急遽シュアイジャオの駒井さんに声をかけて実現した柔道技研究稽古。先週やった一本背負投の感動が覚めない状態だったが新たに古式の形にある曳落を練習したくなってしまったので、直前だったが駒井さんに連絡したところ快諾いただけた。
駒井さんとの投げの研究は3月以来9ヶ月ぶり。駒井さんからの『柔道技を習いたい!』とのリクエストに応じる形で進んだ。
まずは宇高菜絵さん直伝の大外刈(の説明)から。
駒井さんは普段のシュアイジャオ着と違って袖を掴むので相手のコントロールに苦戦していたが何度も練習するうちに徐々に感覚が掴めてきた。
駒井さんが何度も質問してくれたり私も気づくところを指摘しながら大外刈への理解を深めることが出来た。
相手を片足重心にしながら引き付ける動作で道着の遊びを取りながら引き付けることと体の前側ではなく後ろ側の筋肉が働くことはとても重要。
大外刈以外にも色々やったが駒井さんの受けは変な抵抗はしないが自分から投げられにくる動きもしないので、私の投げ技が成立するかどうか低い強度ながらも忖度のない条件で確認できた点でも得たものが大きかった。
全ての技に共通して伝えたのは体捌きで相手と触れる面積を増やすという点。握りも体落の引き手も背負投の釣り手も浮腰で相手の後ろに回す手も肩車で相手をのせる肩も全て同じ。説明しながら腕にはほとんど力をいれていないことをあらためて実感した。
肩車の研究
この日駒井さんが一番熱心にやったのが肩車。この技は受けの足が浮くまで持ち上げるので忖度のしようがなく、それだけに70才を超える三船十段が大柄な相手をひょいと持ち上げる映像には驚かされる。当然目指すのは三船十段の肩車。出来れば説得力がある。
駒井さんの質問に答えて実演するうちに私も上達できた。相手の右脇に潜り込むので相手が右足重心になるようにすると持ち上げやすい。引き手と前に出る体捌きで相手を右足重心に導く。また引き手を背中に担ぐ形になるが投げの途中で相手の腕とこちらの肩の接地面が弛んではいけない。
これらに気を付けながら右足を踏み進めると相手の足が自然と浮いてくる。このときに引き手が弛んでしまうと相手の重心が左足に戻ってしまって持ち上げにくい。これがなかなか難しいようで駒井さんも苦労されていた。上手くいくと受けていてもわかるくらい軽い感触で持ち上げられる。
後日聞いたら駒井さんの肘が擦りむいていたというがおそらく肩車を何度も受けたせいだろう。
体捌きによる投げを説明するために浮腰、大腰、一本背負投を受けてもらう。手は積極的には使わず体捌きのみで腕を運ぶようにして投げに入る。すると崩し作り掛けの区分けのない一挙動の投げになる。手に力を込めても投げられるが2挙動に感じられるのと相手に抵抗する反応が生まれやすい。
空気投げ研究
この日やりたかった古式の形にある曳落。
横帯辺りを取りに来る相手の腕を前腕を上から肘辺りを下から上下に挟んで引き落とす。腕を伸ばした受けはこれにより肩があがり崩された状態で投げられる。形通りの状態になる受け方とそれに対する投げ方も明確になってきた。感触にも納得。
三船十段の隅落。
駒井さんにとっては10ヶ月振りの空気投げ。手順も技の仕組みも同じだが私が変わった分だけパワーと精度がアップしている(はず)。崩しの方向と腰のキレを意識して、胸で相手の頭を動かす体捌き。投げに入るタイミングでの相手の重心位置を意識して方向を定める。
相手と差し替わりながら後方に投げる空気投げ。
進化したかと期待したものの上手くいかない。引いて掛ける場合、体捌きによる握り込み方がわからないのだ。結局通常の握りと落下を使った10か月前とかわらない投げになった。これは解消しがいのある課題が見つかりました。
シュアイジャオの足技。
足技の話になり駒井さんがシュアイジャオに喧嘩四つで小外刈を返す足技があるがどうやって掛かるのか不明ということで試してみた。
慣れない体捌きに苦戦したがかかりそうな感触。刈る方の足に重心が乗るようにして刈り返すと足がよく引っ掛かるので倒れそう。
たっぷり2時間半あると思っていた時間が終わってみればあっという間。久しぶりに駒井さんと練習出来て、曳落も空気投げも試せたし、質問に答える形で技の仕組みを整理できたし、シュアイジャオの足技にも触れられたし、引き技の課題も見つけたし。
楽しく多くを学べました。
ありがとうございました!
今回一緒に練習した駒井さんが取り組んでいるシュアイジャオは駒井さんのYouTubeチャンネルの動画で紹介されています。気になったかたはチェックしてみてください!最近は著名な武道家の方々との絡みもあって目が離せません(笑)
駒井さんのシュアイジャオチャンネル
石井東吾先生とのコラボ動画(こちらは東吾先生のワンインチチャンネルです)
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