松聲館の技法レポート『一ツ成りの続き、呼吸』

甲野先生のメルマガ動画撮影終了。前回の『一ツ成り』の続き。インフル休みで稽古に飢えた状態でのぞむ。先日駒井さんとやった稽古を思い出しながら、押し負けない姿勢を保つように技を受けていると、先生の突きを払えるようになっていた。

浪之下も止める事が出来て、突きも払える。柔道技を仕掛けても返し技をくらわない。以前はなすすべもなく投げられていた『新月投げ』も潰して防げる。知らないうちに私がバージョンアップしていたことにわたしも先生も驚いた。

甲野先生はその後も山口先生の「纏う」やこれまでほとんど触れてこなかった「呼吸」による動きの違いなどを説明するも、前回の『一ツ成り』を超えるほどの衝撃はなかった。しかし「呼吸」の変化はこのままでは済まなかった。

甲野先生の「呼吸」による変化。全身でやる『一ツ成り』を呼吸だけでやろうという試みから始まった。ここから始まって、あれよと言う間に先生が変わり、座り技でかつてない衝撃で転がされ、突きは払えないどころか後ろに飛ばされるようになり、浪之下は全く持っていられず、組めば放り投げられる。

全く防げなくなり驚く私に対し、甲野先生の反応は何故か鈍い。「かつてないほどに実感がない。」と言う。さらには「無いとわかっているが、田島さんが私を喜ばせようとわざと大袈裟に技にかかっているんじゃないかと疑いたくなるほどに実感がない。」ときた。これには意表をつかれて笑ってしまった。

技を防いでと言われて受けるのだ。甲野先生を喜ばせるなら技を止めなくては。実際に技を止めると先生が研究モードに入り、新しい動きがうまれる。これが面白い。今日は研究モードに入らず、ちょっと試したらわからないけど凄く効いたようで、発見の喜びが実感できないようだった。

『新月投げ』を防いで、出てきたのが極端な防御姿勢からの『新月投げ』。これは受けていて怖かった。全く予想できないのでどう受け身をとったらいいのか、体が混乱してしまい、一瞬わからなくなってしまうのだ。かなり有効だがはたしてここまでの動きを多少でも真似できるかどうか。試してみたい。