某実業団の柔道部へ。
出稽古としても参加するつもりだったが先方が試合前の大事な時期なので遠慮して見学だけにしておいた。
見ていたらそもそも体が持つような練習メニューではなかったので見学にしておいて本当に良かった。
練習後はわたしが練習メニューを紹介する形でミニ稽古会。
甲野善紀先生の松聲館技法をはじめ、中島章夫先生の動作術、中村考宏先生の構造動作トレーニングからいくつかの練習メニューを紹介した。
少しでもお役に立てれば幸いだ。
思ったよりも人数が残ってくれたのと、バイトで乱取り相手をしていた学生たちにも受けが良かったので一安心。
ミニ稽古会をやるにあたって次の考えのもとで取り組んだ。
特に私の場合は抜群に技が出来るわけではないので、目線を私の実力ではなく、稽古メニューそのものに向けてもらわなくては話にならない。
とは言えある程度はやって見せることができないと話もできないのでそこは最低ラインですが、柔道への応用編に突入しないように気を配りました。
・武術的な動きに限らず『何か』を自分の専門競技に取り入れようと考える場合、動きを直接取り入れるより動きの引き出しを増やす目的で取り組むくらいが良い。
・特に教える側は専門外の話を自分の得意分野に無理やり引き込んで自らを押し売りしてはならない。
・使えるかどうかは使う側が判断する。
・言い換えると受け手が自分で判断しやすいように気を配る必要がある。
ミニ稽古会で最初にお伝えしたのは、私が初段であり柔道専門家に直接アドバイスできることは無い点だ。
紹介した稽古メニューは順序含めて事前に相当検討したが、その場では淡々と動きと目的を説明するように意識した。
特に自分でいいと思う動きの紹介では注意した。
説明が動きの押し売りや、これが正解と言う決めつけになっていないか、ここを伝え間違えると動きの良し悪し以前に受け手が聞く耳を持てなくなってしまう。
幸い今回は質問やリクエストも多くあり、好評のうちに終えることが出来た。
甲野先生、中島先生をはじめとする先生方との稽古で得た貴重な経験をその道の専門家にお伝えするという、大変貴重な経験をする事が出来た。
お許しいただいた先生方、ミニ稽古会をやらせていただいた指導者の懐の深さと選手の皆さまの真摯に取り組む姿勢に感謝したい。
1つだけやり残したことがあったのを思い出した。
『空気投げ』をやっていない(笑)
これについては事前に検討したメニューからもあえて外していたので予定通りではあるが、練習後に宴会芸『正座から立つ』(大好評)を見せている時間があったなら『空気投げ』を受けてもらえば良かった(笑)
ミニ稽古会後は監督と中華料理店へ。
麻婆麺で一汗かきながら、競技スポーツに武術の動きを取り入れることについて意見交換をさせていただいた。
選手が自分の意思で掴む必要がある点、選手には試合に向けてやるべきことがあり、取り入れたいものが『有効かどうか』に加えて『限られた時間で活用できそうか』についても考える必要がある点について意見が一致した。
私の空気投げ研究も、実践面においては仕事家庭があるなか練習できる時間は限られている。
その中で研究を進めるには練習していない時間をどう過ごすかにかかってくる。
専門家と違って私の場合はほとんどが練習していない時間なので、普段の過ごし方が問われるということだ。
やりたい事は無数にあるので、私に出来て選手に出来ないことも意識して取り組んでいきたい。
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