松聲館の今を稽古する)楽しい技術交流でした

甲野善紀先生の恵比寿稽古会。

空手のIさん、フルコン空手の方と先日お会いした太極拳のTさんらとあれこれ稽古した。

甲野先生が片方の手を使った小手返しの説明をされたので小手返しに挑戦。
私は基本的なやり方を知らないので合気道の経験者でもあるIさんに教わりながら形を確認。
親指の付け根辺りを4指側でとって小指側の甲を親指で押すようにすると捻りが効いて辛い。捻る角度はひじか、手首が90度90度になるようにする。
こうなると受けは耐えられず崩れる。

太極拳のTさんは琉球空手やMMAの経験もあり組み際に有効な技が合気道の技に似ているといって教えてくれた。
手のひら同士で組み合う際に相手の小指側を4指で掴みそのまま拝むようにすると相手が体ごとつぶれる。これは以前沖縄空手、柔道経験者でもあるNさんに聞いたやり方の片手版とも言えそう。

私は空気投げに関連する稽古法をいくつか紹介したがどれも興味をもって取り組んでいただけたようで一緒にやる私も楽しく練習出来た。
空気投げの入りで相手を引き出す体捌きで使う肘と膝の一致。踏ん張って耐える相手を前方向に引き出すことができる。
1つは空気投げの体捌きによる質量を相手を動かす稽古で『謙譲の美徳』。前後左右上下に応用できる点と、謙譲の美徳がかかる状態がわかると単に自分の軸を保って動けば良いことがわかる。
さらに空気投げの体捌き中に相手に寄りかからず、引っ張り込まず姿勢を保ったまま動く稽古で『浪之下』。主に体の沈みこみ時に真っ直ぐに沈む感覚を養える。
空気投げの足捌きで相手の予測を裏切る感覚を起こす『足裏の垂直離陸』の稽古。肩同士で押し合う形や相手を押し込む動きで確認した。これは膝抜きと浮きの違いが明確になる。膝抜きは一瞬の動作であるのに対して浮きと垂直離陸は継続可能な状態。

この観点でこれまでやってきた稽古法を整理してみるのも面白そう。

甲野先生の捨て身技を受けた。形は隅返しに近いが質が通常の捨て身技とは異なる。
先生の説明によると肩から下に向かって体が縮み、胴体は達磨落としでスコンと抜けるように体を使っているとのこと。
以前落とし穴に落ちるように沈むというやり方をされていたが、今回の方が受けが気づくのが遅れてしまい、気がつけば頭が下げられて前のめりの体勢に崩し投げられてしまう。

まだまだ斬り手による崩しや空気投げの突きをやったり、Tさんから大外落風の投げ技を受けたりと終始楽しい稽古だった。

いくらでも稽古していられる空間です。


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