前回は都合により不参加となっていた皮膚の稽古@半身動作研究会。
この稽古は色々な稽古メニューの中でも特に面白く感じる。
以前の日記にも書いた気がするけど、稽古の形の中とは言え、
触れただけで相手が崩れたり、触れられただけで自分が崩されたりするのだ。
こんな世界があるとは稽古を始める前は想像もしていなかった。
という感じで好きなんです。皮膚の稽古。
それでいつになく(いつも通り?)長文になってしまいました。
色々な形で稽古をするのだけれど、共通して言えるのは相手との接触面を大事にする(皮膚の圧力が変わらないようにする)ということ。
マーパイでのコラボワークからのはしご。
マーパイコラボワーク効果なのか、この日はとっても調子が良い感じだった。
■座りの正面押し@皮膚
まずは基本の形。相手の両腕を自分の手のひらに乗せ、相手の皮膚がゆるゆると動く範囲で手を伸ばす。
これだけで相手が動くとは信じ難いので、どうしても身体が前に出ていったり、腕や肩や背中が力んでしまう。
あまり考えずに手をちょっとだけ前へ出す。
ちょっとだけ動くと相手もちょっとだけ動く。
相手がちょっとだけ動くと接触面の状態が変わりそうになるので、変わらないように相手についていく。
ただ相手についていくのだから、体重を乗せたり、寄りかかったり、力んだりする必要はない。
感触としては相手がどんどん動いてくれるのでそれにぴったりとついていくだけなのだ。
この日の私は何しろ調子が良かったので、他の参加者の方に、
”私が手を伸ばすときに力んでいないのをよく確認して下さい”などとアドバイスをしながら(ほんとに何もしていない感じだなぁ)とあたらめて感触のない感じ(言い方が難しい)を噛みしめていた。
そうこうしていると、稽古の前半は自分のどこが力んでいるのかわからなかった人も、
何故うまくいかないのかがわかるようになってくる。
”ああ、また力んでしまいました。”
”今のは肩が出ちゃいましたね。”
などと自分で自分の出来なかった点がわかるようになってくるのだ。
これは自分に言っているようなものですが、(なんで出来ないのだ。)とか(こんな難しいこと自分には出来ないのではないか。)などど悲観的になる必要はない。
だんだん出来る比率があがっていって、やがて何回やってもほとんど出来るようになって、
そのうち(相手にもよりますが)出来なくても良くなるのです(笑)
皮膚の稽古から内容がはずれてしまったけど、とにかく楽しめました。
中島先生をはじめお相手してくださった方々、ありがとうございました!
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この日やった皮膚の稽古メモ(稽古の名前は日記用に私が勝手につけたりつけなかったりしています)。
■座りの正面押し@皮膚
最初に紹介した形。
基本。基本なのでその日の稽古でも2周目をやったりする。
2周目が1周目よりうまくいったりすると自分の成長を感じられて嬉しい。
■座りの前後手@皮膚
正面押しの形で、左右の手を一方は差し出す方向、もう一方は引き寄せる方向に動かす。
互い違いになるので相手は左右のどちらかに崩れる。
相手は左右方向に捻れながら崩れるのだけれど、手を動かす方向はあくまで前後。
少しでも左右に倒そうとする動きが出ると相手は止まる。
■寄りかかり正面押し@皮膚
正面押し(だけではないですが)最大の敵である身体の前傾を強制的に排除する形。
やり方は身体を前に出せないくらい思い切り壁に寄りかかって正面押しをやるというもの。
突然強力になる技にやっているほうもびっくり。
■立ちの前後手@皮膚
立った状態で前後手。
立っていると相手の崩れ方も大きくなったりする。
それでも皮膚の圧力は変えてはいけないので、立っている場合は足を運んで相手の動きについていく。
ついていくと相手は崩れ続ける。
■座り前進@皮膚
向かい合って座り、相手の肩を左右からチョップの形で挟み込む。
両手は相手の両肩に触れたままにしておき、これ以上は何もしない。
片膝を立てる。
膝を立てた足をさらに一歩前に出す。この時相手の両肩に触れた手は何もしなければ相手の肩に触れながら前方向に滑り出す。
すると相手が少しだけ動くので動いた相手の方を向く。
するとまた相手が動くのでその動きを見続けると相手は崩れ続ける。
これも見た目には挟んだ手で相手を崩しているように見えるけれど、
挟んだ手で操作しようとすると相手は止まってしまう。
■井桁で触れる@皮膚
相手の腕を両手の平で挟み込み、左右の手で上下互い違いになるように皮膚をはる。
相手が少しだけ動くのでそれについていくと相手は崩れ続ける。
