(続き)
ホテルをチェックアウトして、新幹線ホームへ。
昼ご飯のお弁当を購入して、新大阪行きガラガラに空いた新幹線に乗り込む。
○新幹線
大阪に向かう車内では何を話しただろうか、昨日の興奮冷めやらぬといった感じの私が何かお礼のような事を言っていただろうか。
後は獣医師向けの講習会でアシスタントをすることになったので、その確認などだったように思う。
(メモ)松聲館の道着を作る店があるが、道着を買う人については一見さんお断りらしい。
○大阪稽古会
世話人の一人であるKキさん(イニシャルだけだとKさんだらけになってしまうので)が改札で先生をお出迎え。
そこから車で会場へ向かう。
大阪稽古会は東京ではあまりいないが、個人で利用する範囲(YouTubeやブログへのUPはNG)での撮影が予め許可されていて、みなさん稽古風景を撮影したりしている。
参加者も多く、外国の方も2名ほど。あとは何かしら経験されている方が多いように感じた。
長刀を持ってこられていた方がいて、珍しく甲野先生の長刀を見ることが出来た。
長刀は対剣ではそうとう有利な武器のよう。剣で長刀を相手をする場合は長刀の剣先を防ぐのではなく、相手の懐に飛び込んでいくようにしないととても対応出来ないようだ。
長刀を持った参加者と剣を持った甲野先生というのも見ることが出来た。
こう言うのはなかなか見られない。
後は『膝が迎えに行く』や昨夜の気づきの説明される甲野先生。
甲野先生はやはり大阪でも変わらない。最新の気づきを中心に技の説明と実演をするという形で講座は進む。
ちなみに『辰巳返し』が出来る人、と『太刀奪り』が出来そうな人として私が紹介されるのも同じw(これは私がいたからですが)。
『高内刈り』の説明で「かけられないように頑張って下さい。」と言われる。
それでは、と足を踏ん張らずに絡められた足をいなし続ける。「私のところに長く通っているような人はこうなりあすから、、、その場合はこう」と言われた瞬間、『隅落とし』である。
動きに逆らわないように受けているせいか、突然来る捨て身技にも逆らえずに投げられる。
○石田先生
事前に稽古仲間のK野さん(またKさんだ!)から、大阪の世話人の石田先生の技は受けておくと勉強になるはずというアドバイスをいただいていたので、石田先生に声をかけ技を受けさせていただく。
石田先生は無双直伝英信流居合術を学び、甲野先生との交流を通じて独学で杖術や体術などもされている。
今回の大阪稽古会では石田先生に色々と教えていただいた。
これは直接教えていただいたわけではないが、外国人のN氏に居合いの説明をされている時の動きの美しさにあらためて剣の稽古により洗練される動きというものがあることを認識させられた。
正座からの抜刀だが、柄に手をかけてから抜き終わるまでの動作に全く淀みがない。
抜いている過程を目の前で見ていても、抜きはじめたと思ったら終わっているようにしか見えない。
『手を挙げる』
正座して片方の手首を上から押さえつけられた状態から押さえられた手を上に上げるというもの。
・片手であげようとしても簡単にはあがらない。
・両手を使って、一緒に持ち上げようとしても、多少ましにはなるものの、楽々あがるとはいかない。
・ところが、片手で上げかけたところに片方の手を参加させると簡単にあがる。
慣れてくるとわかるが、参加させるもう片方の手は、触れる程度でも同じ効果が得られる。つまりほぼ片手であげている状態になる。
それでは最初から両手でやればよいかと思うが、それでは余計な力ばかり入ってしまいうまくいかない。
『すべらせる』
相手の腕を引っ張る動作、杖を持ちあって引っ張る動作など色々な動作に共通する。
予めグッと掴んでおいてから動くのと、スッと滑らせながら掴んで動くのでは後者のほうが大きな効果を得られる。
『蹴らない動き』
一歩目の着地点に画鋲がおいてあることに着地寸前に気づいたかのように、足を後ろに送る。するともう片方の足を出すことになるが、この足の着地を柔らかく行う。
2、3歩蹴らずに動き出せればあとは動きを貰って前に進むだけ。
この動きをものにしたうえで、一歩目を後ろに送る動作を省略するというテーマは研究してもよさそうだ。
『正座から楽にたつ』
