三船十段に投げられたらこんな感じだったのかも

先日甲野善紀先生の恵比寿稽古会でやった空気投げをしっかり投げて確認しましょうということで、柔道経験者のNさんと都内某所の柔道場で練習してきました。

■三船十段の空気投げ練習
練習したのは三船十段の空気投げ。
こちらの形をしっかり投げ合いました。


さっそくやってみるといい感じ。
受けが右足を出して踏ん張れないところと足払いを受けたように内側にたたらを踏んでしまうところがお互いに再現出来た。
三船十段の空気投げを受ける受けの足に注目してみていただきたい(開始19秒から)。

受けの強度を変えてみて、その条件で空気投げで投げる練習をしたがどれもよい感じ。
・警戒して動いている相手
・自護体の相手
・引手を絞って上から圧力をかけてくる相手
・奥襟を持って頭を下げさせてくる相手
うまくいくと受けは見えない足払いを受けたかのように宙を舞う。
三船十段の映像にみる高弟達が空気投げを受けてこのように宙を舞っているが、私自身このような投げを受けたのは初めての体験だった。
本当にあのような投げられ方になるのだと、投げられながら感動した。
三船十段に投げてもらうことは叶わない願いだが、もしかしたらこんな感じだったのかもしれない。

■相手が来るのを待って投げる
空気投げの他、Nさんの浮腰に磨きがかかっていた。
こちらの肩甲骨あたりを少しでも持たれているとかなり警戒して組んでいても簡単に投げれてしまう。相手が自分の方に来るのを待って投げているというからずいぶん余裕もありそうだ。
嘉納治五郎の浮腰(開始48秒あたりから)

これは私が以前Nさんに行った山嵐のやり方ということだったので、山嵐を相手が来るのを待って投げる感覚でやってみると、Nさんが凄い勢いで飛んだ。
Nさんも予想外の勢いだったようで、こんな勢いで投げられたのは初心者の頃に上級者に投げられて依頼のことだと驚いていた。

■腰の位置関係による足技
柔道五の形4本目の研究でわかった相手との腰の位置関係による崩しを応用した足技を検証した。
検証の手順
1.足をかける
2.腰を相手の背後に移動させる。あるいは移動させようとする
3.足を刈る

これまで私は相手の腰の背後に自分の腰を移動させる方向で考えていたが、
Nさんがやった小内刈では足をかけたあと外側に並ぶような位置に移動して刈るというやり方で、相手の背後ではなく横に移動する形だったが同じく強力に刈ることが出来た。

■斬りの体捌きによる崩し
合気道の投げも知っているNさんに斬りの体捌きによる崩しを受けてもらったところ、合気道の天地投げに応用できそうだというので教えてもらった。
確かに斬り手にして動くと相手が大きく崩れる。
柔道の組手でしっかりつかまれた状態から斬り手をつくり内から外、外から内への体捌きをすると相手がしゃがみ込むように倒れる。
これもお互いかなりしっかり持った状態からやってみたが耐え方がわからない質の動きで崩される。

今回も得るものが大きかった。
一週間後に控えている空気投げの講座でも希望者に体験していただこう。



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