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2015年12月8日火曜日

松聲館の技法レポート『DVD撮影と稽古』

夜間飛行から発売予定のDVDの撮影があり、その協力というか見学というかのために松聲館に伺った。
内容は2015年の最新技とそれらに関連する技が収録されそうだ。
かなり迫力のある映像も撮られていたので、今から完成が待ち遠しい。



撮影後は甲野先生との稽古だったが、参加していたのが剣術のKさん、忍者のNさん、久しぶりにお会いしたIさんと私の四人。
特にKさんIさんとは三人で稽古していた時期があったが、最近は三人が集まる機会がなくなっていた。
一緒に稽古するのはいつぐらいぶりだっただろうか。
みなさん普段稽古を積まれているし、受けの質も信頼できるので、なんというか話が早い。
お互いに刺激しあうことが多く、稽古の進展が大きかった。


個人的に一番大きかったのは、足の接触による『謙譲の美徳』だった。
Iさんと『謙譲の美徳』について話していて、腕だけではなく、サッカーであれば肩でもできるし、足でもできるはずだという話になった。
話の流れでお互いに足払いのような形で試してみると、威力がある。
それではと、柔道有段者のNさんと『大外刈』の形で交互に掛け合ってみたら驚きの威力だった。
普通なら返し技の餌食になるような、遠い間合いから足をかけても相手が回転して倒れる。
Nさんが言っていたが、腕だけで『謙譲の美徳』をかけるよりも、さらに足が加わった分やり易い。
浮きながら引き寄せられつつ、そこに足も掛かっているので思わぬ威力になるのだと考えられる。
これには驚いた。


他にもまだまだ挙げればきりがないほど充実した稽古だったが、特にこれは挙げておきたい。
甲野先生の最新の動きである『水面走り』が見よう見まねながらも出来るようになった。
Kさんと『払えない突き』を試行錯誤したり、各自が『水面走り』をやろうとしているのをみていて、私のなかである感覚を追いたくなった。
膝の落下で初速を出し、その勢いを加速させながら進むというやり方だ。
単純に膝抜きだけでは前に進めないが、落下を踵で受け止めれば、前方向への推進力に転換できるという考えだった。
踵で受け止めて前に進むのは、腰の落下でもやっていたが、膝の落下は最初から前重心で落ちることができるので加速の効率が良い。
両膝を床に落とすだけの動作を何度かおこない、落下と初速を出す感覚を掴もうとした。その後は落下途中にふたたび足裏を接地して、蹴ってというか踵を踏んで、前に進んだ。
これに慣れてきたら落下の距離を短くして、足裏がほとんど接地したまま同じことをやった。
すると『払えない突き』に効果が出てきた。
しかし『水面走り』になると気配として捉えやすくなってしまうという。
そこで膝の落下を、膝から上全部が落下する感覚に切り替えたところ、甲野先生が説明されていた「両足はスキーのストックのように使う」という説明がしっくりくるようになってきた。
これによって床を踏む衝撃も薄くなって、気配も出にくくなった。
肝心の『高速微振動』の感覚でやっていないので、甲野先生のやり方とは違うのだが、今までやっていなかった動きが出てきたのは間違いない。
上体は前に傾けるのではなく、少し前方に真っ直ぐ落ちるような感覚。


半謙譲の美徳
『大車』など、前隅への崩しをかけるとともに自分の体が相手に近づくように『謙譲の美徳』をかけながら動く。
このとき相手と一体になった球が転がるように力の方向を定めると崩しと、間合いを詰めるのと、投げの始まりが一致してくる。
『◯落』と名の付いた技については一応の整理がついているので、続いては『◯車』と名の付いた技について研究したい。



興味深いことに甲野先生が『高速微振動』をすると、私の『謙譲の美徳』が効かない。
柔道有段者が驚くほどの効果を確認した足の『謙譲の美徳』による『大外刈』が先生の体に吸収されてしまって全くきかないのだ。



甲野先生の技は撮影後の稽古でも進展があり、ますます目が離せなくなっている。
DVDの発売が待ちきれないかたは、各地の講習会で先生の動きを目の当たりにしていただきたい。

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