少し膝を内旋させる気持ちで腰を浮かせると楽に立てる。
これが後に嬉しい繋がりを見せるのだけれど、このときはまだ気づかない。
(メモより)
・速いパンチ:肩胛骨から打ち出すと連続して速いパンチを繰り出すことが出来る(パンチの質問をされて。石田先生)
・合気上げ:肩胛骨を使ってあげるやり方もある。(石田先生)
・膝行:重心の移動で動く。頭が上下に動くのは蹴って動いているから。蹴らない。(石田先生)
・動く:掴まれたり、押さえられたりして動かせない部分がある場合でも動けるところを動かして、その動きを押さえられている部分に繋げると動ける。(石田先生)システマでみたような動きだ。
・居合い(正座):鞘引きで体は正面のまま。これで刀は半分抜ける。腰を浮かすと刀はほぼ抜けた状態。鞘引きと腰を浮かすのを同時に行うと鞘引きの動作が見えなくなる。左右の釣り合いは左の肘で行う(結果として胸が開き、中心がぶれないようだ)。鞘引き前に刀の重さを量るように”帯上げ”の動作をいれると刀が軽く抜ける。
鞘は捻らない。捻ると上段への移行が直線ではなく曲線になる。(石田先生)
○大阪の稽古人
一言で言えば「濃い」。いや東京も「濃い」が(笑)
つまり、武術のセミナーに参加されるような方には濃い人が多いということか。
石田先生曰く、「以前はもっと濃かった。」とのこと。これでも薄まっていたのか!(笑)
何人かの方と一緒に稽古をさせていただいた。
『斬り落とし』が流行っているのか、リクエストを受ける(この方はすでにTwitterで相互フォローの関係にあったのだがそれは後で知ることになる)。
気配を消した、速い系の動きをするが、「じわじわと重たい版を受けたい。」との「濃い」リクエストwを受けて身体をまとめた状態でゆっくり動く版を受けていただく。
このバージョンは好みの動きだったらしく、喜んでいただけたようだった。
それから速い系でも違いがあるというのを、陽紀さんに教えていただいた『指の居着き』を真似た動きを受けていただく。
こちらも確かに違いがあるとの感想。雰囲気は伝えられたよう。
○打ち上げ
大阪の居酒屋がすべてというわけではないだろうが、飲み放題の飲み物を全て客自らが注ぐという形式は初めて。
ここでも「濃い」方とお話させていただいて、大阪稽古会は終了。
世話人のKキ氏とD氏とともにこの日の宿である梅田のホテルへ。
まさか!
ではなく案の定ここでも稽古!
○ホテル道場
甲野先生自ら「○○(ホテルの名前)道場」と名付けているこの部屋は、ビジネスホテルなのに部屋の奥に3畳の畳敷きのスペースがある。ある階以上でないと付いていないそうで、私の部屋には畳は無かった。
甲野先生は以前、イベントに呼ばれて大阪に来た際、主催者が用意した名前を聞けば誰でも知っている一流ホテルを断って、このホテル道場に泊まったそう。その後、別の機会にあるホテルのイベントに呼ばれた時はさすがに断る訳には行かず、ホテル道場をあきらめたそうな。
ちなみに私がかつて泊まったことのあるどのビジネスホテルよりも安い。
まったく、稽古好きにもほどがある(笑)
そのホテル道場での稽古。
机を畳み、ベッドの横へ置く。
畳とベッドの配置が絶妙に関係していて、受け身が必要な技はベッドに向かってかけるのだ(笑)
だから『高内刈り』はベッドに向かってかける。
さすがにこんな稽古は初めてで、面白くて笑うしかなかった。
甲野先生の最新(といってもいつまで最新と言えるかはわからないが)の『太刀奪り』の形である”拳で剣を打ちに行く動き”はこのホテル道場で突然生まれたのである。
この日も稽古漬けで予定していた名古屋、大阪の稽古会は全て終了。
終わってみればあっと言う間の2日間だった。
しかし、おそらく今までで一番刺激を受け続けた2日間だろう。
後で甲野先生がTwitterで「初期の稽古の数年分」とまで言われるほどの2日間をほとんど一緒に過ごさせていただいたのだ。
なんという貴重な経験か。大事にしたい。
名古屋、大阪でお世話になった方々、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
(と、終わったはずなのにあと一回だけ続く。)
(1つ前の日記:一日目名古屋深夜研究会はこちら
