京都の書道家武田双鳳先生を訪ねました

京都烏丸御池の武田双鳳書法道場展『爛漫』で武田双鳳先生に会ってきました。

『爛漫』は双鳳先生と生徒さん達の素晴らしい作品に囲まれた素敵な空間。
無事、双鳳先生にお会いしてご挨拶出来ました。
『写真を撮りましょう』となったのはいいのですが、私の横に並んだ双鳳先生がやたら肩甲骨やら鎖骨やらを触ってきて感心しているところを撮影するというちょっとおかしな?写真が撮れましたw



双鳳先生の書法教室では書にひもトレを取り入れたり、バランスボードや体操で身体を整える前後で書の変化をみるなど興味深い取り組みをされています。

少しお時間をいただき会場のスペースで謙譲の美徳で押したり腕相撲をしたりするのを体験して説明すると、書でも押し付けるように圧をかけては駄目で抑揚を意識する事が大事であり、特に揚が大事なのだと共感していただきました。
その他にも会場に来られていた方の質問に双鳳先生が答える形で、書では地に足がついていながらも固定しないこと、肩があがるのを避けるための机の高さには限界を設けていること、立って書ければ座っても書けるなどといった話を聞かせていただきました。
どれも空気投げをするためのアドバイスにも聞こえる内容で大変興味深く感じました。

地に足が、、、は武術で言えば『浮き』の話であり、『足裏の垂直離陸』、『浮木之腿』などの稽古メニューが思い浮かびますし、空気投げも足をべったりつけて固定してしまうと体捌きの効果が得られずうまくいきません。
肩があがらない点についてはあらゆる場面で求められます。空気投げも肩があがった状態では相手は動きません。肩のあがり易さは構えの影響を大きく受けるので無理のない姿勢でいることが求められます。
立って書ければの話は私にとってもタイムリーな内容で、先日ブラジリアン柔術黒帯のHさんから『寝技は立ってやる』と説明されてなるほどそうかと納得したばかり。このシンクロには驚きました。この感覚があると空気投げの感覚で寝技が出来るようになり、寝技の感覚で空気投げが出来るようになります。
もう1つあがった『床に置いた紙に立って書くとどうしても疲れてしまう』というお悩み相談に対しては、横で見ていて無理な姿勢が気になったので、門外漢ながら私が『腕と頭が身体から前に出過ぎていて、バランスを保つのに太ももと腰に負担がかかっている』とお伝えすると、双鳳先生から見てもその通りと、お手本として実際にしゃがんで見せて説明されていました。その姿勢は重心を真っ直ぐに落とす無理のないしゃがみかたで、空気投げに必要な要素である『真っ直ぐ落とす』と重なりました。この感覚の稽古には『浪之下』『辰巳返し』『棒手裏剣』が役立ちます。
浪之下は相手に寄りかからずに丈夫な姿勢を保ったまま真っ直ぐにしゃがむ動作を練習することが出来て、辰巳返しは大きな重さを無理なく支える姿勢とそれを許す末端の状態を自覚出来ます。加えて棒手裏剣では大きなものを支えられる姿勢で軽いものを扱うと剣に乗る重さと速さが変わるので軽い筆をどう扱うかの稽古にもなりそうです。

それにしても双鳳先生は面白い。
双鳳先生が話している間、まわりも私も笑いっぱなしでした。またお会い出来る日が楽しみです。
双鳳先生、みなさんありがとうございました!




コメント