甲野善紀「武術が明かす世界」@池袋コミュニティカレッジ

池袋コミュニティカレッジで行われた甲野先生の講座。
中島先生の骨盤おこしトレーニングからのはしご参加である。
なのに前回の日記からずいぶんと日が経ってしまった。


ここの講座は講義形式で行われるため、私も唯一リアルタイムでメモを取りながら先生の説明を聞いている講座。
普段は忘れてしまいそうだけど、覚えておいた方が良さそうな言葉などがあってメモを見ると面白い。
この日は参加者が少なかったせいか、後半になってけっこう技を受けることが出来た。


「和算と博打が禁止されていた時代があった。どちらも面白くて仕事が手に着かなくなるからというもの。身体の事も興味を持ってやって下さい。」
「私が理解しているのは、山のようにある身体の不思議のほんの一部。どうぞご自分でも発見なさって下さい。」


■虎拉ぎ
「たいさんも試してみて。」
受けたのではなく、自分で体験させてもらった。
2人で帯を持ち(一人は甲野先生)、マラソンのゴールのように、膝の高さあたりに張る。
そこに向かって普通に歩いていく場合と、虎拉ぎをかけて歩いた場合との差を体験するというもの。
面白かったのは、前者は帯に足がかかると上体が前にぐらつくのに対して後者はぐらつかない。
足がかかったときの恐怖というか不安定感が全然違ってくるのである。
中島先生が後ではなしていた喩えを借りて言えば、
前者は2両編成の電車で連結部分で折れてくるのに対して後者は1両編成の電車で連結部分がないという感じ。
引っかかっても上体がぐらつかないのだ。


■太刀取り
「何かご質問があれば。」
「太刀取りを見せてください。」
「太刀取りというのは、ある意味武術的な動きが集約されている形ですが、これは何年か私のところに通っている人でもなかなか難しいみたいですね。」
甲野先生の動きのなんとスムーズなことか。
甲野先生とバトンタッチして今度は私が避ける番。
”バシッ!”
”バシッ!”
”バシッ!”
ま、こんなもんでしょう。打たれても、以前よりも慌てなくなっていたことが確認できた。

参加者の方たちと。
太刀取り稽古ブーム到来か?
講座後、参加者の方達としばらく太刀取りの検証を行った。
避けるときにどうしても足が残ってしまう方にたいして、私の感覚を伝えたところずいぶんすっきりされた様子だった。
私も説明しながら納得するところを再発見。
甲野先生の説明で「相手に向かって行く。」「倒れ込むのと立て直すのを同時に行う。」という部分は、
重心の移動を先に行い、身体は後からついてくるという理解をしている。
また「向き変わることで刀を避ける。」という部分は、
重心移動でも遅れがちな足の回収を、向き変わるという動作によって自動的に行うと解釈している。

残る問題はタイミングだ。
私の理解では、相手の斬ろうとする気配を感じで動くというものだけれど、
どうも甲野先生の動きはこの解釈とは違うような気がする。
相手が斬ろうかと思い始めるくらいに動き出し、「斬らなければならない。」という意識を相手に持たせているような感触を受ける。
結果的には同じように見えるかも知れないが、、、
斬る側の感覚としては、斬らされている感じが強いのだ。


■「何もしないのも技」
『キャスター・風見鶏の原理』の説明で言われた言葉。
動かされたから方向が変わる。風が吹くから向きが変わる。
自分からは何もしない。
「何もしないというのも難しいんです。」
「何もしないのも技です。」
失敗するときは何かしちゃってるんですが、何もしないというのは本当に難しい!




■講座中に取っていたメモの写し
(せっかくメモしたので転記しているだけです。読みづらいです。)
・虎拉ぎ
ニー・オン・ザ・ベリー
アキレス腱固め
後ろ両手持たせ
胸を押さえさせて椅子に上がる
小手返し@虎拉ぎ。相手の足元から浮いてくる
添え立ち@虎拉ぎ。抱えてから虎拉ぎを行う
紐に足がかかっても前のめりにならない。
跳ね釣り
タックル潰し

・浪之下
肘から先は無いものと思う

・辰巳返し
相手を背中に乗せるつもりで。

・斬り落とし
抱玉の原理。
玉を作るのと転がすのを別々に行う。
玉を作るのは上半身、転がすのは下半身のように見えたが。

・剣
前へ横へ崩れそうになる感じを刀に使う。

・組太刀。
甲野先生考案の組太刀。
以前検討中と伺っていたが、すでに何本か出来ている。
この日も何本か説明されていたが、相手にある程度の技術を要求するので手順を覚えればいいというものではないようだ。
甲野先生らしい組太刀。

・視覚
鏡に写る☆をなぞる。
視覚に惑わされないのは難しい。

・体捌き
後ろ足、横方向への抜き。
”道具の重さを含めて自分。重心が先、身体・道具は後。”か?

・グーパー引き
女性でも成功していた。

・直入り身
抜刀で直入り身の形。

・杖
肩とほっぺたは近づきすぎない。杖をやるとよくわかる。

・槍
槍が左前なのは刀の柄に当たるから。

・馬
刀があるから馬には右側から乗った。

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