昼ご飯のお弁当を購入して、新大阪行きガラガラに空いた新幹線に乗り込む。
○新幹線
大阪に向かう車内では何を話しただろうか、昨日の興奮冷めやらぬといった感じの私が何かお礼のような事を言っていただろうか。
後は獣医師向けの講習会でアシスタントをすることになったので、その確認などだったように思う。
(メモ)松聲館の道着を作る店があるが、道着を買う人については一見さんお断りらしい。
○大阪稽古会
世話人の一人であるKキさん(イニシャルだけだとKさんだらけになってしまうので)が改札で先生をお出迎え。
そこから車で会場へ向かう。
大阪稽古会は東京ではあまりいないが、個人で利用する範囲(YouTubeやブログへのUPはNG)での撮影が予め許可されていて、みなさん稽古風景を撮影したりしている。
参加者も多く、外国の方も2名ほど。あとは何かしら経験されている方が多いように感じた。
長刀を持ってこられていた方がいて、珍しく甲野先生の長刀を見ることが出来た。
長刀は対剣ではそうとう有利な武器のよう。剣で長刀を相手をする場合は長刀の剣先を防ぐのではなく、相手の懐に飛び込んでいくようにしないととても対応出来ないようだ。
長刀を持った参加者と剣を持った甲野先生というのも見ることが出来た。
こう言うのはなかなか見られない。
後は『膝が迎えに行く』や昨夜の気づきの説明される甲野先生。
甲野先生はやはり大阪でも変わらない。最新の気づきを中心に技の説明と実演をするという形で講座は進む。
ちなみに『辰巳返し』が出来る人、と『太刀奪り』が出来そうな人として私が紹介されるのも同じw(これは私がいたからですが)。
『高内刈り』の説明で「かけられないように頑張って下さい。」と言われる。
それでは、と足を踏ん張らずに絡められた足をいなし続ける。「私のところに長く通っているような人はこうなりあすから、、、その場合はこう」と言われた瞬間、『隅落とし』である。
動きに逆らわないように受けているせいか、突然来る捨て身技にも逆らえずに投げられる。
○石田先生
事前に稽古仲間のK野さん(またKさんだ!)から、大阪の世話人の石田先生の技は受けておくと勉強になるはずというアドバイスをいただいていたので、石田先生に声をかけ技を受けさせていただく。
石田先生は無双直伝英信流居合術を学び、甲野先生との交流を通じて独学で杖術や体術などもされている。
今回の大阪稽古会では石田先生に色々と教えていただいた。
これは直接教えていただいたわけではないが、外国人のN氏に居合いの説明をされている時の動きの美しさにあらためて剣の稽古により洗練される動きというものがあることを認識させられた。
正座からの抜刀だが、柄に手をかけてから抜き終わるまでの動作に全く淀みがない。
抜いている過程を目の前で見ていても、抜きはじめたと思ったら終わっているようにしか見えない。
『手を挙げる』
正座して片方の手首を上から押さえつけられた状態から押さえられた手を上に上げるというもの。
・片手であげようとしても簡単にはあがらない。
・両手を使って、一緒に持ち上げようとしても、多少ましにはなるものの、楽々あがるとはいかない。
・ところが、片手で上げかけたところに片方の手を参加させると簡単にあがる。
慣れてくるとわかるが、参加させるもう片方の手は、触れる程度でも同じ効果が得られる。つまりほぼ片手であげている状態になる。
それでは最初から両手でやればよいかと思うが、それでは余計な力ばかり入ってしまいうまくいかない。
『すべらせる』
相手の腕を引っ張る動作、杖を持ちあって引っ張る動作など色々な動作に共通する。
予めグッと掴んでおいてから動くのと、スッと滑らせながら掴んで動くのでは後者のほうが大きな効果を得られる。
『蹴らない動き』
一歩目の着地点に画鋲がおいてあることに着地寸前に気づいたかのように、足を後ろに送る。するともう片方の足を出すことになるが、この足の着地を柔らかく行う。
2、3歩蹴らずに動き出せればあとは動きを貰って前に進むだけ。
この動きをものにしたうえで、一歩目を後ろに送る動作を省略するというテーマは研究してもよさそうだ。
『正座から楽にたつ』
少し膝を内旋させる気持ちで腰を浮かせると楽に立てる。
