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2013年8月31日土曜日

甲野善紀「松聲館の術理の『今』を稽古する」

甲野先生の講座。

甲野先生の技は、初期版の『謙譲の美徳』からだいぶ変化されているので、『謙譲の美徳』との関連付けは初めて聞いたかたには難しくなっている。
甲野先生の『謙譲の美徳』(とも呼んでいないが)は、相手の動きをもらって、それに対して単に譲るのではなく、入れ替わる動きに変わっている。もちろんこの入れ替わる動きは『太刀奪り』の体捌きである。
池袋の講座でよくお会いする方に受けていただいて、見よう見まねでやってみたところ、それなりには動けたがやはりまだまだ『太刀奪り』の精度がこの技の精度に繋がるようだ。なので私がやると私がやる程度の出来になる。

『極々小さな影抜き』と『太刀奪り』の体捌きによる入り身が強烈。強烈と言っても強引な技という意味ではなく、接触する腕に伝わる感触と大きく速く私の後ろを取る甲野先生の動きが強烈に気配なく早いということ。

『浪之下』『浪之上』『波斬』で、腕は体幹部に近付くようにするだけで相手に対しては何もせずに体は体で動くと、相手はとても止めにくい。
掴んだ腕から伝わる動きと、実際に大きく動く体の動きに差が生じてわからないままに崩されてしまう。
粘り強い受けのT上さんに受けていただいたところ、上手くバラバラに動くことが出来て、T上さんが大きく崩れた。
甲野先生が例えて言うには「耳元で全く別の歌を聞きながら、それにつられないで歌うような難しさ。」だという。
つまり、腕は相手を崩す方向に動かしてはならない。

『太刀奪り』
座頭市の如く、自分の正面で抜刀するように体を使って移動する。
このとき、向かえ身の体遣いの感覚があるとのこと。
恵比寿の常連Sさんと練習。従来の左半身を開くやり方と向かえ身に使うやり方を試す。
私の感覚ではどちらが良いとは判断できないが、絶対的な体の使い方を練るのに『太刀奪り』はとても良い稽古メニューだ。

『火焔の手』『風見鶏の原理』『太刀奪り』の体捌き。
これで動くと相手が払い除けようとしても勝手にくっついてくる。


周りで稽古
以前ここでお会いして稽古相手になっていただいているT川さんからのリクエストで『謙譲の美徳』を説明。
色々説明したが「場所は譲るが自分の状態は譲らない。」という言葉でT川さんの動きが変わった。
それからポイントとして、譲る方向が大事だとお伝えした。
言葉での説明には限界があるが、私の動きを受けていただいて、「受けた感触になるように技を掛ける。」というヒントも役に立ったようだった。
わからないときは、自分でやってみるかそうでなければ技を受けるのが良いですね。

『空気投げ』
たくさんの方に受けていただきました。
色々な方に受けていただくとそれだけで、良い稽古になります。
空手経験者のMさん、恵比寿の常連Sさん、大先輩のOさん、柔道を始めたという初めてお会いした方。
同じ技を受けても反応は様々。いただいた感想が新たなヒントになります。
Mさんからは技を掛ける側の浮きの状態によって同じ動きでも相手への作用が異なるという話。
Oさんからは突きのような動きで来る相手への『空気投げ』の体遣い。この『空気投げ』は早いし速い。
Oさんには改善ポイントを的確に示して貰った。
右隅への『空気投げ』では私が動きやすい方向と、相手が崩れやすい方向が異なるという指摘をいただいた。相手の真横より気持ちやや後ろ方向に向かって技をかけると良い。
『早い空気投げ』と『回る空気投げ』は相手の状態によって自然に使い分けられると良い。
どちらの『空気投げ』でも自分の頭だけ先に回ってしまうと右肩が上がってしまい、相手に手がかりとして伝わってしまう。
Oさんから「これなら十分投げられるんじゃない?」との誉め言葉を賜りました!これは嬉しいです。

『案山子崩し』
忍者のIさんと考えたもの。
これも皆さんに面白がって貰えました。
上手くいくと触れた瞬間に相手が崩れます。そこに『大外刈り』などの技を入れる。
Mさんから、『大外刈り』に限らず足技で足を引っ掻けてから投げる場合、軸足を引き上げると瞬間的に威力が増すという発見を紹介していただいた。
受けてみると強烈な作用が短い時間に起こっている。甲野先生の杖術『下段抜き』でみられる体の纏まりを感じた。

