はやい@半身動作研究会

遅れて参加した恵比寿。
渋谷に出張していたので、あっと言う間に着いた。
いいなこれ。

この日、方条さんの気づきを聞いた側から自分の動きが変わった。
はやさには『速さ』と『早さ』があるが、方条さんはどちらも以前よりはやくなっていた。

その方条さんとの稽古。
■剣の速度
方条さんの気づき。
体幹部の速度、足の速度、手の速度の割合を限りなく均一にしていく。
たいていの人は手ばかりが働いている。
杖を持ってもそうだが、動いているときの方条さんは気持ちが良さそうだ。
受けていて竹刀の動きが追えない部分がある。
はやい!竹刀の速さという点では甲野先生もうかうかしていられないだろう。


■気配を感じる
相手が動こうと思った意志をとらえているのか、方条さんは相手の視覚的な変化ではなく、内面的な変化が感じられるようになっているようだ。
試しに実際には動かずに動こうという意識だけを持ってみたところ、しっかり捉えて反応したあたりはすごいの一言。池袋のY氏のようだ。


■体術@座り
一畳相撲のような形や方条さんがこちらの両手を持つ形。
例の均一の気づきで。
とんでもない威力になってそうだったので、こちらも油断なく最近意識している”繋がった状態”で構える。
驚いたのは専守防衛で構えている相手(私)に対して、不利である両手を持った形でもかなりの圧力がかかってきたという点。
横で見ていたAさんは、私が崩れずに後ろに下がっただけで済んだことに驚いていたが、
試しに”繋がり”を切って、初期構造だけ丈夫な状態にして構えたところ思い切り吹っ飛ばされた。
ほんの数週間前の私だったら、油断なく構えていてこうなったことということだ。
私の変化も良い感じだと確認出来た。
と、ここまででも十分良い気分で帰れる感じなのだったが、この日は自分で驚くほどの変化が起こったのである。

■鎌柄(かまつか)
速さと気配読みで間違えなく進歩していると思われたので、ちょっと方条さんにリクエスト。
甲野先生の鎌柄から逃げたこともあって、避けるのは速い方だと思っていたが、これは思った以上に、速いし早い。
これほどがっつり掴まれたのは久しぶり(鎌柄の稽古がそもそも久しぶりなのはおいといて)。
方条さんの気づきは、剣と同じ。
体幹、足、手が働く濃度を均一に近づけるということらしい。
これを今の自分の感覚に当てはめると、体幹、手、足の繋がりを感じながら動くと言うことではないかと思われた。明らかに動きが鈍いと思われる体幹部の意識を強める。
その感じに従って、動いてみて驚いた。
これはかつてない速さだ。
方条さんの気づきがここまで自分の動きに影響するとは。
自分でもわかるほど速くなっている。
これは面白い。

この感じで動いているときというのは、ただ手を伸ばすという動作でも相手への作用が違ってくる。
ポンと手を触れるといわゆる普通の状態なのに対して、この感じで手を触れると(自分では受けられないのでおそらくだが)、相手は触れられた瞬間に身体全体を押されたような感じがするのではないかと思う。
ずいぶん前にウッチーさんにやってもらったような感じが少しは出てきたかなぁ。


その前にも中島先生に色々教わる。
どれも独立して稽古出来るが、先日の3要素同時の稽古とつながっているように感じる。

■手に重さをかける
わかりやすくする為、力んだまま相手に触れ、そこから脱力し、重さをかける。
押してはならないが、押すまいとして引いてもいけない。
うまく脱力して触れていれば力の方向性が失われない。
相手が少しだけ動くのでそれについていく。
U住さんからのアドバイスは”意識を飛ばす”。
接触面から別の場所へ意識を移すことによって、相手にとっての手がかりを消す。


■脱力する
腕を掴まれた状態で掴まれたなりに動く。
掴まれた場所を動かそうとせずに、持たれたなりにしておくと、自分が動いたときに相手が動き始める。
中島先生は”方向性を出し続ける”と説明されていたが、私の場合、持たれたなりにする場合、方向性を出し続けるという意識は特別必要が無いように感じる。
自分で止めなければ結果として方向性は出ているのかも知れない。
あるいは別のやり方になってしまっていたか。


■首をかしげる(ハテナ崩し)
これは方向性を出し続けないとだめ。
相手の両手を持ち、引っ張り続ける。
相手の抵抗と拮抗するため、見た目には止まっているが引っ張り続けている状態。
相手が抵抗を止めたら、いつでも動き始める状態ということ。
この状態を保ったまま首を横にかしげると、相手が動き始める。


■Tシャツ持ち崩し
今回の稽古では、方向性を出し続ける形。
Tシャツをしわが伸びる程度に引っ張る。
引っ張った位置で止めるのではなく、Tシャツの抵抗で止まっている状態。
この状態からさらに自分が相手に引き寄せられるように引っ張る力を加えると、自分ではなく相手が動き始める。
こういう感覚は言葉にしてみると、伝わるかどうか不安になる。


■2点接触による井桁崩し(システマ風)
3要素同時進行の稽古でやったような形色々。


★お知らせ★
この日大きな気づきをくれた方条さん主宰の「甲章研究室」企画による稽古会が開催されます。
以前紹介した「技で振り返る松聲館の歴史」の第3回。
あの『井桁術理』の前後あたりの解説がなされる予定です(あくまで予定です。当日の流れにより、進行速度が変わります)。

甲章研究室サイト
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