稽古会に参加した話ではないけど、稽古して整理出来てきた話。
私が稽古を始めてしばらく経ったある日、甲野先生が私に教えてくれた言葉がある。
「技の構成要素は3つ。構造が丈夫であること、起こりがないこと、体幹部が速く動くこと。」
ほかにも要素はあるだろう。
「型」「間合い」「繋がり」「心」私が思いつくだけでもまだあげられそうだ。
ことさら言わなかったのは甲野先生にとって当たり前のことなのか、稽古を始めて間もない私には難しいと思われたせいかもしれない。
実際聞いた当時の私は(へぇ、そうですか。)程度の理解しかしていなかった。
稽古を続ける中で思い出すことはあっても、どう稽古すべきかは試行錯誤、この要素が育っているだろうけど、はっきりはわからないという感じで過ごしていた。
しかし最近、それぞれの稽古法が整理出来てきた。
あらかじめ断っておくと、これは今の私にとってそうなのであって、万人に当てはまるものではないと思われます。
もっともっと稽古が進んでいる方やこれから始めようと言う方には、それぞれにあった稽古があるでしょうし、流派で学んでいる方は流派の教えがあるでしょうから。
■構造が丈夫であること
丈夫な構造とは「姿勢」「構え」のこと。
自分の身体がわかってくると丈夫な姿勢、丈夫な構えを感じられるようになってくる。
これをトレーニングするには読んで字のごとく、構造動作トレーニングがぴったり。
丈夫なまま動く。
ここでいう「丈夫」とは硬くなるという意味ではない。
■起こりがないこと
言い換えれば気配なく動くということ。
全体が一斉に動くと気配が消えてくる。
意識を前に出さないようにすると相手にはさらに捉え辛くなる。
稽古方法は色々。
お手軽編が「鎌柄」。
お互い手を出し合って、一方が相手の手の甲に指先で触れる。
手が下側にある方が、素早く相手の手首を掴むという遊び。上側の人は素早く逃げる。
手だけで動くと気配が出るし、実際に速くない。
一方は気配を消し、一方は探る。
どこに気配が出ていたか相手に伝える。
「払えない突き」「竹刀打ち」でも同じ。
信頼出来る稽古相手が必要だ。
■体幹部が速く動くこと
これはなかなか稽古メニューが見つからない。
分かりやすいのは「太刀奪り」だが、個人的には身体を練る稽古には向かない気がしている。
あくまで”検証用”の稽古として位置づけたほうが良さそう。
”逃げたくなる”誘いが強すぎて自分の動きを練る方に意識が向きづらいのだ。
私のお気に入りは何と言っても方条さん発案の「体幹だけで相手の素早い攻めを受ける稽古」である。
甲野先生が良く引用される願流剣術物語の「剣は動かぬものと知るべし」に通じるものだ。
これをやっていればまだまだ動きが向上していきそうな感じ。
実際どうなるかわからないが、これらの稽古を続けていくことでしばらくは進展がありそうな感じだ。
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