水天宮稽古

先月の稽古日記を忘れていた。 

水天宮3人会 

M会のK山さんとI上さんとの3人稽古会である。 
3人稽古会は、M会のO氏発案だが、O氏思惑通り(?)K山さんの進展がめざましい。 


この日一番はなんと言ってもK山さんの「払えない突き」の変化だろう。 
何回かは、甲野先生の感触に近い動きが出てきていた。 
本人も「肩の力が抜ける感覚を初めて知りました。」と言っていたから、相当な変化を感じていると思う。 

キーワードは「屏風座り」「崖っぷち」 

K山さんの場合は、屏風座りにより変化したというより、屏風座りにより引き出された肩の抜けで、全ての動きが変わってきたというべきだろう。『浪之下』の受けも強化された。 
腕に張りを持たせたり、肩に力を入れなくて良いのだと気づいたということだ。 
このような質の変化は、『屏風座り』や『虎拉ぎ』の形を覚えるよりも本人にとっては大きいものだ。 
車の運転に例えるなら「虎拉ぎ」は自動車のエンジンを強化するもの、今回の気づきは「ドライバー」の腕が上がったようなもの。 
人それぞれ気づくしかないものなので、私にもこの感覚はわからない。実際やってみてもとてもK山さんが自分で戸惑うほどに抜けている感覚と、自分が感じている感覚がとても同じとは思えない。 
そのうち「この事か!」と感じる時が来るかもしれないが。 

以前書いたかどうかは覚えていないが、私の理想は周りの稽古人が全て甲野先生のように上達していて、私はいつでもその稽古仲間と稽古が出来る環境にいるというものだから、稽古人にはどんどん上達してもらいたいと思っている。 
だから一緒に稽古している場で、このような変化に立ち会えるのはとても嬉しく思う。それは相手が甲野先生であっても同じで、私が受けを取ったことがきっかけで甲野先生にあらたな工夫が生まれた時などは、「やられた!」と思うと同時に「やったぜ!」と思うのだ。 

『払えない突き』ではK山さんに刺激されて、私にも色々な工夫が生まれた。 
・手を出したまま歩いて近づく 
・韓氏意拳で教わった「抱」の形で近づく 
・片手プッシュアップの感覚で手を伸ばす 

最後の工夫が一番、今後に繋がりそうな予感がした。 
・右肩の詰まりを左股関節で抜く(抜刀のような形になる) 


■道具 
突き割りやら、長刀やらを少々。 
どうにも腕が力んだまま動くので気になってしょうがない。 
剣で長刀に向かっていく形では、「相手に対して真っ直ぐ入るようにしつつ、横に回り込む。」というサッカーのショルダーチャージからの抜けに近い感覚でやってみたらどうかと試してみたが、悪くないようだ。 

■辰巳返し 
久しぶりにI上さんと”とにかく止める”辰巳返しを稽古した。 
これは辰巳返しが出来るようになったばかりの頃、甲野先生のセミナーでI上さんと会う度に定番のように稽古していた形で、この稽古ばかりしていると「普通の『辰巳返し』は出来て当たり前で、別にどうという事はない。」という感覚になってくる。 
久しぶりにやってみたが、I上さんの受けが厳しくて上がらない(笑) 
これで引き出される動きもあるから、こういう稽古はもっとやっても良いかと思う。 

■肩・肘の抜け 
やはりK山さんの抜けが、レベルアップしている。 
崩されていて気持ちがよい。 
このような技を受けると刺激されて私も変わってくる。 
・座りの形でも床に設置する膝・スネまで居着かずに動ける状態にしておくというもの。 
これも崩され方が変わってくる。 

■正座から立つ 
確率を確かめるために一度だけ試みる。 
出来た! 
だいぶ床が固い場所での成功率が上がっている。 

コメント