手に体幹の力を伝える@半身動作研究会

半身動作研究会のワンテーマ講習会『手に体幹の力を伝える』に参加した。 

システマと構造動作と半身動作の入り交じった稽古。 
手に体幹の力を伝える稽古を色々と。 

壁の前に立ち、肘から曲げた両手を壁に着くようにしてもたれかかる。 
このとき、肘の骨の角度が壁と垂直になるように手をつく位置を調整する。 
この位置で感じる状態が手に重さが乗る状態である。 
筋力で支えるのではなく、骨で支える。 

続いてこれを片足、片手で同じように行う。 
片手に重さが乗る状態である。 
うまく姿勢が取れていると、腕を伸ばそうとぐっと壁を押したときに自分の重さを感じるはずである(重さが手にかかっているので壁を押しても後ろに倒れない)。 

ここから対人稽古。 
相手の肩を壁に見立てて片足立ちをする。 
ここから寄りかかった状態の姿勢はそのままにして、 
手を相手の肩から離す。 
ふつうに離したのでは前に倒れるか、後ろに戻ってしまうが、 
膝を入れていくのと、胸・頭を上に引き上げるのとで前にも倒れず、後ろにも戻らないまま手を離す。 

この状態で手を相手に触れて、伸ばすと相手が崩れる。 
垂直離陸の稽古などでもこの形で相手に触れる稽古をすることがあるが、受けた方の印象によれば片足立ちのほうが”早い”ように感じるらしい。 
前に移動する動きが内在されている為、相手に触れた途端作用するのだろうか。 

・足で触れる。 
・両手で相手を挟む。 
・掴まれた腕を動かす。 

この姿勢で動くとそれだけで技になる。 


■ことさら言われなかったけど前提の話 
上に書いたような説明を受けて、説明の通りに動いてもうまくいかないことがある。 
というより初めて聞いてやった場合、うまくいかないことがほとんど。 
うまくいかない原因は、たいていの場合「手を伸ばす動作」に「手を伸ばす以外の動作」を参加させてしまっているというもの。 
この日甲野先生の本を十数冊読まれて参加されていた方がいらっしゃったが、 
本にあった「身体全体が動作に参加する。」という説明から手を伸ばす動作に、肩、背中、足などを積極的に使うと解釈した動きになってしまってうまくいかないでいた。 

もちろん単純に腕が力む場合より相手への作用は大きくなるので私も受けていてぐらついたりするのだが、こういった力には無意識に抵抗する反応が出てしまう。 

この方からは熱心に研究されているような雰囲気を感じ、ついつい説明し過ぎてしまったかも知れない。 
私の伝えたいことはだいぶ伝わったようで、講座後にはお礼の言葉をいただいてしまった。 
途中、手応えのない動きも出来ている場面もあったので技をかける側での体感も伝わったのではないかと思う。 

私の理解の範囲内であるが、おおよそ次のようなことを説明させていただいた。 
・身体全体が参加するというのをこの稽古にあてはめると、姿勢そのもので身体全体はすでに参加しているのだから、手を伸ばす以外の動作は不要だと解釈できる。 
手を伸ばす以外に何かするとそれはもうやりすぎなのである。 
・相手へ作用させる手応えを大きくさせる工夫ではなく、結果として相手が何かされているとは気づかないように柔らかく触れる工夫がされているということ。 
積極的に身体が参加すると、相手に何かしようとしているのがまるわかりになってしまうのである。その感触は接触面の変化にあらわれる。(身体へのプッシュアップで実感していただけたようである。) 


■稽古メニュー色々 

■拳のまっすぐと肘のまっすぐを丁寧に確認 
わざと手首を曲げた状態で相手に触れておいて、拳と肘がまっすぐな状態になるように姿勢を整える。 
整えると相手に入っていけるようになるので相手が譲ってくれるぶんだけついていく。 

■片足立ち 
両手で相手を横から押す。 
押すと言われるとグイッとしたくなってしまうが、片足立ちの姿勢がとれていれば触れたら相手が動き出す感じなので実際には押した感触は残らない。 
手を伸ばすだけ。 

■浪之下 
上下方向に重さをのせる稽古。 
身体が手を追い越さないように。 

■E木崩し 
とある有名な俳優さんの名字がつく仮称で呼ばれる技。 
背中側から相手の肩に両腕をのせて相手の足裏にまっすぐ重さをかけると相手が崩れるというもの。
相手より自分が真っ直ぐじゃないとたぶんかからない。なんか苦手だ。 

■予感みたいなもの 
手に重さをのせる稽古&システマの稽古後の帰路。 
一日の稽古を脳内で振り返っていたら、ふと技にかんするある予感がした。 
上下の重心移動を相手に伝えると面白い技になりそうな予感。 
具体的な方法はひらめいていないけど、何となく感じた。 
って、まだ具体的な動きは思いついていないのですけど。 
この感じは、以前『辰巳返し』が全然出来なかった頃、出来ていないのに出来そうな予感がしていたときの感じに似ているので、半年後くらいに何か出来るようになるかも知れません。 

■偉そうに説明しておきながら自分は 
たかだた十数回のプッシュアップで筋肉痛。 
まだまだじゃぁ。 

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