(この形、中島先生がやるのはよく見るけどみんなで稽古した覚えがないなぁ。やはりちょっと難しいのだろうか。)
■井桁で触れる(システマより)@皮膚
・相手の身体前面の肩に上方向、膝の裏に下方向の圧力がかかるように触れると相手は崩れる。
・相手の身体前面の肩に手前方向、背面の肩に向こう側への方向の圧力がかかるように触れると相手は回転しながら崩れる。
■ずらしのストライク@皮膚
拳を相手の肩に当てた直後、左右に皮膚が張る程度だけずらしてから押し込むと相手が動く。
■引っかければいい@皮膚
中島先生:「結局、どこでもいいから引っかければいいんです。」
・指を掴まれた状態から相手の手の内に指を引っかける。
・腕を掴まれた状態から握った拳の先を相手の腕に引っかける。
そう言えば私の調子良さを感じられたのか、一緒に組んだ参加者の方から色々と質問をされた。
調子が良かったので説明させていただいた。
読み返してみるとなんだか知ったかぶっていて恥ずかしい(笑)
『なぜ手だけを伸ばすようにしたり、手を操作しなかったりと形によってやり方が違うのに同じような効果があるのでしょうか?』
『理由の1つとしては、身体で寄りかかってくると思って身構えていたのに手だけが伸びてきたとか、腕力で動かされると思って身構えていたのに身体全体で動いてきたなど、相手の予想と異なる動きになっているからだと思います。』
『甲野先生の技もこの皮膚の稽古が繋がっているのでしょうか?』
『甲野先生の技は強力なので感じ取りにくいかも知れませんが、勢いよく崩されるときでも接触面の圧力は一定のままです。その感覚は皮膚の稽古で身につけられると思います。』
質問されて思い出したけど、甲野先生が斬り落としについて、以前こんなアドバイスをしてくれたことがあった。
『相手に触れた手はむしろ逆方向に動くような感じ。』
つい、相手の手を押し下げようと下方向の圧力がかかるような動きになってしまいがち、
しかしむしろ自分の手が相手の手からすべり落ちていくような接触状態になるように動くというのだ。
これは甲野先生も接触面の状態が変わらないように動くことを意識しているということだろう。
稽古後はファミレスでお話。
稽古熱心な方が同席されていたせいか、稽古の話題で盛り上がって楽しかった。
この稽古は色々な稽古メニューの中でも特に面白く感じる。
以前の日記にも書いた気がするけど、稽古の形の中とは言え、
触れただけで相手が崩れたり、触れられただけで自分が崩されたりするのだ。
こんな世界があるとは稽古を始める前は想像もしていなかった。
という感じで好きなんです。皮膚の稽古。
それでいつになく(いつも通り?)長文になってしまいました。
色々な形で稽古をするのだけれど、共通して言えるのは相手との接触面を大事にする(皮膚の圧力が変わらないようにする)ということ。
マーパイでのコラボワークからのはしご。
マーパイコラボワーク効果なのか、この日はとっても調子が良い感じだった。
■座りの正面押し@皮膚
まずは基本の形。相手の両腕を自分の手のひらに乗せ、相手の皮膚がゆるゆると動く範囲で手を伸ばす。
これだけで相手が動くとは信じ難いので、どうしても身体が前に出ていったり、腕や肩や背中が力んでしまう。
あまり考えずに手をちょっとだけ前へ出す。
ちょっとだけ動くと相手もちょっとだけ動く。
相手がちょっとだけ動くと接触面の状態が変わりそうになるので、変わらないように相手についていく。
ただ相手についていくのだから、体重を乗せたり、寄りかかったり、力んだりする必要はない。
感触としては相手がどんどん動いてくれるのでそれにぴったりとついていくだけなのだ。
この日の私は何しろ調子が良かったので、他の参加者の方に、
”私が手を伸ばすときに力んでいないのをよく確認して下さい”などとアドバイスをしながら(ほんとに何もしていない感じだなぁ)とあたらめて感触のない感じ(言い方が難しい)を噛みしめていた。
そうこうしていると、稽古の前半は自分のどこが力んでいるのかわからなかった人も、
何故うまくいかないのかがわかるようになってくる。
”ああ、また力んでしまいました。”
”今のは肩が出ちゃいましたね。”
などと自分で自分の出来なかった点がわかるようになってくるのだ。
これは自分に言っているようなものですが、(なんで出来ないのだ。)とか(こんな難しいこと自分には出来ないのではないか。)などど悲観的になる必要はない。
だんだん出来る比率があがっていって、やがて何回やってもほとんど出来るようになって、
そのうち(相手にもよりますが)出来なくても良くなるのです(笑)
皮膚の稽古から内容がはずれてしまったけど、とにかく楽しめました。
中島先生をはじめお相手してくださった方々、ありがとうございました!
