稽古日記特別編~甲野善紀先生の中部・関西講座~(一日目:新幹線)


今回の日記は特別編です。
この日記はボリュームがあるので、何回かに分けて書きます。
念願かなって、甲野善紀先生の東京圏外の稽古会への参加した話。
何はともあれ不良パパを快く行かせてくれた家族に感謝したい。
結局、名古屋、大阪、神戸と稽古漬けの3日間を送らせていただきました!

いつもの稽古はほとんどメモをとらないのだけれど、今回は貴重な体験を少しでも残そうとなるべくメモを取っています。


■前日まで
念入りに計算すると名古屋、大阪の稽古会の日程が我が家の都合にちょうどよいということで、
この2つの稽古会へ参加することに。
甲野先生にお話したところ「では一緒に行きましょう。」ということで、なんと同行させていただくことに。
遠足前の小学生の気分がよみがえる。
何よりも仕事を残してはならない。ということでいつもにます(いつもにない?)集中力で仕事を片づける。
夜遅くなろうともすべては稽古のため。
とやっていたらどうにか休めるところまで片づけることが出来た。

名古屋の山口先生、大阪の石田先生に事前にメールでご挨拶。
今回の遠足では甲野先生の技ももちろんだけれど、山口先生、石田先生の動きに触れるというのも大きなテーマにしていた。


■当日~新幹線~
○待ち合わせ

甲野先生と東京駅で待ち合わせ、だいぶ早く着いたので地下の待ち合わせ場所におりると、先生も早めの到着。
新幹線の発車時刻まで待ち合わせ場所の椅子に座りながら武術話をうかがう。
説明の流れで「膝が迎えにいく」という最新の気づきを体験。甲野先生といるとどこでも稽古場になるが、
東京駅の待ち合わせ場所でも例外ではない。
ちなみに今までで一番印象に残っている場所は某ファミレスのトイレ。
斬り落としで潰されそうになるのをそのときばかりは必死に耐えたのを覚えている。

『膝が迎えにいく』の説明で使われる「食べ物を噛むときに、実際には下顎が上顎へむかって上がっているが、
感覚としては上から潰しているように思える。」という喩えもここで伺ったもの。
つまり、手をさげようとするわけではなく、膝を迎えに行くようにすることで結果として下に潰せる(物を噛める)
というようなことらしい。

話はわかるが、技はさっぱりわからない。
とりあえずうなずきながら聞く。

技を受けた感触は、腕を下げるという動作に全身が参加している。座りで受けたのでこちらはなかなか全身を参加させられない。まだまだまだまだ稽古が足りない。
と思ったら立ち上がって稽古。周りの目を気にすると技を受け損なうのでこういうのにはもう慣れた(笑)

(メモより)
「急いでやる必要はない。結果として早い。」(甲野善紀『太刀奪り』について)

○新幹線

そうこうしているうちに発車時刻。
ホームに上がってからお昼用にカツサンドを買い、のぞみに乗り込んだ。
名古屋では稽古会の他に、柔道関係者による深夜の研究会があるというので楽しみにしていた。
名古屋までの車内で何を話していたか、はっきりは覚えていないがこれから向かう名古屋、大阪の稽古会のことなど、カツサンドをパクつきながら伺っていたように思う。
甲野先生に「あなたが抜群になればかなり説得力がある。」と2年前からかけられている励まし(?)の言葉をいただく。
私自身はだいぶ変わりましたが、抜群となると周りとの比較になりますから、自分ではとてもそうは思えない。
「楽しみながらいつの間にかそうなっていたら面白いですね。」といつもの返事をさせていただいた。

もうすぐ名古屋に到着するというところで、ゴソゴソと書類を取り出す先生。どうやら車内で仕事をするつもりだったらしい(ずいぶん話し込んでしまった)。
帰りに発覚することだけれど、50ページ持ち込んで結局進んだのは5ページ。どの仕事かわかりませんが、担当の方、先生が締め切りに遅れたら今回は私のせいでもあります。すいません。

あ、もちろん新幹線の座席(先生が私の左側)でも稽古。私がいつでもOKですと言わんばかりに左腕の時計を右腕につけかえていたのを見られたのかどうかはわかりませんが(笑)
手首をつかまれたところからどうきめていくかという説明をしていただいた。

(メモより)
「”気にしない”感覚を引き出す。」(甲野善紀『膝が迎えにいく』について)

○名古屋着

名古屋駅に到着すると名古屋でお世話になる山口先生がホームでお迎え。
山口先生は名古屋で少林寺拳法とカラダラボという名称で講座を開いている指導者。中島先生とも面識がある方。
前からカラダラボのHPで公開されている動画などを拝見してはいたが、実際会ってみると後で体験するような強力な動きをされる雰囲気は全く感じられない。

道中に必要な食料などを買いながら会場となる少林寺拳法の道場へ。

(メモより)
「『柾目返し』と『正面の斬り』だけ名古屋に持ち帰って仲間とひたすら研究稽古した。手をあげるのに半年かかった。」(山口潤『当時の稽古』を振り返って)


(続く)

(次の日記、一日目:名古屋講習会はこちら

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