スワイジャオと柔道

Oさん主宰の恵比寿稽古会に参加した。
いつもより遅くなったが、W氏によるスワイジャオ(シュワイジャオ)の形の紹介を全36本(?)の1本目からしてくださることになった。
10本目以上まで進んだのですべてを思い出せないのだけれど、柔道技の大きなヒントになる印象深い形がいくつかあったので、書いておきたい。



相手の脇に腕を差し込んで肩を決める形にロックさせ体を回転させて投げる形は、後に出てくる様々な形に通じる質の変化が求められるものだった。
それは、腕はあるだけで働くので、積極的に使わないという感覚。うまくいったときの感覚は本当になにもしていないかのよう。


スワイジャオの形で理解が深まった柔道技。
支釣込足
これが質を変える動きが求められるもの。
腕が余計なことをしなければ体の動きは相手に伝わる。
体の回転と足を出すのを同時に行う。


大外刈
腰の回り。相手の腰の回りを擦るようなくらいの距離感で腰の位置を相手の腰の向こうに移動させる。
腰の動きに足がついてくるようにして大外刈にはいる。技の最終形が近いのは大外落だが、入るところは大外刈。


大内刈
相手の左足に重心をかける方向に向かって近づき足を踏み入れる。
踏み入れてから、形では手を右後ろ方向に回しつつ膝を曲げて足裏を向けて上げた足裏にタッチしつつ270度ほど回転する。
この感覚のまま大内刈では、回転しつつ足をかけながら釣り手を足裏に向かって落とす。
これは本当に凄い。


小外掛
相手のふくらはぎから膝裏に向かって足裏を刷りあげつつ股関節と膝を曲げて相手の足を外から内に払う。
この投げのポイントは、刷りあげる足に自分の体重を預けない点にある。


釣込腰
英語でhip-throwは、柔道では腰技全般をさす。
スワイジャオでは釣込腰に近い形での投げをさすようだった。


大腰
手を積極的に働かせない感覚での大腰はいままでよりもスムーズに投げにはいれる感触がした。


いやー、面白かった。
投げの形はよく考えられていると感じた。
Wさんはこれを世界的に有名な尤中武(ユウ・チュウブ)氏から、動きを一切直接指導を受けることなく、見学のみで盗んだという。
しかも普段対人で稽古しているわけではないので、我々に紹介している動きはほぼ初めてやるものばかりだそうだ。
驚くべき形の力とも言えるが、形を効果のある形で再現できるほどに独学で研究する姿勢に驚かされる。


柔道技の観点からの私の感想はWさんのスワイジャオの研究の一助になったりならなかったり、しているようだ。
少しでもお役にたてれば幸いだ。


投げの研究は実に面白い。

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