最強の武術、格闘技とは何か?!

最強の武術、格闘技とは何か?!
格闘技や武術をやっていなくても一度は考えたことがあるかもしれない。
非常にロマンがある話で興味をひかれる。かなり前の話だが総合格闘技に柔道金メダリストの吉田秀彦が出てきたときは目が離せないほど興奮したし、角界から曙が参戦したときも手に汗を握った。
アメフト出身のボブ・サップがK1チャンピオンのアーネスト・ホーストに勝ったときは大きなショックを受けたものだ。


最強の武術、格闘技と言えば何が思い浮かぶだろうか?
メジャーでプロも多いMMAかムエタイかK1か?
長い伝統がある空手か中国拳法か?
寝技に強みがあるブラジリアン柔術か柔道か?
道具も使える剣道か?


立ち技なら?寝技なら?両方ありなら?道具もありなら?条件によって最強は変わってきそうだ。これはどうやって比較すればよいのかわからなくなってきた。考えやすくするために条件を限定してみよう。


私は柔道をやっていて知識としては柔道技を一通り知っているので競技を柔道に絞った上でテーマを最強の柔道技とは何か?に置き換えて考える。
背負投、内股、大外刈等はオリンピックでも多く目にする技だ。
大野将平選手の大外刈は強力で最強と言っても差し支えないだろう。井上康生前監督の内股もまさに必殺技だし、それを言ったらオリンピック三連覇で医学博士でもある野村忠宏師範の背負投はまさに伝家の宝刀だ。過去に遡っていいならグレイシーにも通用した木村政彦のキムラロックや、伝説とも言われる三船久蔵十段の空気投げ、嘉納治五郎師範が得意としていた浮腰、西郷四郎の山嵐も挙げたくなってくる。
こう見るとどの技も最強と言いたくなってくるがやる人が私に代わると一転どれも最強からはほど遠くなる。
柔道技は懐かしのゲーム「ドラゴンクエスト」の呪文のようにギラよりベギラマ、ホイミよりベホイミなどと強さが絶対的に決まるものではなく、やる人によって強さが変わるものだからだ。そんなことは当たり前で最初からわかってたと言われそうだ。
それならこれを最強の格闘技に置き換えてもやる人によって強さが変わると当たり前に言えるはずだが、何故かなかなかそこまでスッキリ整理できない。
ロマンが論理的思考を邪魔するのだろうか?
前に書いたがK1のリングでアーネストホーストがアメフト出身のボブ・サップに負けた時、K1がアメフトに負けたといった表現をした人がいたが本当にK1がアメフトに負けたと言えるのか?だとするとボブ・サップはホーストに対してアメフトをやっていたことになるがそんなはずはない。ボブ・サップがK1ルールで戦っている以上、ボブ・サップがホーストに勝ったことはK1が強い、弱いという話にはならない。K1の試合で超新星の重量級パワー系ファイターにミスターパーフェクトとまで呼ばれたチャンピオンが負けるという強烈な番狂わせがあったという事だ。
いま思い出してもあれは強烈だった。


話を最強の格闘技に戻そう。K1を例に挙げたが競い合うには同じ土俵でなければならない。K1選手同士ならK1のリングで戦えば良いがさまざまな格闘技で競い合うとなるとまずは誰が参戦するのかを整理して、それに合う土俵を用意する必要がある。
無数にある格闘技、武術の中からこの最強はどれだ議論に参戦出来るものは何か?
手になにも持たない徒手格闘技は概ね参戦可能と見ていいだろう。しかし例えば居合道が参戦するとして刀の使用を許可したら徒手格闘技ではとても対処出来ない。
ならばと武器ありにしたら刀よりも長さで有利な槍を持とうとなるかもしれないし、
槍がありなら弓もと弓道が参戦したら間合いが近接攻撃から遠距離攻撃にまで広がる。
弓がありなら鉄砲もとクレーン射撃が参戦したらやるまでもなく最強はクレーン射撃になるだろう。
果たしてクレーン射撃は格闘技あるいは武術なのか?


