二日前から稽古で確かめたいことがあって、何とか参加できないかと思っていた恵比寿で行われる甲野先生の稽古会に何とか参加できた。
恵比寿での稽古会では『松聲館の今を稽古する』というテーマの通り、甲野先生が今稽古したい事を稽古しながら、参加者も甲野先生の技を受けつつ、稽古もする。
普段の稽古会でもそうして良いのですが、ここは比較的狭い場所で行われるため、それぞれが稽古をする場所なのだという空気になりやすい。
二日前から試したかったことによる私個人の進展も大きかったが、肋骨を痛めて稽古をセーブされている甲野先生もこれまでとは違った方向で進展があったのでまずは甲野先生の技の話から書いておこう。
◆1.5で動く
『小手返し』『浪之下』『払えない突き』
何をもって1でもなく、2でもなく、1.5なのか?!
相手にとって捉えられないタイミングで動かれているのだが、その方法がわからない。
1、2を早く数えるのではなく、1と2の間に入る。
『浮木之腿』をやりそこなうと結果として1.5になるのは、相手が予測できない隙間に入り込むと言う事だろう。
相手の隙間に入り込める動きを獲得するのが先であって、それをしないで1.5のタイミングを探す練習をしても出来るようにはならない。
◆見たことのない押さえかた
『浪之上』『浪之下』
常連参加者が綱引き持ちを上下どちらにも対応させたような新しい掴みかたをしていて、甲野先生が苦戦されていたのが興味深かった。
私も同じように掴んでもらったが、前腕だけでなく肘のあたりもうまく押さえ込む形になっていて、動ける方向がかなり限定される上手い押さえかただった。
私が対応したのは、肘を弛めて気配をなくしてから、相手の体幹部から遠くこちらの体幹部からは近い位置に持ってきて落とすやり方。
甲野先生がやられていたのは、腕と体が一体になるようにしながら宙返りをするように動くというものだった。こちらも見たことがない対応だった(笑)
◆相手が作り出したエネルギーを貰う
『浪之上』『浪之下』
肋骨に響きにくいのか、今回はこの形での稽古が多かった。
続いて精神面での変化が大きく起きた。
それは、「相手がしっかり止めてくれるのをあてにする。」というもの。
そのつもりでいると、相手がしっかりしていてくれるほど、それをあてにして動いている側は、かえって安心して動けるようになる。
ここからさらに変化したのは、相手が動きを止めるために発生させたエネルギーを積極的に再利用しようとした点で、精神面の変化に加えて動きの質もはっきりと変わった。
はっきりと変わったのはわかるが、その感触は掴みどころのないものになってしまって、表現が難しい。
こちらが有利であることを認識できるはずの『手応え』を先に奪い取られて、逆に使われてしまうのだ。
あるはずの『手応え』を探している間にやられてしまうのか、1.5版では下まで潰されずに両手とも最後まで掴んでいられたものが、エネルギーを奪っているというこのやり方をされると掴んでいられなくなってしまった。
◆人間手鞠
『人間手鞠』が柔道の返し技に応用できることが判明した。
皆さんが『人間手鞠』を練習しているタイミングで、柔道の投げ技をSさんと研究稽古していたら、それをみた甲野先生が急に試してみたくなったのがきっかけだ。
何か投げてみてと頼まれて『体落』を仕掛けると全くかからず、かからないどころか派手に転ばされてしまう。
こちらが技に入ろうと足を運ぶと、その足が階段を踏み外してしまったように着地出来なくなってしまうのだ。
これがはっきりと返し技だと言えるのは、柔道技を知らない方たちが何となく投げようと仕掛けても私ほど派手にやられない事から判断できる。
実際、見よう見まねで稽古してみて、相手の方に柔道技の手順を教えてから仕掛けてもらった方が、こちらの『人間手鞠』の影響を大きく受けて崩れることを確認できた。
一方、相手の方にかけて貰うと中々かからない。相手の動きに関係なく『人間手鞠』を行うと言う「何もしない」難しさがあるのだということがわかる。
『人間手鞠』が単なる膝抜きと違い柔道技の返しにも有効なのは、高速で『浮木之腿』を大きく掛けている事になるからではないかと思ったので、今度高速で『浮木之腿』をやって柔道技を返せるか試してみよう。
◆人間手鞠は難しい
柔道の返し技への応用に気づいた後の説明で、『人間手鞠』の説明が変わった。
これまでは「ただ真っ直ぐに体を落とせば自動的に立ち上がる。」というものだったが、真っ直ぐを保つという事が手のひらに棒を立ててバランスを保つような難易度を持つのだという事に気づいたと言う。
「なぜ出来る人が出てこないのか、『人間手鞠』の難しさがようやくわかった。」と言われていた。
しかしこう言われるとなぜか難しいという事が手掛かりになって、出来そうな気がしてくるから面白い。
全くの偶然だったが、一昨日頭に浮かんだのが「『背負い投げ』を『人間手鞠』でやる。」と言うものだった。
ただしゃがむ事で気配なく相手の懐に入り、『人間手鞠』の自動的に起き上がる気配がない動作に相手を巻き込んで、投げる事が出来るのではないかというもの。
それが今日のタイミングで「『人間手鞠』が実は難しい。」という大きなヒントをいただだけた。
機会があれば柔らかい畳のうえで試してみたい。
◆浮木之腿
『浮木之腿』のやりそこないをし続ける。
◆Tシャツ
中島先生から『動作術Tシャツ』を受け取った。
今度いくときに着ていこうと思います。
恵比寿での稽古会では『松聲館の今を稽古する』というテーマの通り、甲野先生が今稽古したい事を稽古しながら、参加者も甲野先生の技を受けつつ、稽古もする。
普段の稽古会でもそうして良いのですが、ここは比較的狭い場所で行われるため、それぞれが稽古をする場所なのだという空気になりやすい。
『小手返し』『浪之下』『払えない突き』
何をもって1でもなく、2でもなく、1.5なのか?!