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この日やった皮膚の稽古メモ(稽古の名前は日記用に私が勝手につけたりつけなかったりしています)。
■座りの正面押し@皮膚
最初に紹介した形。
基本。基本なのでその日の稽古でも2周目をやったりする。
2周目が1周目よりうまくいったりすると自分の成長を感じられて嬉しい。
■座りの前後手@皮膚
正面押しの形で、左右の手を一方は差し出す方向、もう一方は引き寄せる方向に動かす。
互い違いになるので相手は左右のどちらかに崩れる。
相手は左右方向に捻れながら崩れるのだけれど、手を動かす方向はあくまで前後。
少しでも左右に倒そうとする動きが出ると相手は止まる。
■寄りかかり正面押し@皮膚
正面押し(だけではないですが)最大の敵である身体の前傾を強制的に排除する形。
やり方は身体を前に出せないくらい思い切り壁に寄りかかって正面押しをやるというもの。
突然強力になる技にやっているほうもびっくり。
■立ちの前後手@皮膚
立った状態で前後手。
立っていると相手の崩れ方も大きくなったりする。
それでも皮膚の圧力は変えてはいけないので、立っている場合は足を運んで相手の動きについていく。
ついていくと相手は崩れ続ける。
■座り前進@皮膚
向かい合って座り、相手の肩を左右からチョップの形で挟み込む。
両手は相手の両肩に触れたままにしておき、これ以上は何もしない。
片膝を立てる。
膝を立てた足をさらに一歩前に出す。この時相手の両肩に触れた手は何もしなければ相手の肩に触れながら前方向に滑り出す。
すると相手が少しだけ動くので動いた相手の方を向く。
するとまた相手が動くのでその動きを見続けると相手は崩れ続ける。
これも見た目には挟んだ手で相手を崩しているように見えるけれど、
挟んだ手で操作しようとすると相手は止まってしまう。
■井桁で触れる@皮膚
相手の腕を両手の平で挟み込み、左右の手で上下互い違いになるように皮膚をはる。
相手が少しだけ動くのでそれについていくと相手は崩れ続ける。
(この形、中島先生がやるのはよく見るけどみんなで稽古した覚えがないなぁ。やはりちょっと難しいのだろうか。)
■井桁で触れる(システマより)@皮膚
・相手の身体前面の肩に上方向、膝の裏に下方向の圧力がかかるように触れると相手は崩れる。
・相手の身体前面の肩に手前方向、背面の肩に向こう側への方向の圧力がかかるように触れると相手は回転しながら崩れる。
■ずらしのストライク@皮膚
拳を相手の肩に当てた直後、左右に皮膚が張る程度だけずらしてから押し込むと相手が動く。
■引っかければいい@皮膚
中島先生:「結局、どこでもいいから引っかければいいんです。」
・指を掴まれた状態から相手の手の内に指を引っかける。
・腕を掴まれた状態から握った拳の先を相手の腕に引っかける。
そう言えば私の調子良さを感じられたのか、一緒に組んだ参加者の方から色々と質問をされた。
調子が良かったので説明させていただいた。
読み返してみるとなんだか知ったかぶっていて恥ずかしい(笑)
『なぜ手だけを伸ばすようにしたり、手を操作しなかったりと形によってやり方が違うのに同じような効果があるのでしょうか?』
『理由の1つとしては、身体で寄りかかってくると思って身構えていたのに手だけが伸びてきたとか、腕力で動かされると思って身構えていたのに身体全体で動いてきたなど、相手の予想と異なる動きになっているからだと思います。』
『甲野先生の技もこの皮膚の稽古が繋がっているのでしょうか?』
『甲野先生の技は強力なので感じ取りにくいかも知れませんが、勢いよく崩されるときでも接触面の圧力は一定のままです。その感覚は皮膚の稽古で身につけられると思います。』
質問されて思い出したけど、甲野先生が斬り落としについて、以前こんなアドバイスをしてくれたことがあった。
『相手に触れた手はむしろ逆方向に動くような感じ。』
つい、相手の手を押し下げようと下方向の圧力がかかるような動きになってしまいがち、
しかしむしろ自分の手が相手の手からすべり落ちていくような接触状態になるように動くというのだ。
これは甲野先生も接触面の状態が変わらないように動くことを意識しているということだろう。
稽古後はファミレスでお話。
稽古熱心な方が同席されていたせいか、稽古の話題で盛り上がって楽しかった。
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