甲野善紀音楽家講座『浪之下』

甲野先生の音楽家向け講座に当日申込みで飛び入り参加。
私にも何か予感があったか、先日かなり抵抗できていた先生の『浪之下』が止められなくなる体験が出来た。
主催の白川さんからフルートの先生に音を認めてもらい、『後は気持ちの問題』との報告を甲野先生に大きな変化があった。

変化の前、先生がやったのは横隔膜が下がり緊張しなくなる手の内。
この『浪之下』を受けたら、掴んだ腕から先生の気配が探れない。
単にブラブラさせて自由に持たせているのとも違う。
動いてからの気配の無さが決定的に違う。
これで動かれると反応できないまま大きく崩される。
驚いた。

甲野先生
私にとって、この相手に十分掴ませてからの、力を使わない動きは、30年来の課題でした。最近は普通に稽古してきた人に持たれても困らなくはなってきてましたが、私の技を止めることに情熱を傾けている方々の掴みは、なかなかな厳しくなってきていて、私が感心するしかないこともしばしばでした。

私も数え切れないほど、色々な工夫はしましたが、今回のようなハッキリと「質の違い」を感じたことは、記憶にありません。田島さんが今夜「音楽家講座」に参加されなかったら、きっと今夜気付くこともなかったでしょう。来ていただきましたこと深く感謝しております。ありがとうございました。

私は何もしていませんが、何らかのきっかけになっていたなら幸いです。いつも驚いていますが、今回は驚きとともに初めての感触に戸惑いました。また受けられるのを楽しみにしております。

音楽家講座ならではの面白さがある。
それは甲野先生のアドバイスで音や声の響きがその場で変わっていく様子をライブで体験出来るところ。
この日は人数が少なめで音楽家以外の方からの質問が多かったが、
高音を出すのに『虎拉ぎ』がいいというので、主催の白川さんが実際にやってみせてくれて、
それに応じる形でとても珍しいが甲野先生も大声を出すというのをやってみせてくれた。
普段の様子からは想像もつかないよく通る高い発声で、人間というより動物の鳴き声のように聞こえた。
これを聞けただけでも行ってよかった。

白川さんのフルートもパワーアップされていて、構えかたの工夫から進展して、
持って出てくるときの持ち手から工夫されていた。
いやさすがに研究熱心でこちらも大いに刺激を受けた。

この日は白川さんのフルート演奏もたくさん聴けて、先生の技の進展にも立ち会えて、
一石二鳥三鳥のお得な日になった。




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