『大外落』
柔道を始めたばかりという参加者の方に技を紹介。
技を掛けられそうな気配を感じないまま入られて、気づいた時には技に掛かっているというこの技も喜んで貰えました。

2013年8月30日金曜日

水天宮自主稽古会「空中に送り出すように打つ」

水天宮自主稽古会と言えば、手裏剣。
なるべく軽く感じるように打つがテーマ。

この日はSさんとの二人稽古。手裏剣打ち放題の2時間があっという間に過ぎた。

だんだん文章で表現するのが難しくなってきた。とにかく手応えがなくなるように打つ。肩も背中も力んではいけない。


3間が刺さらないということはほとんどなくなってきたが、剣がやや下を向きがち。甲野先生の手裏剣を制作した江崎氏の『追越禁止』という言葉を思い浮かべて打つ。剣が下を向いて刺さるのは、距離が遠いということなのだけれど、近づいても下を向いてしまうことがある。心理的にスッ歩抜けるのを恐れて手首か指をかぶせてしまっているようだ。この現象は『謙譲の美徳』で体が前に流れないようにすると解消できるのだけれど、この操作は手裏剣には馴染まない気がする。少し固くなってしまうのだ。

剣の重さを感じながら空中に送り出すように打つ。

これが良さそう。



この日の練習には関係ないですが、甲野先生のホームページにこんな記事を発見。
http://www.shouseikan.com/koyu0008.htm
その中に
そういえば昨日、その剣と共に送られてきた江崎氏の手紙にも、6月に江崎氏が20m30㎝直打法で遠間を通してから

とある。

江崎氏が20m30㎝直打法で遠間を通してから

とある。

20m30㎝直打法で

!!!

すごい。。。

2013年8月29日木曜日

世界一!「大野将平」世界柔道2013

早起きしてテレビ観戦。
放映開始の段階で準決勝まで進んでいた。

キレキレの動きと攻めの柔道で見事世界一!
おめでとうございます!!

まだまだ強くなりますね。

大野選手の名が売れて、3月に書いたブログ記事へのアクセス数もあがっています。
http://vtotai.blogspot.jp/2013/03/blog-post_3.html

2013年8月28日水曜日

武蔵一族稽古会『手裏剣』

手裏剣大会が近いので、手裏剣中心の練習。
みなさん、前回私が見たときよりも目に見えて上達されていて驚かされました
大会に出ない私は十字手裏剣と、大会で使わない棒手裏剣も練習。
棒手裏剣では、重心が真ん中からやや後ろにある武蔵一族の棒手裏剣も練習させていただいた。
前回まで刺すのに苦労していた20cmほどの棒手裏剣も刺さるようになっていて、力みなく打てるようになった効果が異なる形状の手裏剣にも及ぶことが確認できた。
手裏剣大会向けに用意された木製の的にも問題なく刺さる。威力も十分出ているようです。
十字手裏剣も腕の落下による上下方向の力と体の重心移動による前後方向への力を手裏剣に乗せると、力感のない状態でしっかりと刺さる威力を出すことができる。
この辺りは棒手裏剣に通じるところがあります。難しいと感じたのは、指という器用な部分で触れているがゆえにそこが働きすぎて邪魔をしてしまうところ。
掴み続けてしまうと下方向に向かってしまう。
棒手裏剣のように最終的には剣が勝手に抜けていく感覚が出るように練習する必要がありそう。

この日の手裏剣練習前に忍者のIさんが、道具を介して相手の状態を感じるという稽古を行った。
この稽古で自分の体の状態がどうなっているかを感じ取れるようになると手裏剣の練習にも役立つというIさんの説明は、その通りだと思える内容。
手裏剣の練習にも工夫がされていて、まずは的を置かないで伸び伸びと練習するところから、最初から的を置いてしまうとそれに囚われてどんどん的が小さく見えてきてしまうそうだ。

そのIさんに先日お伝えした棒手裏剣での発見が、スランプ脱出のきっかけになったようで良かったです。
そんな話をしたのも忘れかけていましたが、中島先生から聞いた「丁寧さが先、速度は後からついてくる。」にも通じる発見でした。
降り下ろす動作ばかりに目がいきがちですが、その前の手を上げる動作から丁寧にやる必要があります。

手裏剣大会は8日が予選だそうです。
みなさん、頑張って下さい!


