松聲館技法レポート『衝撃』

先ほど私の空気投げ研究に興味を持って下さった大槻ケンヂさんと、私を空気投げで投げまくる甲野善紀先生の誕生日が同じだと知りました。ご縁のあったお二方は本日が誕生日、おめでとうございます。

甲野先生のメルマガ動画撮影終了!先生の誕生日だったが贈り物をいただいたのは私だった。もちろん贈り物は技。今日ほど先生の技の成功と失敗を味わったことはない。全くきかないか、全く抵抗できないかの両極端を体験した。きく時は出合い頭の交通事故にあったかのように気配なく突然やられる。

甲野先生が言うには「力を入れない」のだそうだ。使うのはごくごく軽いものを持ち上げる程度の力。少しでも力むと相手の抵抗を引き出してしまう。さらに力まないでいるほうが、体全体の力をより参加させることが出来る。体全体が参加するが体感的には力を使わないのでとても難しいらしい。

先日受けて「夢だったかも」とも思われていた呼吸を使う技だ。今回は私も丈夫な姿勢に進展があったので簡単にはやられないつもりで受けたのだが簡単にやられてしまった。触れた瞬間飛ばされるので姿勢もなにもない。

驚きとショックを受けたのは襟袖を柔道の組手で十分に持ってから、来るとわかっていて崩し投げられたこと。この組手なら乱取りでもかなりやられにくくなっていたのだが、簡単に突破された。ちなみに袖口に親指を突っ込んで掴む反則技で組んだにもかかわらずだ。強力。

竹刀の鍔ぜりから相手の竹刀を下に落とす形では、この日のはじめは重たいが気配が出ている感触だった。素早く反応すれば防げなくもなさそうな感触だった。これが先生に『体術の押切りのようにやってもらえませんか?』とリクエストしてやってもらったらビックリした。

竹刀に触れたとたんこちらの竹刀だけではなく体全体が後ろに飛ばされ、そのまま畳まで潰される。こんなことが出来るのか?以前受けた竹刀による空気投げとは違う感触。竹刀を介すとより難易度が増すらしい。私も途中、先生の技を幾度もなく止めたが出来る出来ないがここまではっきりするのも珍しい。

止められるときは先生が動く前から力の方向が伝わってくるのでこちらも準備が出来る。止められないときは何も出来ないままやられる。気配なく突然大きな力がこちらに働くので全く抵抗できない。

技を通して術者の感覚が体に流れ込んでくる。今回は技の気配が無く感覚をいただいた実感もないのだが、帰り道の体の軽さは今日受けた技の影響に違いない。それにしてもあの技はとても古希をむかえた人の動きとは思えない。自分の古希はまだ想像出来ないが少しは見習って動けるようになりたいものだ。

甲野先生 今夜もお忙しい中ありがとうございました。私も今夜ほど「力を入れて何とかしよう」という稚拙な感覚がまだまだ根強く残っていることを、思い知らされたことは、ちよっと記憶にないほどです。

甲野先生 私は、常にいままでの術理や常識を乗り越えようとしてきたつもりでしたが、幼時から身に染み付いてしまっていた「取りあえず何とかする」という動きの呪縛から抜けていない自分の未熟さを思い知らされました。

甲野先生 「こうすれば技は利くのだ」と頭では理解していても、それをさせない抵抗勢力の力はまだまだ強大で、いきなり教義を変えるということの困難さを

今日もですが想像できない技を受けて体が驚いています。この先はさらに想像できませんがまた技を受けるのを楽しみにしています。ありがとうございました。







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