雀鷹舎稽古)柔道『五の形』(4本目)を練習しました

主宰の岡田さんと柔道の『五の形』を研究した。前回は3本目で今回は4本目。

誰に教わるわけでもなく自主的に4本目ばかりをあぁでもない、こうでもないと1時間半もやっているのは世界で私と岡田さんくらいだろう。

三船十段がやる五の形の映像が残っている。4本目は後ろ向きに下がりながら相手を倒す形。
難しいのは取りが下方向にしゃがむことなく受けが尻もちをつくところ。
単純に真似してやってみても一緒に後ろに下がるばかりで受けは倒れない。
三船十段の動画を見ると最後に少ししゃがんでいるがこれは受けが倒れた後に見える。

腕に余計な力を入れずに動けは楽な感触のまま相手を動かせるがやはり後ろにさがるだけで倒れない。
ならばと下方向の力を加えようとするがしゃがまない条件のままではあと一押しが足りない。
1時間くらい試行錯誤した後、岡田さんから横に並んだ時の腰の位置について、受けの腰の位置を取りの腰が追い越すように下がるようにやってみると良いのではという提案があり、試してみると受けが倒れるようになった。

後で柔道形の本で確認してみると最後に取りはしゃがみながら受けを押し下げるとあるので取りもしゃがむのが正しいようだ。

三船十段の映像の記憶をもとに練習したので取りがしゃがまないで受けを転がす方法を探った結果、難易度を増すことになったが結果的にはそれが良かった。
接触する場所は変えないまま相手との位置関係を変えることで生じる効果に新たに気づくことが出来たからだ。
この効果を応用できる柔道技として思いついたのが小外刈などの足技。
通常小外刈は継ぎ足で相手に近づいてから刈るが、今回の効果を応用すると刈り足で相手の足を固定してから相手に近づくと相手の足が刈られて尻餅をついて倒れた。
小内刈りで試すと同じように刈り足で相手の足を固定し(この時点では相手の足を払わない)、その足を頼りにして自分が前に出るように腰を近づけると結果として相手の足を刈ることになり、相手が尻餅をついて倒れる。
大内刈でも同じで先日の柔道練習でAくんパパに聞いた大内刈は胸ではなく腰を相手につけにくという説明の通りだと感じた。

この相手の足を頼りに腰から移動するやり方は説明すると謙譲の美徳と同じだが、今回の場合は謙譲の美徳を最大限に発揮してしまうと相手が倒れない。ちょうど必要な分だけ発揮するように足を払うか払わないかの感触のまま自分の腰を運ぶという感覚。

※甲野善紀先生と私がやる謙譲の美徳。7年前の映像。
 今回確認した足技は、謙譲の美徳を足で別方向に使っているとも言える。

岡田さんとばかりやっていたので他の人にも効果があるのか若干の不安もあったが、剣術の練習をしていたIさん、Eさんらにも受けてもらって効果を確認出来た。
特に私より大柄なEさんが簡単に尻餅をついてしまうのを不思議がっていたのでこの条件では有効なことは間違いないようだ。
また柔道練習で指導者の方々にも受けてもらって感想を伺いたい。

抜刀も少しだけ。
前回、岡田さんから腰を丸めて楽にして抜いてみるという助言を受けて一気に楽になった抜刀をIさんらにも見ていただくと、ずいぶん楽そうに抜けるように見えるとのこと。
これまでも腰を反らさないように意識はしていたつもりだが、それがかえって腰を丸めて固めてしまう状態を作ってしまい、自由に動けなくなっていたように感じる。
岡田さんからは何となく甲野先生っぽい抜き方になってきたという嬉しい言葉をいただいた。
もちろん私は速度は遅いし精度は段違いところではないがこの方向で練習して良さそうだ。

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