(続)太刀奪り研究@半身動作研究会

前々回の日記からシンプル版にしようと思い、今回もそのつもりだったけど書いてみたらちょっと長くなった。 
恵比寿の話。 

■太刀奪り 
方条さんと。 
研究が進んできている。 
今回の稽古で確信したのは『太刀奪り』成功のかぎは『心』の状態であるということ。 
前回の稽古を終えて私も少々試してみたいことがあった。 
常連のAさんに受けていただいて検証(方条さんには全て同じように見えてしまうらしく違いがわからない)。 
私の場合の状況設定は次の通り 
・打ち太刀はソフト剣(遠慮なく打つ為) 
・打ち太刀は上段構えからの真っ向のみ 
・受けは素手 
・距離を取って向かい合う 
・受けが近づき始めるのがきっかけ 
・打ち太刀は受けが間合いに入ったら打つ 
・受けは剣を避けるか抑える 

やってみるとわかるがこれでも十分厳しい設定である。 

3つのパターンを試す 
1.よく見て素早く動く 
2.心を落ち着かせたまま動く 
3.スゴい先生のモノマネ 

パターン1はわかりやすいと思う。 
おそらく普通にやればこうなるというものだ。 
体捌きの工夫だけでも条件を緩和すればそれなりに有効だろう、しかし今回の条件設定では通用しない。 
何度か試すがことごとく打たれた。 

パターン2が本命。 
心の状態を平静に保てば、それが動きに現れるというもの。 
きっかけには触れないがちょっと前に独特の集中状態になる体験があり、これで『太刀奪り』をやってみたらどうだろうかと思っていたのだ。 
この独特の集中状態になると視界が明るくなり、広くなる。 
この明るく、広い視界である状態のまま相手に近づいてみると、結果的に心が乱れることなく相手に近づき動くことが出来る。 
そして何と、この厳しい条件で相手の柄を抑える事が出来た!抑えることが出来ない場合でも視界をある状態で保てると、そうでない場合との差は歴然だ。やってみるとわかる。 
近づきながら「どちらに避けようか」などと迷いが生じた時は、例外なくバッサリ打ち込まれるので違いは明らかである。 

意外だったのがパターン3だ。 
以前、稽古仲間のK野さんにクリスマスプレゼントでいただいた上原清吉先生のDVDを雰囲気だけ真似て動くというもの。 
これが意外と悪くない。 
何と打たれないこともしばしば。 
・最後までスタスタと歩き続ける 
・相手を制するように相手より先に手を伸ばす 
リーチからすれば剣と素手なので明らかに不利なはずだが、けっこう互角に動けたりした。 

モノマネに集中したせいで心が乱されていなかったという効果は多分にあるだろう。自分の工夫が入らないのでこのやり方はあまりやらないと思うが、結果的に上原先生のような動きになってきたらこれはスゴいことだ! 

(稽古メモ) 
・『太刀奪り』成功の鍵は『心』にある 
・モノマネも捨てたもんじゃない 

■リラックスは強い 
空手をされているBさんが、システマインストラクターのKシさんに動きを見て貰っていた。 
Bさんがゆっくりと突きを入れている合間にKシさんが手を伸ばすのだが、それをどうしても身体を捻って避けてしまう。 
原因はKシさんが強そうだからだろう。心理的なものだ。 
というわけで全然強そうじゃない私にバトンタッチ。 
胸のあたりを適当に突いてくるところを捌くという形。 
力んで突くと突いた方が崩される。 
私は悪い例が得意なので、私が力む側で体感してもらうとBさんも納得された様子。 
リラックスしたまま動けるようになってきた。 

不思議に思えるかもしれないが、リラックスしただけで打つ拳は重くなり、捌く腕は強くなる。 
これには厳しいトレーニングや筋トレは必要ない。 
「空手をやらずにこれをやっておけば良かった。」と言われてしまったが、私がお伝えしたのは力まない方が強いということだけ。 
これは空手にいかせると思うので是非いろいろと試していただいて、研究結果など聞かせてもらいたい。 

(稽古メモ) 
・力めば拳は軽く、動きは重い 
・力まなければ拳は重く、動きは軽い 

■体幹の速度 
甲野先生がいう技の構成要素3つのうちの1つ。 
・体幹が速く動く 

剣を振る動作を方条さんに見てもらうと、 
「衝突が起こっている」 
という指摘。 
これは言い方を変えると 
「連動していない」あるいは「協調していない」ということだ。 

動いている内に股関節が働いていない動きになってしまうようだ。 

(稽古メモ)股関節が働く状態を保ち続ける 

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