相手にとって捉えられないタイミングで動かれているのだが、その方法がわからない。
1、2を早く数えるのではなく、1と2の間に入る。
『浮木之腿』をやりそこなうと結果として1.5になるのは、相手が予測できない隙間に入り込むと言う事だろう。
相手の隙間に入り込める動きを獲得するのが先であって、それをしないで1.5のタイミングを探す練習をしても出来るようにはならない。
『浪之上』『浪之下』
常連参加者が綱引き持ちを上下どちらにも対応させたような新しい掴みかたをしていて、甲野先生が苦戦されていたのが興味深かった。
私も同じように掴んでもらったが、前腕だけでなく肘のあたりもうまく押さえ込む形になっていて、動ける方向がかなり限定される上手い押さえかただった。
私が対応したのは、肘を弛めて気配をなくしてから、相手の体幹部から遠くこちらの体幹部からは近い位置に持ってきて落とすやり方。
甲野先生がやられていたのは、腕と体が一体になるようにしながら宙返りをするように動くというものだった。こちらも見たことがない対応だった(笑)
『浪之上』『浪之下』
肋骨に響きにくいのか、今回はこの形での稽古が多かった。
続いて精神面での変化が大きく起きた。
それは、「相手がしっかり止めてくれるのをあてにする。」というもの。
そのつもりでいると、相手がしっかりしていてくれるほど、それをあてにして動いている側は、かえって安心して動けるようになる。
ここからさらに変化したのは、相手が動きを止めるために発生させたエネルギーを積極的に再利用しようとした点で、精神面の変化に加えて動きの質もはっきりと変わった。
はっきりと変わったのはわかるが、その感触は掴みどころのないものになってしまって、表現が難しい。
こちらが有利であることを認識できるはずの『手応え』を先に奪い取られて、逆に使われてしまうのだ。
あるはずの『手応え』を探している間にやられてしまうのか、1.5版では下まで潰されずに両手とも最後まで掴んでいられたものが、エネルギーを奪っているというこのやり方をされると掴んでいられなくなってしまった。
『人間手鞠』が柔道の返し技に応用できることが判明した。
皆さんが『人間手鞠』を練習しているタイミングで、柔道の投げ技をSさんと研究稽古していたら、それをみた甲野先生が急に試してみたくなったのがきっかけだ。
何か投げてみてと頼まれて『体落』を仕掛けると全くかからず、かからないどころか派手に転ばされてしまう。
こちらが技に入ろうと足を運ぶと、その足が階段を踏み外してしまったように着地出来なくなってしまうのだ。
これがはっきりと返し技だと言えるのは、柔道技を知らない方たちが何となく投げようと仕掛けても私ほど派手にやられない事から判断できる。
実際、見よう見まねで稽古してみて、相手の方に柔道技の手順を教えてから仕掛けてもらった方が、こちらの『人間手鞠』の影響を大きく受けて崩れることを確認できた。
一方、相手の方にかけて貰うと中々かからない。相手の動きに関係なく『人間手鞠』を行うと言う「何もしない」難しさがあるのだということがわかる。
『人間手鞠』が単なる膝抜きと違い柔道技の返しにも有効なのは、高速で『浮木之腿』を大きく掛けている事になるからではないかと思ったので、今度高速で『浮木之腿』をやって柔道技を返せるか試してみよう。
柔道の返し技への応用に気づいた後の説明で、『人間手鞠』の説明が変わった。
これまでは「ただ真っ直ぐに体を落とせば自動的に立ち上がる。」というものだったが、真っ直ぐを保つという事が手のひらに棒を立ててバランスを保つような難易度を持つのだという事に気づいたと言う。
「なぜ出来る人が出てこないのか、『人間手鞠』の難しさがようやくわかった。」と言われていた。
しかしこう言われるとなぜか難しいという事が手掛かりになって、出来そうな気がしてくるから面白い。
ただしゃがむ事で気配なく相手の懐に入り、『人間手鞠』の自動的に起き上がる気配がない動作に相手を巻き込んで、投げる事が出来るのではないかというもの。
それが今日のタイミングで「『人間手鞠』が実は難しい。」という大きなヒントをいただだけた。
機会があれば柔らかい畳のうえで試してみたい。
『浮木之腿』のやりそこないをし続ける。
中島先生から『動作術Tシャツ』を受け取った。
今度いくときに着ていこうと思います。
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