これが後に嬉しい繋がりを見せるのだけれど、このときはまだ気づかない。
(メモより)
・速いパンチ:肩胛骨から打ち出すと連続して速いパンチを繰り出すことが出来る(パンチの質問をされて。石田先生)
・合気上げ:肩胛骨を使ってあげるやり方もある。(石田先生)
・膝行:重心の移動で動く。頭が上下に動くのは蹴って動いているから。蹴らない。(石田先生)
・動く:掴まれたり、押さえられたりして動かせない部分がある場合でも動けるところを動かして、その動きを押さえられている部分に繋げると動ける。(石田先生)システマでみたような動きだ。
・居合い(正座):鞘引きで体は正面のまま。これで刀は半分抜ける。腰を浮かすと刀はほぼ抜けた状態。鞘引きと腰を浮かすのを同時に行うと鞘引きの動作が見えなくなる。左右の釣り合いは左の肘で行う(結果として胸が開き、中心がぶれないようだ)。鞘引き前に刀の重さを量るように”帯上げ”の動作をいれると刀が軽く抜ける。
鞘は捻らない。捻ると上段への移行が直線ではなく曲線になる。(石田先生)
○大阪の稽古人
一言で言えば「濃い」。いや東京も「濃い」が(笑)
つまり、武術のセミナーに参加されるような方には濃い人が多いということか。
石田先生曰く、「以前はもっと濃かった。」とのこと。これでも薄まっていたのか!(笑)
何人かの方と一緒に稽古をさせていただいた。
『斬り落とし』が流行っているのか、リクエストを受ける(この方はすでにTwitterで相互フォローの関係にあったのだがそれは後で知ることになる)。
気配を消した、速い系の動きをするが、「じわじわと重たい版を受けたい。」との「濃い」リクエストwを受けて身体をまとめた状態でゆっくり動く版を受けていただく。
このバージョンは好みの動きだったらしく、喜んでいただけたようだった。
それから速い系でも違いがあるというのを、陽紀さんに教えていただいた『指の居着き』を真似た動きを受けていただく。
こちらも確かに違いがあるとの感想。雰囲気は伝えられたよう。
○打ち上げ
大阪の居酒屋がすべてというわけではないだろうが、飲み放題の飲み物を全て客自らが注ぐという形式は初めて。
ここでも「濃い」方とお話させていただいて、大阪稽古会は終了。
世話人のKキ氏とD氏とともにこの日の宿である梅田のホテルへ。
まさか!
ではなく案の定ここでも稽古!
○ホテル道場
甲野先生自ら「○○(ホテルの名前)道場」と名付けているこの部屋は、ビジネスホテルなのに部屋の奥に3畳の畳敷きのスペースがある。ある階以上でないと付いていないそうで、私の部屋には畳は無かった。
甲野先生は以前、イベントに呼ばれて大阪に来た際、主催者が用意した名前を聞けば誰でも知っている一流ホテルを断って、このホテル道場に泊まったそう。その後、別の機会にあるホテルのイベントに呼ばれた時はさすがに断る訳には行かず、ホテル道場をあきらめたそうな。
ちなみに私がかつて泊まったことのあるどのビジネスホテルよりも安い。
まったく、稽古好きにもほどがある(笑)
そのホテル道場での稽古。
机を畳み、ベッドの横へ置く。
畳とベッドの配置が絶妙に関係していて、受け身が必要な技はベッドに向かってかけるのだ(笑)
だから『高内刈り』はベッドに向かってかける。
さすがにこんな稽古は初めてで、面白くて笑うしかなかった。
甲野先生の最新(といってもいつまで最新と言えるかはわからないが)の『太刀奪り』の形である”拳で剣を打ちに行く動き”はこのホテル道場で突然生まれたのである。
この日も稽古漬けで予定していた名古屋、大阪の稽古会は全て終了。
終わってみればあっと言う間の2日間だった。
しかし、おそらく今までで一番刺激を受け続けた2日間だろう。
後で甲野先生がTwitterで「初期の稽古の数年分」とまで言われるほどの2日間をほとんど一緒に過ごさせていただいたのだ。
なんという貴重な経験か。大事にしたい。
名古屋、大阪でお世話になった方々、ありがとうございました!
今後ともよろしくお願いいたします。
(と、終わったはずなのにあと一回だけ続く。)
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