音楽家向け講座

都内某所で行われた甲野善紀先生による音楽家向けの講座に参加した話。


■ペンのキャップを閉じるように手を閉じる。
お互い両手を伸ばし、向かい合う。
私は内側から手が閉じないように頑張り、先生は外側から閉じる方向に動かす。
ペンのキャップをしめるように左右の手を近づけると、
力み無く閉じることができる。
実際にキャップを持つのと、”つもり”でやるのでは全く違う。

■真剣
介護のOさんが受けを取っていたが、横で見ていても剣の変化を目で追うことが出来ない。
随感録にも書かれていたがいまの真剣の速さは、かの光岡導師が目を見張ったというほど。
竹刀より真剣がはやい。
甲野先生自身出来たときは感無量だったそうです。
速さの秘密は、刀の持つ反り、重心の偏り。それを制御する手首の返しと全身の連動にある。
答えを聞いたところで、目の前で動きを見せてもらったところで今の私にはとても真似の出来るものではない。
なにより甲野先生も今のはやさを簡単に手に入れたわけではないのだ。
・2008年6月に柄の持ち手を寄せるようになり、
・2009年末あたりに柄との接点が極端に少ない手の内に変化し、
・2010年初で剣をたたくように操作するようになった。
・少し経って重い木刀がこれまでにないはやさで動くようになる。
このような研究と気づきを経て今のはやさなのである。

■音楽家の悩み
・高い音を出したい声楽の方
真っ直ぐしゃがむという動作を何度かやったり、
横隔膜を強制的に下げる手の内を試したり。
素人の私には音の変化はわからなかったが、変化の兆しが聞き取れた方々から期待の声があがっていた。

稽古人を観察する目で見ていると腰の反りが強すぎて動きに下半身が連動していなかったように見える。
甲野先生のアドバイス通りに動ききれていないのだ。
本当に真っ直ぐしゃがむができるようになって、
横隔膜(肩もさがる)がさがる手の内で身体の感覚が磨かれればずいぶん楽になることだろう。
構造動作トレーニングにも参加して欲しいと思ってしまった。

・左肩が凝る篠笛の方
これはフルートの気づきそのものが応用出来るとあって、甲野先生も「白川さん、お願いします。」と一任。
気づきの順序をおって説明されたのでとってもわかりやすく、
笛の方もその場で変化を感じていたらしい反応をされていた。
白川さんの講座を疑似体験出来て得した感じ。

・薬指をうまく動かしたいピアノの方
何かの操法をされたり、足助式(たぶん)の体操を紹介したり。
面白かったのは、指を一本ずつ動かすときに反対側の手で動きにくい指だけを握りこんでおく場合とそうではない場合では動かし易さに差がでてくるというもの。
質問された方は、はっきり感じた様子ではなかったが、自分で試してみると面白い感覚の差を感じた。
片手持たせ系の稽古で、なかなか自然に動けないとき、
持たれていないもう一方の手で同じ動きをするとうまく行くことがあったが、それと似ているように感じる。


■居合刀の話
先日、甲野先生に剣の稽古をすすめられた勢いで、購入を検討中の居合刀。ちょっとだけ先生に聞いてみた。
重さなら真鍮製が良いそうな。
しかしネットでざっとみる限り真鍮製は見あたらない。
まずは中島先生が貸して下さる居合刀で練習するとしよう。
借り物となると余計に緊張しちゃうなぁ。

打上げは白川さんの誕生日祝いで乾杯!
ギターの方、カイロの方とお話したり、M女史と稽古したり。
久しぶりにお会いしたNさんともOさんとももっと話をしたかった&稽古もしたかったが、時間が足りなかった。
楽しい時間はあっという間だなぁ。


そうそう、後日甲野先生の技がさらに変化されたらしい。
今度の千代田が楽しみだ!!

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