松聲館技法レポート『蛇に巻かれて』

Twitterより

甲野先生のメルマガ動画撮影終了。「いろいろと、新しくためしたいこともあり」とメールをいただいていて、わたしも先日身につけた『空気投げ』の呪文で技を受けるとどうなるのか楽しみにしていた。

技を受けると『起震車』や『響き』からくる突きこそ払えないものの、小手返しや新月投げ、灌木抜きなどの投げ技はことごとく止めることができた。中でも釣り手のみを掴んだ状態での受けは我ながら強固で、ほぼ完封と言ってもいい状況。先生にも感心していただいた。

しばらく釣り手を掴んだ状態で先生が研究モードに入って稽古を続けていた。私から先生に座りはどうでしょうか?と聞こうとしたところ丁度そのタイミングで先生が座ってりましょうと提案された。座りでも1度目の崩しには対応できて転がされなかった。この後、先生に変化があった。

座りの稽古で急に抵抗できなくなってしまった。何をしたのか先生の説明を聞くと、腕やお腹、肩のあたりに蛇が巻き付いてそれぞれが色々な方向に回転しているイメージで動いたのだという。さっきまでが嘘のように抵抗できない。

座りが変わるなら、立ってみると、ほぼ完封だった釣り手を掴んだ受けで、ほぼ無抵抗に崩されるようになってしまった。浪之上、浪之下ではゆっくり動かれても止められない。これは今まで無かった事だし、ついさっきまで止めていたのに何が起きたのかわからなかった。

柔道式に丈夫な姿勢で組んで受けても(ここを越えたら耐えられない)と思うポイントをあっさり突破される。あまりにあっけなくて『弱っ!』と声が出た。稽古前半でかなり自信がついたのに、後半は弱すぎて自分を責めたくなるほど崩され放題。早く他の人にも受けてもらいたい。

蛇に巻かれるという先生の動きは少し前にみた『舞い』を彷彿とさせる。蛇について聞くと昔飼っていた(!)という「ひばかり」「青大将(子供)」が巻き付いてくる感覚がリアルにあるという。蛇のサイズは1cm弱ほどで太めの紐サイズだという。これは『ひもトレ』ならぬ『ヘビトレ』効果か(笑)

個人的に意外で嬉しかったのは、甲野先生の『柾目返し』を受けられたこと。しっかり掴ませてもらってあそこまで綺麗に崩されたのは初めて。柾目返しは私が稽古を始める前の稽古メニューで、甲野先生が説明しているのを見たことが無かったのでもうやらなくなったのかと思っていた。綺麗だが強力。

甲野先生のリプライ
「柾目返し」は「井桁術理」開発の時に一番多く行った、当時の「基本技」でしたが、今夜「いったい何年ぶりだろうか」というくらい久し振りでやりましたが、出来は「自分史上最高」の「柾目返し」でした。

これは貴重な体験をさせていただきました!

ほぼ同時刻の甲野先生のTweet
先ほど田島氏に依頼しているメールマガジンの動画撮影が終わったが、ずいぶんと奇妙な動きが生まれた。取り敢えず「蛇に巻かれて」と名付けたが、体中のあちこちに時計廻りや反時計廻りに細く小さな蛇が巻き付いている内観で技を行なうもの。

これは明らかに昨日、身体教育研究所で野口裕之先生から呈示された腰の沈みと浮きに関する内観がキッカケで生まれた感覚というか術理であることは確か。

それにしても前半あれだけシッカリとしてきて、私の動きに対して崩れなかった田島氏が、同じ人物とはとても思えないほど、この私が今夜気付いた動きというか術理には崩れ続けた。

先ほどはありがとうございました。終盤の両手持ちは触れたら崩れる自分に(そんなバカな)と言い聞かせて受け直していましたが無駄な抵抗でした。

まあ、笑い癖が付くと、しばらくは、僅かなことも、可笑しくて笑ってしまいますから、どこまで有効かは、いろいろな人達と、いろいろな場面で手を合わせてみる必要がありますね。またおおいに研究されていらしてください。

確かにどうしようもなくやられてしまう状態でした。また前半のように対応できるように練習しておきます。



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