手裏剣試行錯誤(水天宮自主稽古会)飛距離を伸ばす(その1)

久しぶりの水天宮稽古だ。
この日は手裏剣稽古のみ。

二間はいつでも通る(刺さる)感覚になってきていたが、久しぶりにやってみると三間が通らない。
三間がいつでも通るようになれば、そこから工夫のしがいがありそうだと思い、まずは『三間がいつでも通る』を目標にして練習を開始した。

直打法で打つ手裏剣の距離を伸ばすには、アプローチの仕方が二通りある。
1つはより押さえを効かせて、放物線の軌跡を描きつつ四分の1回転させる時間を延ばす方法。
もう1つは、押さえは変えずに威力(速度)を上げて、剣が四分の1回転する間に進む距離を延ばす方法だ。
刺さらない理由は大抵の場合、的に到達するまでに回転し過ぎてしまう点にあるので、どちらかの方法で改善できる。
私の場合もそうだった。

威力を求めてそれが力みや身体の捻れに繋がってはいけないと思い、まずは前者の方法で三間に挑戦した。
何度か試すが、押さえを効かせようとすると手がでしゃばる感じが増してきて良くない。
やればやるほど悪くなる予感がしてきたので威力系に方針変更。
威力を出すにしてもスナップを効かせてしまってはだめだ。まだ見ぬ質の動きを引き出すには、やり慣れた方法に安易に流されてはいけない。
やはりここは『謙譲の美徳』だろう。
”相手に譲る”という『謙譲の美徳』こ感覚を手裏剣に応用することで威力を増そうと試みた。
何度かやってみるが、どうもしっくりこない。時おり『追い越し禁止』の動きが引き出される感じもしたが、手裏剣相手だとそもそも譲りかたがわからない(笑)

そこでさらに初心に返り、韓氏意拳の内田さんに教わった『剣先の重さを足裏で感じられるように』というのを丁寧にやってみる。
すると剣の刺さりが鋭くなり、回転が押さえられてきた。

私の場合、不思議なもので通らないとあれこれ余計な工夫をしたくなり、悪循環に陥ってしまいがちなのだけれど、通ってしまえばそこからの工夫はよい方向に進む事が多い。的に刺さるという取り敢えずの安心感が心に余裕を生み、工夫の方向が(八光流の広沢先生の言葉を借りれば)『足し算』ではなく『引き算』になるからだ。

この日は『引き算』で大きな発見があった。
この発見後の動きを動画つきで紹介しようと思います。

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