美徳で背負投。
回転する動きに謙譲の美徳を当てはめるのは難しく感じていた。
右回転に入るのに左回転をするつもりで動くというのはどうしても動きにくかったのだ。
今回あらためて確認してわかったのは、右回転に対して譲るのではなく、右回転を引き起こす力に対して譲るのだということ。
右回転を引き起こす力は左引き手と右釣り手の働きによるもの。
左引き手が引くのに逆らわずに体が寄る。
右釣り手を立てるのに逆らわずに体が下がる。
逆らわずに回転して向き変わり、引き手が押すのに逆らわずに体が一層寄る。
杖の稽古でも確かめたがこれを相手が抵抗しようとする状態でも作用させる必要がある。
背負投の防御として、腰を落として重心を低くする姿勢で受けてもらうことにした。
この姿勢の相手を投げるには手前に引き出すか引き上げるかして自分が相手の下に入り込んで投げる必要がある。
これで抵抗なく投げられれば一応有効だと言えるはずだ。
試してみるとこれまでになく軽い感触で投げることができた。
お互いに何度か試したがうまくいったときの感触が無さすぎて不安になるくらい。
これは杖を押したときの感触と同じだ。

大外刈ならはどうかと試してみた。
相手にかけた足に対して謙譲の美徳をかけようとすると自分が前に飛ぶようにする必要がある。一方、手の働きは押す方向なので自分が後ろに下がるようにする必要がある。
これらを同時には出来ないが先日整理した技の仕組みによれば、刈り技は相手を押し込んでバランスを保とうとした足をとめて倒す技なので、謙譲の美徳を使って前に進み、足の位置だけ大外刈の位置に置けば良い。
結果として刈ることになり前に進むだけで相手が倒れる。これが原型。
もちろんこのままで誰にでも通用する技にはならない。ならないがこの感触を知ってしまった以上、たとえ弱くなろうともこのやり方で練習したい。

先日『浪之下』の感覚が投げ技に繋がったところだが、それほど期間をあけずに『謙譲の美徳』の感覚が投げ技に繋がる実感を得られたのは嬉しい。

当日のTwitterより
柔道練習終了。
通常練習後は技の研究。
回転系の技に謙譲の美徳をのせるやり方がわかってきた。
見た目の円運動に惑わされていたが、力の方向は直線だと気づいたあとは早かった。
引き手で寄って釣り手で下がり引き手で寄る。
引き手は何時とはなく引くから押すへ変わる。

小磯さんに教わった杖を使う稽古を紹介した。
不思議がりながら効果を実感してもらえた。
これを背負投げに応用するのが謙譲の美徳の頃からの課題。
今日でだいぶ解消されてきた。
これやるとたぶん弱くなるけど、これで上手くなりたい。

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