第135回つくば稽古会『きびす返し』

つくば稽古会に参加した。
まずは皆さま、娘と遊んでいただきありがとうございました!


Kさんから新しいボールを使った体の外側の感覚を拓くトレーニングと、足技のキレに繋がる基本原理を紹介していただいた。

ボールを使ったトレーニングは丁寧にやればやるほど背中の感覚が拓かれる。このトレーニングをやってみると、床を体の外側を使って転がる運動がやりたくなって、ゴロゴロ転がっていた。受け身の練習にもなるし、子供たちがやっても楽しそうだ。

柔道場ではほぼKさんとの投げ技の研究。お互いに情報交換しながらそれを検証するスタイルが定着しそうだ。
わたしは『空気投げ』と足技の関連について気づいたことを報告して、Kさんからは人が倒れる根本的な仕組みとそれをもとにした足技の形についてご紹介いただいた。
Kさんの足技を受けると「これは!」という切れ味だった。その切れとは、三船十段の動画で見た足技の切れだ。
技に強引さが残る場合、たとえ止められなくても抵抗する隙が見つかるのだが、今回受けた足技にはその隙が感じられない。
この原理に従えば技の完成度を「この形に入ったら逃げられない」ところまで高められそうな感触だった。
乱取り形式でこの形に入るのにはそれはそれで別の課題があるが、三船十段の軽やかな足技が自分にとって現実味を帯びて近づいてきたように感じる。
又聞きなので根本的な仕組みの説明は控えるが、三船十段の『踵返し(きびすがえし)』が決まる仕組みがまさにこの仕組みにのっとっていると言える。




さらに興味深いことには、先日恵比寿でSさんと検証したときに発見して、この日Kさんに紹介した「『隅落』と『送足払い』の関連」も、Kさんの話す根本的な仕組みの中に内包されるようなのだ。
Kさんとわたしの持ち寄った技の仕組みを確認した上で『隅落』をKさんに受けてもらうと、Kさんが飛びやすそうに投げられる。
この受けで大事なのは、決してKさんがこちらの技に合わせて能動的に飛んでいるのではなく、技を素直に受けた結果、受動的に飛ばされている点である。
名古屋の研究稽古会前に『空気投げ』を大きく進展させることが出来た。


参加された皆さまにも『空気投げ』を受けていただいた。
技の仕組みの一部を取り出した、受け身がとれなくても味わえるバージョン『空気崩し(仮)』も受けてもらえた。さらにこちらの説明でやってもらうことも出来た。
しゃがむことに無意識にでも抵抗がある場合、『空気崩し(仮)』はかかりにくい。この場合は『隅落』ではない形を試してみる必要がありそうだ。


この日は韓氏意拳の内田さんも参加されて、以前手裏剣で教わった『集注(しゅうちゅう。今回の注の字はこれで正しい。)』の手ほどきを受けることが出来た。これも名古屋の稽古会までにわたしが語ることは出来ないが、体で感じたものは財産として蓄積されていく。
うまく言えないが、駄目なときの違和感として上達を助けてくれると思う。


後半、世話人のHさん等に甲野先生の『吸われる』術理による『謙譲の美徳』を座り『正面の斬り』の形で受けてもらった。
反応を見ながらやってみたが皆さん後ろにはねのけられる感触を楽しんでいただけたようで良かった。
内田さんは何度かやっているうちにはねのけられずにガッツリ止めるようになっていた。


名古屋まであと二ヶ月弱。技を磨きつつ、出来るだけ伝わりやすいように整理していきたい。


この日のつくば稽古会の様子が動画でUPされていました。
娘がチラチラ映り込んでいます(笑)

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