変な人(笑)、『後の先』@半身動作研究会


早い時間から参加出来た。
人数は少な目だったが、久しぶりに方条さんと会って稽古が出来た。
方条さんとの稽古は今までの延長線上にない発見があって面白い。


私が道場につくと、アメリカ帰りで蒸発願望あり(笑)のS女史と方条さんがいた。

方条さん「たいさん、左膝痛めてる?」
私「いや別に。何で?」
方条さん「たいさんが来た瞬間、左膝が痛くなったから。」
私「痛めてないよ(変なの)。」
S女史「私のお腹が痛いのも当てたんです。」
方条さん「稽古中、念のため左膝に気をつけて。」
私「うん(何かこえーな)。」

方条さんの何かこえー発言からスタートした今回の恵比寿。
といっても稽古内容はいつもと同じ構造動作トレーニング&方条さんとの稽古。

■構造動作トレーニング
やればやるだけ身体が変わっていくのがわかる。
私の性格との相性も良いようで、動きの土台となる身体作りにはキツい筋トレやストレッチよりも性に合う(股割りにはまた別のキツさがあるが)。
「痛みが出たら失敗」という構造動作トレーニングに、「手応えがあったら失敗」という技の稽古との共通点を感じているからかも知れない。

この日は、3大割りメソッド「胸割り、腰割り、股割り」と足首の底屈立ち。
それからオリジナルメニューでジャンプ&脱力。
これは単にぴょんぴょんジャンプしながら肩を揺らして脱力するというのを、肩だけでなく全身を対象に行うもの。
肩、背中、腰、お尻、膝上、膝下、足首、足裏
ジャンプしながら上から順番に脱力していく。順番に脱力出来ると、身体の力みが上から下に落ちていくような感覚になって面白い。
方条さんに見てもらったところ力みが全身に散っているとのこと。

この状態で後ろ向きに小さくジャンプしながら進むというのが心地よい。
この動きは娘が運動会のダンスで見せてくれた動きだが、実に軽やかに見えたのだ。
脱力出来ているとそのイメージで動くことが出来る。

「ゆっくり走りをやると良さそう。」
方条さんに言われてやってみると確かに力感なくリズミカルにゆっくりと”走る”ことが出来る。

構造動作トレーニングで養われるのは土台であり、根本のところ。
継続していきたい。


この日の稽古はすべて方条さんと
■意識と身体の分離
方条さんの新しい気づき、身体と意識を分離させるというもの。
言葉で書くと気配がないと言うことなのだけれど、今までの感じとは捉えにくさがちょっと違う。
私の場合、相手の動きを捉えるのに周りの景色とのコントラストが出たところを捉えるような感じでやっているのだけれど、
方条さんがこの動きをすると何か自分に向かって来るとか、目の前の人が動いているという認識にならない。
周りの景色そのものが動いているように見えるのだ。
同じような動きで意識と身体を一致させて動いてもらうと、その動きは捉えやすい。
方条さんの説明と動きが正しいとすると、私自身、無自覚ながら目に見えない「意識」を頼りに気配を感じている事になる。


■体幹で動く
実に具体的ではっきりとした課題が見えた。
剣を持ち、肘を固定したまま相手の剣を捌く。
肘を固定しているので剣を動かすには身体ごと動くしかない。
普通に考えたら遅くなって当然なのだけれど方条さんの動きは、私がこの制約なしに動くよりも速い。
私も同じ条件でやってみるが、遅いこと遅いこと。
しかし、やっているうちに体幹部の動きが引き出されてくる感覚があり、自分でもわかるくらい速くなってくる。
これは面白い稽古だ。
自分の体幹部の動きが遅いということがはっきり自覚できて、はっきりと延びしろを認識できた。
こういう発見はたいへん嬉しい。


■気配を捉える
方条さん「ちょっと適当に打ってきてみて。」
ソフト剣で、ある程度自由に撃ち込む。
相手の気配や間合いをみる稽古か、打ったり、打たれたり。
方条さん「ちょっとよくわからないでしょ?」
私「うん」
どうも思っていたようにならなかったらしい。
それならばこうか?と思ってもう一度やってみたところ、今度はこちらが打とうとすると、ことごとく方条さんに先を越される。
方条さん「どういうこと?」
やっている本人がわからないとは意外だったけど、1回目と2回目の違いは私の心にある。
良くわからなくなった1回目は、(打つも避けるも動くまでは決めない)という感じで動いていたのに対して、
2回目は(必ず当ててやろう)という気持ちで動いたのだ。
と言っても身体の使い方としては、なるべく無駄がないように気配が出ないように動いていたので、
テレフォンパンチのような動きにはなっていないはずである。
それをことごとくこちらが攻撃する前に止められるということは、方条さんが私の攻撃心の起こりを捉えて動いているという事だろう。確か『後の先』とかいうのではなかったか。
受けた感じは違うが、このような”タイミング”での止められ方は、琉煌會の城間啓史郎先生にやっていただいて以来だと思う。


■正面の斬り@辰巳返しの返し
私「これを返してくれる?」
正面の斬り@辰巳返し版を返される感じを得たくてリクエスト。
この辰巳返し版は返し方が難しいので、これをやってくれる人は貴重なのだ。
一言で言えば『懐が深い。』という感じか。
どうやっているのかは不明。


一人稽古
■杖
左膝にコツンと杖が当たって思いだした。
私「方条さん!左膝痛めていたのを思い出したよ!!」
方条さん「おお、やっぱり?それだ。」
なにもしなければ痛まないのですっかり忘れていたのだ。
千代田かどこかで痛めたのだろう、左膝が内出血していたのを思い出した。
本人も忘れていることを聞きもしないのにピタリと当ててくるとは、方条さんの感覚はどうなってしまったのだろうか。
稽古仲間には変わった人が多いが、方条さんも堂々の仲間入りという感じがしてきました(笑)

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