甲野先生との”稽古会”

甲野先生との”稽古会”。
あえて講習会と書かなかったのは、たくさん稽古できたこともあるけれど、かつての松聲館での稽古を知る古参の稽古人の方々から往年の稽古風景を彷彿とさせたという感想を聞いたせいでもある。

この日は、フランスの合気道家の方々も参加されていたがそのおかげもあったように思う。
とにかく時間いっぱい、甲野先生の話をろくに聞かずに(笑)稽古し続けた。フランスに帰国されても稽古が出来るようにと、合気道の先生や生徒のみなさんを相手にひたすら稽古した。
少しはお伝え出来ただろうか。
・浮木の腿
・謙譲の美徳
・手だけのばす

特に感覚を伝えるのに苦労したのは浮木の腿だった。
足を持ち上げようとするけど、持ち上がらないという説明と、見た目のわからなさと、実際の感覚が一致しにくいのだろう。

それから甲野先生は全ての動きをそれぞれ同時に行って見せているが、初めて稽古するには要求される動作が複雑すぎる。これらを分解して説明しているのだけれと、それもなかなか伝わらないというもどかしさ。
それでも諦めずに(笑)感覚を伝えながら稽古していたら、フランスの方に稽古で求められる質の動きが出てくるようになった。それに出来ていないときに私が指摘しなくても気づいている様子が伺えた。
ここまで伝わっていればフランスでの稽古も楽しめると思われた。
それにしてもこの日のすぐ後で甲野先生がフランスに行く事が決まっているのに日本まで来るとは、まったく稽古への熱心さにはこちらの頭が下がる思いだ。

良い稽古が出来る空間になっていた。

ほぼ全編フランスの方々と稽古していたが、常連のSさんが柔術の稽古をしましょうと声をかけてくれた。
『空気投げ』といきたかったが、なぜだか試したい感じがしなかったので、それに感覚が近い『浮落』の稽古をした。
『浮落』は、相手を真ん前か左前隅に崩してから、下方向に導く。
導くと書いたのは、落とそうとすると単に手でひっぱってしまい相手に抵抗の手がかりを与えてしまうからである。
Sさんが受けを取ってくれている事もあって割りとスムーズにいけたようだ。
Sさんは出来たり出来なかったり。最初の崩しのところでいきなり下方向に手で引っ張ってしまうと相手は抵抗出来てしまう。
まず真ん前に崩す。それから下方向である。
と、ここまで書いておいて真ん前の崩しと下方向への誘導を同時に行う方法がありそうな気がしてきた。
これはまた今度試すことにしよう。

羽織を羽織る投げ
これもやった。相手との繋がりが切れてはいけない。
自分にとって無理な姿勢は相手との繋がりを切ってしまう。

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