忍者道場で十字手裏剣


伊賀の手裏剣大会を控えたIさんが稽古を開始して4時間後、私が到着。程なくして”くノ一”のS女史も到着。この時間からは3人稽古となった田端の時代アカデミー武蔵一族の稽古会。

■十字手裏剣
この日は何と言ってもこれ。
距離は6m、投げ方は自由。アーチェリーの的のように中心が高得点になる直径30cmほどの同心円を狙う。
実際の大会ではパフォーマンスや礼法というのもあるとのことでしたが、私は省略して大会で使われる公式手裏剣6本を存分に投げさせていただいた。

体幹で行う重心移動と手の上下の動きがぴたっと来ると手裏剣が手から離れる前に(これは良さそう)と感じる。
反対に駄目なときは動いている途中で(これは良くない)というのも感じる。
終始、左右へのブレが少なかったがIさんとS女史が言うには2回目にしては上出来らしい。
連続6投(大会は5投)のうち後半に良いもの出る傾向があったが、やりながら微調整を行っていたせいだろう。微調整も手元ではなく体幹で行う。下を狙いたければ膝を抜く、上を狙いたければ胸を上げるというような事を試してみた。
このあたりが的を見て自動的に出来るようになると良さそうだが、これはやはり練習を重ねるしかなさそう。
それから、褒められた後の1投がぶれるのは(いいところを見せたい)という心の揺らぎが手裏剣に出てしまったもの。この辺のシビアさは棒手裏剣と同じだ。
今回もたっぷり投げさせていただいたが、これはハマる。一人稽古にはうってつけだが棒手裏剣と同様、出来る場所は剣術稽古以上に限られている。

■股割り
最近よく構造動作トレーニングのメニューについて質問されるが、何となくそれらしい実演とともに説明出来るようになってきたように思う。
・前重心になるスタートポジションの説明
・土台(股関節より下)を動かさない説明
・背中を抜かない(丸めない)説明
といったあたりを股割りを実演しながら説明する。下腹は床につけられないし、ロールオーバーも見せられないが、IさんとS女史にはいわゆるストレッチによる動きとの違いは伝えられたようで良かった。

■座る・立つ
『足の甲から正座、正座から立つ』
Iさんがかなり出来るようになっていて驚いた。さすが「偽合い気上げ達人芸(仮称)」を発案しただけの事はある(笑)
宴会芸ネタをIさんからいくつか仕入れる。
1.偽合い気上げ達人
2.足の甲から正座で着地と同時に膝行、止めずに立つ
3.後転して動きを止めずに立つ
2番目を試したところ、田端道場での褒め言葉「気持ち悪い。」をいただく(笑)

■腕相撲
宴会芸破りを思いついたというIさんの挑戦を受ける。
試してみるち、肩・肘を楽にする普通のやり方ではびくともしない。先端を意識すると多少いくがひっくり返らない。さらに浮きをかけるバージョンアップ版でやると、もうちょっとだけ行くがやはりひっくり返らない。
今回は完敗。
Iさんをひっくり返すには、もはや腕相撲とは呼べない別のやり方を考える必要がありそう。2つほど思いついたがどうだろうか、Iさんの手裏剣大会が終わったら今度は私が挑戦したい。

■腕相撲2
普通の腕相撲の形。Iさんは私よりも腕も太いし、体格も良い。単純な腕力でいくと私は勝てないのだけれど、ちょっと前の「水天宮稽古」で気づいた『井桁』の応用でやってみるとIさんでも止められない。
これは相当有効なようだ。試しに腹ばいになって、井桁の動きを制限した格好でやってみると効果も薄くなるようだった。これは、私のやり方が前後の重心移動の力を腕に伝えている方法だということだろう。

コメント

匿名 さんのコメント…
2012年9月1日にコメントした者です。かなり お久しぶりになっちゃいました。
9月4日の記事で「気」について書かれていましたが、甲野先生も気を使う治療ができると、いう事ですか?ただ、たぶん気と古武術をいっしょに語ると(ここには書くのも嫌なジジィなので○を入れますが)柳○拳などの気を使うとされる詐欺師と同じと思われるのが嫌なので甲野先生は気について慎重に発言されてるのかな?と 思いました・・・。
前に「僕は気は存在すると思ってます!」と このブログにコメント書いていたのと、そのブログを書いてる人に気が存在する話を教えてもらった事の2つの意味でうれしく驚きました!
西式強健術と触手療法とは初めて知りましたが、たい さんは少しできるのですか・・・、珍しい体験を色々してる たい さんとやりとりできて光栄です!(・`ー´・)
毎日150回ほどこのブログが見られてるらしいと書いてありましたが、このブログを少し見て他のサイトにみなさん移動してしまうんですかね?生意気ですが少し色んな武術技を知ってる僕が読んでも文だけだと分かりづらいと思う時があるので、もしかしたら どんな動きなのか簡単な絵や写真などを文と一緒にするとコメントは増えるかもしれませんね。
最近腕相撲用などの技の研究をされてるみたいですが、一瞬で変な所に負担がかかって関節などを痛める時があるので特に勢いを使う技の練習は本当に少しずつしていった方が良いですよ(3年経っても少し痛い部位が僕にはあるので・・・)。
重心移動の「膝を抜く」は僕もできる技なので共感できてうれしいです!甲野先生が桑田 真澄 選手に教えた投げ方も腕の筋力はあまり使わないみたいですし、ゴミ箱に紙くずなど入れる時に方向を定めやすいので たしかに手裏剣などの物を投げる時も全身を使うと良いかもしれませんね。
それではこれからも たい さんの生活を応援させてもらいますね~。
空気投げ研究家 さんの投稿…
いつもコメントありがとうございます。稽古メモでも反応があると嬉しいものです!
甲野先生が気について慎重になっているのは、気に頼ることで上達が止まってしまう事を懸念されている一面もあるようです。
日記が文章ばかりでわかり難いのは確かにそうですね。今度宴会芸の連続写真でも載せてみます(笑)
腕相撲はぶつからない動きで相手を転がすのですが、やり方を間違えて勢い任せになると危険ですね。小手返しなどで特に感じます。
手裏剣はまってます。そのうち購入してしまいそうな勢いです(^^;