稽古日誌関西中部特別編「その2名古屋稽古」

2日目
大阪から名古屋へ。

甲野先生と武術の技の話をしながら大阪から名古屋へ移動する。
贅沢な時間だ。

早めに到着したので先にチェックインをして、講習会までの時間を過ごす。
私個人的には一番重要な『家族へのお土産』を無事済ませることが出来た。
会う人、会う人に言われるのが「理解ある奥さんですね。」という言葉。
本当にそう思う。稽古に行けば行くほど妻には頭が上がらなくなる。
システマのミカエル氏や韓氏意拳の韓競辰先生は愛妻家でもあると聞いているが、私にも達人の素質があるということか(笑)

迎えに来た名古屋稽古会の世話人である山口先生からは「たいさんにはこっちにいる人よりも会っているんじゃないか(笑)」などと言われてしまった。

名古屋の稽古会では、私の顔を覚えてくださっている方も増えてきた。名前の覚えが悪いのは失礼を承知だが、私ではなく私の脳が悪いのだからご容赦願いたい(笑)
こんな事をいった人がいたという話を恵比寿の稽古後に聞いたので拝借しました)

ここからは名古屋稽古会の話。

名古屋に来たのだから山口先生の動きを体験しなくては始まらない
前回は『皮膚』だったが今回は『骨』。
肋骨と背骨の遊びを無くす身体操作で、背中を背骨に沿って左右から縮めるようにする。
『柾目返し』の形で受けると肋骨の動きがダイレクトに伝わってくるようだ。横方向に動かすので伝わってくる動きは山口先生の説明の通り、魚が泳いでいるようにも感じる。
構造動作トレーニングで背中を縮めるトレーニングがあるが、それに近い感覚だった。違うのはそこから動くというところ。ガチガチに固めてもいいから縮めるトレーニングとして取り組んでいたが、それがそこから動くのだという。
解剖学的にどうなのかは、機会があれば中村先生に確認しておこう。

柔道四段というお寺の住職さんと稽古。
『謙譲の美徳』を柔道に応用する動きの感想で「これが出来たらもっと勝てたのに。」との効果を感じさせる感想をいただいた。
お返しというわけではないと思うけど、住職さんが大学時代に一度も返されたことがないという寝技の独特なやり方を教えていただいた。
それは上四方や横四方の時に相手を掴まないという方法。
独自に編み出されたようで、掴まないどころか手のひらを畳につける形にして、相手には手の甲で触れる形になるというのだ。
住職さん曰く、相手との間に隙間があるからそこがセンサーの役割をはたして、ピンポイントで起き上がれなくなるところだけを押さえれば良いのだという。

『謙譲の美徳』
皆さんに『謙譲の美徳』を説明しつつ一緒に稽古した。
『謙譲の美徳』はすぐに誰にでも出来て楽しい稽古と思っていたが、どうやら説明と見た目の印象が邪魔をするのかなかなか出来ないケースが多く見られる。
名古屋でも例外ではなかった。
最も多い失敗は、自分から後ろに跳んでしまうというもの。
実際に後ろにとんでしまっては相手には何も起こらない、しかし「はね飛ばされるつもりで」と言われてやればそうなるのも無理はない。
どうにか他の説明が出来れば良いのですが、私の実感が他の説明を許さない。
どうにかならないものか。

この日は打ち上げにも参加して、名古屋恒例の深夜のホテル稽古。
ホテルのエレベーターホールで稽古した。
甲野先生と山口先生の稽古は密度が濃く、熱い。
大阪でも感じた熱だが、山口先生も甲野先生と出会って人生が大きく変わった一人。
その熱量は普通ではない。
普通ではない熱で稽古をすれば、動きも普通ではなくなってくる。

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