どうやら最強の格闘技を議論するには競うための条件を先に揃えてそこにマッチする競技が参加する方式にしたほうが決めやすそうだ。条件を考えてみよう。条件とはルールと言い換えてもいい。
取り敢えず鉄砲まで出てきては話にならないので武器は無しにしよう。この時点で剣道をはじめ武器を扱う古流武術は参戦できない。
素手だから打撃は当然ありにしたい。ここでブラジリアン柔術や柔道は大きく不利になった。
蹴りもありでいいだろう。ボクシングが不利になった。タックルも投げもありにしよう。ボクシングはますます不利だが仕方がない。
投げっぱなしで何もしないのは変だから寝技も当然あり。ブラジリアン柔術と柔道が盛り返したか。
さてここまで整理してきた内容を見ると何となくMMAルールに近い条件になってきた。
最強を決める舞台はMMAで決まりで良さそうだ。それならわざわざ議論するまでもなくMMAのチャンピオンが最強で決まりだ。
最強の格闘技はMMAで最強を名乗りたければMMAに参戦せよということになる。


スッキリ整理出来たはずだがどこか納得いかない感じがするのは気のせいか。最強の柔道技から整理してきて辿り着く結論がこれでいいのか?
そもそも設定した条件を振り返ってみると私のさじ加減でどうにでもできたではないか。これではMMA以外の格闘技から不満の声が聞こえてきそうだ。
もう少し考えてみよう。最強を決めるのに金的、目潰しの急所攻撃は無しでは納得感を得にくいかもしれない。金的攻撃をありにしよう。ジークンドーや古流空手に有利になったか。
いやまだ駄目だ。最強格闘技、武術を決めるのに武器無しのままでは古流武術の大半が除外されてしまっているではないか。
やっぱり武器もありにしよう。しかし武器ありはクレーン射撃が参戦してきてしまうし、危なくて実際には競えたものではない。今はあれこれ想像を巡らせているだけなのでここは一回脳内シミュレーションで最強を決めることにしよう。
これで危ないから武器は無しという最強決定にふさわしくない条件を排除できた。
武器は種類がたくさんあって良くわからないから何でもありにしよう。
反則行為も何かを決めると有利不利の議論になるから反則もなし。何でもありにしよう。
何でもありなのでリングもレフェリーもいらないだろう。スタートの合図もない。


勝敗を決める条件は先に動けなくなったほうが負け、脳内シミュレーションなので生死は問わないとしよう。これで勝てば文句なく最強と言えるだろう。さぁどうすれば勝てる?!


何でもありなんだから最低限相手に気づかれないようにしないと危なくて戦えたものではない。
日常生活中にこっそり後ろから近づいて絞め技が良いだろうか?絞め技に入ったところを投げられたり懐にナイフを持っていたら反撃に合うかもしれない。近くからだと危なそうだから遠くから銃が確実か、それとも車で突っ込むか、あるいは毒を仕込むという手も考えられる。
まてまて、お金で殺し屋を雇ったら自ら手を下さなくてもいいではないか。
なんでもありで先に動けなくなったら負けだ。
さて仮にこの条件で決着がついたとする。例えば柔道家が車でつっこんで相手を戦闘不能にして勝ったとする。
勝ったのは柔道家だがこれは柔道が最強であることの証明になるだろうか?


脳内シミュレーションでももう1人参戦していた。
その人は気候の良い土地にひっそりと暮らし、早寝早起きの規則正しい生活をしていた。
自然食を好み、朝はラジオ体操で体を動かし、朝食を食べたら畑仕事、昼食後は少し昼寝をして、
午後は読書と勉強に取り組み、夜はお風呂に入って寝る。
近くに医療体制が充実した総合病院があり、セキュリティのしっかりしたマンションに住んでいる。
とても健康で体は丈夫。毎日が充実していてストレスも感じない。
この人はこのような生活を続けていたため、いつまでも健康で結果的に誰よりも長生きをした。
勝負ありだ。再度まで倒れずに動けていたのはこの人だった。なんでもありなのでもちろん時間制限もない。ようやく最強の格闘技・武術論争に決着がついた。
最強はラジオ体操で決まり!


私の脳内シミュレーションではこのような結論になりましたが皆さんのシミュレーションではどうなるでしょうか?

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