甲野善紀恵比寿稽古会)プロサッカー選手に謙譲の美徳を伝える

甲野先生の恵比寿稽古会。先日研究稽古をしたNさんと足払浮舟の応用編を復習した。やはり寝技の返しは衝撃的。袈裟固めの形で鉄砲返しもエビも足絡みも簡単にはかからないのを確認してから、Nさんが足払浮舟の状態で私の背中を押すと腰が浮いて顔面が床にぶつかりそうになり左手がそれを庇って外れる。

初心者が鉄砲返しをされるのはあるあるだが、背中を押されて顔面から吹っ飛ばされて外されるのは意外も意外。腕十字では両足をフックして両手で相手の腕を抱え込み、さぁ腕を伸ばそうとしたところで腕をブンと振られて真横に吹っ飛ばされて足が外れてしまう。これも受けたことがない返されかた。

横四方はひっくり返ってマウントを取られる始末。私も身に付けようとNさんを観察すると寝た状態で足払浮舟の身体を再現するだけではなく、身体を縦方向に使っている。最後は腕で押すのだけれど、肩ブリッジを上手に使ったりして相手を動かす方向に対して縦方向の強さを発揮できる体勢を作る。

なるほどと思ってやってみると明らかに強力になった。これは日曜の柔道練習で試して感想を聞いてみよう。

甲野先生の剣術は当たり前過ぎてわざわざ言うのは失礼だが我々とは段違いだ。無構えと呼ぶ形になると脳内麻薬が出るほどしっくりきて、止められなくなるそうだ。自分の感覚を信じてこれと思うようにやってみたらいいとアドバイスをされていたが、あてにならない自分の感覚はなかなか信じられない(笑)

この鹿島神流の前重心の構えから繰り出させる技は気配がなく、早く、強力。何度も練習していると甲野先生から惜しいんだよなぁという言葉と、私の真似をしようとしてるでしょ?という指摘をいただいた。自分の感覚を信じられていないのを見抜かれてしまったか(笑)その後は感覚を信じてやりました(笑)

掴めてきたのは肩が下がる感覚。足払浮舟と同じ感覚だ。無構えに入る動作で足払浮舟の感覚を経由すると肩が下がったまま構えることが出来て、かなりしっくりきた。動き出すには剣と体が同時なのだがどうも体が先にいくか剣だけ先にいくかで良くない。剣が先に行きそれに体が遅れないのが良さそう。

後で知ったがプロのサッカー選手が参加されていた。サッカーをやっていると聞いて、謙譲の美徳の競り合いへの応用を体験してもらったら、すぐに理解して体現してみせてくれた。体が絞られていて鍛えている感じがしたがさすがに現役のプロ選手は違いますね。

終了後、世話人をしている動作術の中島先生に杖の形「巴」を確認のために教えてもらった。向き変わる巴に加えて、前に進む巴を教えてもらった。杖の下をくぐる動作で前に進む。進んでから左右の「追い杖」に繋げる。これはいい練習になる。また道場のR先生に教えよう。



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