松聲館の技法レポート『三つの円』

松聲館で稽古と甲野先生のメルマガ向け動画の撮影をした。

立っても座ってもコロコロ転がされた。
抵抗しようと身構えるが、抵抗できない。


「円の動きは先回りできない。」

ヒモトレから生まれた動きだった。
肩幅くらいの輪を作ったヒモを両手首にかけたまま、腕を円の接線上に遠くに延び続ける働きと、体側に収納される働きを同時に発生させながら、腕をヒモがたるまないようにクルリと回す。ヒモのかけ方や、腕の回し方はメルマガの動画を見ていただきたい。
この円による『斬り落し』は強力で、用心して構えていても、顔が畳につく寸前まで一気に崩される。『斬り落し』を受けて顔に遠心力を感じたのは初めてだ。


『斬り落し』は柔道で襟を持たせてから大きく潰す技にも有効だった。
この形では襟の位置が円の内部に位置してしまい、うまく回せないのだが、腕ではなく足の動きと連動させると一気に重くなって、とても掴んでいられなくなった。
腕と足を連動させる動きは応用の範囲がひろそうで、個人的には『空気投げ』にもいかせそうだと感じている。
今後研究していきたい。


この日とくに衝撃的だったのは、『浪之下』の形で両手で腕を掴んだところからの、自転公転+それを運ぶ円の動きによる投げだった。
今までこの形で下に潰されたり、持っていられなくて手が外されることはあっても、投げられるということはなかった。
柔道技の『浮落』を受けているよう。顔面を打つか前回り受け身をするかの選択を迫られるので、受け身をとらされている感覚に近い。

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