柔道練習169回目『技の研究』

柔道練習終了。
ここ2、3週間は乱取りよりも打ち込み、投げ込みがしたい。最近発見した動きがものに出来ていない。乱取り後の研究稽古で丈夫な姿勢のまま空気投げをかけると相手が跳ぶのが確認できた。

この仕組みがわかると柔道形で1、2、3と拍子をとっていることに意味を感じるようになってくるから面白い。動いているものが急激に止まる時に生じるエネルギーで相手を跳ばすのだ。これまでも言っていたことだが今回初めて空気投げの形でハッキリと理解できた。

動きが大きくなるので仕組みが理解しやすい利点がある。小さくしたいがまずはこれで動きを覚える。エネルギーを相手に伝える方法は甲野先生も最近やられているがあの精度はいきなり出来ない。それでも従来の謙譲の美徳では難しかった柔道技の形でエネルギーを伝える方法がわかってきた。これは面白い。

相手を押し込んで戻ったところを背負い投げと言われて、言われた通りに相手を押し込んでも戻ってくるとは限らない。試合なら場外ラインで戻るかもしれないが相手をコントロールできていないので決まるかどうかわからずに技に入ることになる。

その点、エネルギーを相手に伝えて押し込むと相手はバランスを崩すので思わず後ろに足を出して踏ん張る。この反応を押し返してきたと捉えて背負い投げに入るのが良い。上手な人はやっている。前に出す足が畳についた瞬間、エネルギーが伝わるので背負い投げの一連の動作を邪魔しないのも良い。


空気投げで相手が跳ぶ仕組みがわかってきた。
このように仕組みを検証する段階では乱取り練習よりも打ち込みや投げ込み練習をしたくなる。
やりたい投げが身に付いていないのに乱取り練習をやってもそもそもどうやって投げたら良いのかわからないからだ。

しかし乱取り練習も面白い。
相手をしてくれるRさんの空気投げ『浮落』が毎週鋭さを増してきている。
これまでは危なげなく止めていたが今回はヒヤリとするところまで追い込まれた。
通常練習後の研究稽古でさらに『浮落』の威力を上げる方法を検討したので、来週あたり投げられてしまいそうである。

『浮落』の威力を上げるには動いているものが急激に止まる時に生じるエネルギーを利用すれば良い。
崩しで生じた動きを技を掛ける瞬間に止めるのだが、この止め方にポイントがある。
自分一人で止まってしまっては相手にエネルギーが伝わらない。止まりきらないとエネルギーにロスが生じてしまう。

引き手側を引いて相手を引き出す動きは慣性の法則で相手を前方に動かし続ける。
浮落では左足を後ろに引いて膝をついて投げるが、引いた足の着地で後ろ方向へのこちらの動きを完全に止めるように接地する。
このように接地するとこちらの運動も相手に伝わって相手を加速させることができる。
たいていの場合、相手は急激な速度変化に足がついていけず大きく崩れた状態になる。
そこを投げるというわけだ。

後ろ足は継ぎ足の接地で良いと思う。
膝の方向を変えないままアキレス腱が伸びるように接地すると怪我の危険がありそうに思える。
いい年なので用心してさらに左足に負担の少ない姿勢を探したところ、体ごと向きかわって爪先側で止めるようにすると良さそうだとわかった。
この形になると体捌きは『隅落』に近い。

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