光岡英稔先生主催武学イベント『忍術、柔、合気』

光岡英稔先生主催の武学イベント、全2日のうち私は2日目に参加した。
2日目は忍者と剣術と合気の3コマ。

忍術
五十嵐さんのトークは面白い。
内容も具体的で分かりやすく、忍者について学ぶなら五十嵐さんに習うと楽しく貴重な情報を聞けるし、武術的な練習も出来るし、驚くようなパフォーマンスも見られるしで言うことなしだ。

刀印や九字の切り方、忍び足の運足、気合い法などどれも興味深いものばかり。
拍手で掴まれた相手の手を払う稽古では、途中で技を止めてしまう悪癖が浮かび上がり、これを修正できたのはありがたかった。

忍者ってだけでテンションあがりますが中身も大満足の内容でした。
自分では出来ない、やり過ぎると体を壊すような修練法には見ていてだいぶヒキましたが(笑)

忍者の蹴らないジャンプ法は柔道の組手に応用できそうで非常に興味深く取り組ませてもらった。
教わった重心移動のやり方が今までやっていた形よりもやり易く、威力も乗せやすそう。


剣術(本覚克己流和)
小山先生とアシスタントの外崎先生とのやり取りが絶妙で、真剣に学びながらも噴き出して笑ってしまう楽しさだった。
打合せを重ねたネタなのかと思うくらい外崎先生のボケ?に対する小山先生の突っ込みがハマっていて会場から笑い声があがる。

講習会の内容ももちろん素晴らしいものだったが、参加されていた講師陣やおそらくはそれぞれが指導者レベルの参加者の方からの質問や提案をたいへん勉強になる内容だった。

組み打ちがテーマなので剣術からの柔の形をご紹介いただいた。

小山先生から伝わる何とか少しでも伝統の形を後世に残したいという思いの深さからだろうか、楽しい雰囲気と真剣な雰囲気が同居していた。

教わった形は柔道で言うと足を相手の前に突っ込む形は左技の体落、後ろ側に突っ込むのは谷落に近いものを感じた。
同じ形を小太刀を持ったり、手の内に隠す道具を持ったりして何度か練習してみると道具によって形が決まってくる動きが見えてきて面白い。

小山先生とお会いできるのを今回とても楽しみにしていた。
と言うのもわたしが取り組んでいる空気投げ研究において、空気投げの姿勢で抜刀がスムーズになり、抜刀の感覚から浮落が変わった話についてご意見を伺いたいと思っていたのだ。
休憩時間にお話しできる機会があり聞いていただいたところ意外な反応が返ってきた。
刀の形がどうして今の形状になったのか、これに通じる内容かもしれないというのだ。
考えてみれば当たり前だが刀の進化は体の進化があってこそのものだろう。
今稽古するには刀が先にあるのでそれを扱える体になる必要があるが、当時は体はあって当たり前、刀が体に合わせて進化していたと考えてもおかしくはない。

最近はサッカーのドリブル動画を見ていても柔道に応用したくなってくるのでそのうち柔道やってたらサッカーが上達していたなんて事もあるかもしれない(笑)


合気
内田さん、甲野善紀先生、光岡英稔先生の3本立て。
内田さんが説明してくれた重心を下げるというか、意識を落とすというか、この状態でいつづけないと相手に合気がかかるかからない以前に、自分の準備ができていないということだろう。
稽古方法が今までやったことのないもので、かつ体にある程度の精度を求めてくる内容だった。
蹲踞でしばらく停止する稽古は、蹲踞は簡単に出来ても継続して停止するのはなかなか難しいものがある。

甲野先生はいつも通りだったが皆さん遠慮されていたのか技を受ける人は少な目であった。
光岡先生から受けたい人は並んでという言葉が掛けられると希望者が立ち上がって体験されていた。
なかでも合気道をされているかたが座りの正面の斬りを体験されたときに見せていた新しい感覚に触れるときの反応はいつもの光景ながら見ていて嬉しくなってくる。

光岡先生の話はどこまでここに書いていいのかわからないので詳しい内容は控えるが、岡本正剛先生に習っていた頃の話や、合気が何故きくのかについての見解、左右表裏の説明などどれも新しく刺激的な内容だった。
また何度も体験させていただいて貴重な経験を積むことが出来たのもありがたかった。


今回のイベントのテーマは組技の見直し、講座の中で直接説明されることはなく、各講座の内容もそれぞれだったが、そのおかげで参加者が各々の組技を見直すきっかけになったのではないかと思う。
事実わたしはずいぶんとたくさんの刺激を受けた。

予定時間をオーバーして贅沢な時間をすごさせていただいたが、講座以外の時間も楽しく稽古させていただいた。
関西からこられていたDさんや、いつもの駒井さん、小磯さんとの稽古もたいへん勉強になった。
稽古した直後に言うにはおかしいがいつものセリフ、早く稽古したい(笑)

皆さまありがとうございました!

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