『案山子崩し』

先日Mさんが『案山子崩し』(※)を受けた感想で、
「浮きがかかった状態が受け手に映って、かえって技にかかりにくい(継ぎ足が出来る)。」と言っていたのを考えている。
もちろん受け手によって技がかかる、かからないはあって当たり前と思うが、それが何故かという事だ。
Mさん以外の方に受けてもらった場合(効果がみられた場合)、受け手の足は居ついていた。これが『案山子崩し』の狙いであるのだが、Mさんには逆の効果が出たということだ。
予測の域を出ないが、Mさんは私が技をかける前から十分に浮きがかかっていて(踏ん張らない状態でいて)、そのために技を受けたときの反応も浮きがかかった状態独特のものになったのではないか。
しかし、これはMさん自身が否定されていた。特別浮きをかけて受けたわけではないというのだ。

技がかかる仕組みを考えて検証することも稽古になるし、技がかからない原因を考えて検証することも稽古になる。
技がかからないときの稽古はもちろん甲野先生の稽古を見て学習したものだ。甲野先生は技がうまくかからなかったことをきっかけに技がパワーアップしたり、新たな技が生まれる事が多い。
これだからスランプにならないのだろう。

Mさんに『案山子崩し』がかからない直接の原因はMさんを居つかす事が出来ていないからだが、それが何故起きるのかはまだわからない。
わかったらまた技が変わるかもしれない。


※『案山子崩し』とは『屏風座り』をしながら片足に『浮木之腿』をかけ、同側の手で『斬落し』をかける技。
忍者のIさんとの稽古で発見されたが説明が長くなるのと受けも取りも片足に重心が寄るのでその場で『案山子崩し』と命名したもの。
私と忍者のIさん以外に『案山子崩し』と言っても全く通じませんのでご注意ください。

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