この日見学に来られていた方に『辰巳返し』を伝授。
私はなかなか出来るようにならなかった『辰巳返し』ですが、ある方法をある順番で練習するとその場で出来るようになるというのを発見して、色々な方にやってもらっています。
この方は『辰巳返し』を知らなかったところからのスタートでしたが、見事その場で出来るようになりました。
もちろん相手の押さえ方によっては難しい場面もあるので、甲野先生が冗談のように言っていた「これが出来たら初段。」を満たすところまでは行きませんが、体重を乗せられても重く感じないまま動ける感覚は十分に味わえると思います。

稽古終了後、少しだけIさんと柔道稽古。
『内股』
三船久蔵マネ版
大きく真ん前に崩してから『腰車』のような感覚で投げる。

井上康生マネ版
真ん前に崩すのは同じ。
相手の右内腿にこちらの右足を当てる。

山下達弘マネ版(Iさんより)ケンケンで粘る相手には、同じくケンケンで徐々に相手を崩しながらの投げ。

『体落を横分かれ』
『体落』は中学生くらいまでの決まり手に多い技だそう。
『体落』で引っ掻けにきた足を飛び越えてそのまま相手に回り込んで『横分かれ』。
三船十段の投げ裏の形にはありませんが、三船十段になった気持ちで動いたらこうなりました(笑)

『支釣込足』
棟田康幸マネ版
はまれば飛びそうな感触あり。
半捨て身技とも言える掛け方。

2013年8月27日火曜日

柔道『内股』

思い出した。
Sさんとの恵比寿の稽古で『内股』のやり方が今一つわからないという話になっていたのだった。

三船久蔵十段の『内股』を見ると、現在講道館の形で紹介されている形ではないように見える。
相手が前隅に崩れたところ、相手の内股に足を差し込んで投げている。
試してはいないが、感覚としては『腰車』を腰ではなく、腿裏でやるような感じではないだろうか?
また試してみたい。

私のブログには三船久蔵十段の技ばかりが登場している。 『空気投げ』の開発者という事が大きいが、じっくり見れる映像資料が手元にあるので必然的にそうなる。
『内股』と言えば現日本代表監督の井上康生さんの名前が浮かぶ。
私とは体格が違うのですが、トップの技をみて損はない!というわけで探してみました。

ありました。
試合の映像はもちろん見たことがありますが、あらためて技の研究をする目で見てみるとすごいです。
この内股は耐えられません。組まれたら終わりですね。

・相手を十分に引き出す
・釣り手は引き手よりも高く
・相手の内腿を跳ね上げる
・軸足に体重を乗せて回転する
がポイントだそうです。
映像をよく見ると『内股』と言いつつ、相手の右足ごと投げているようです。私が誤解していただけでしょうが、相手の内腿とは相手の右足の内腿なんですかね?!
ただ、ほかの映像を見ると相手の左足に引っ掻けてケンケンから巻き込んで投げる形もあるようです。
これはSさんとの稽古が楽しみです。

2013年8月26日月曜日

世界柔道2013!!

始まります!
26深夜(27早朝)からフジテレビで連日放送予定。

仕事があるので基本的に録画観戦ですが、縁あって応援中の大野将平選手の試合は早起きしてリアルタイム観戦予定。
相手は世界一にもなった事がある選手ですから、初戦が決勝のようなもの。
勝って優勝まで突っ走ってもらいたい!

動画は柔道グランドスラム東京2012の準決勝の様子。
巴投げと隅落の技有2つで勝利しています(この後は決勝も勝って金メダル)。
http://www.youtube.com/watch?v=MD9bsfbYNHE

2013年8月25日日曜日

幕張メッセ「からだのひみつ」でホネホネロック購入

娘@5才のリクエストで幕張メッセ「からだのひみつ」フェスタへ行ってきました!

最終日が近いせいか人人人で入場で一時間待ち!という子供がぐずるには十分すぎる条件でしたが、当人はとーっても楽しかったようで最後に会場の外で転んで膝を擦りむくまでご機嫌でした。

パパは最後のグッズ販売ブースで、ミニミニ人体骨格模型を購入してご満悦。
ママから「そんなのどこにおくの?」という突っ込みがありましたが、「骨盤おこしトレーナーだし。」という意味不明の返しで切り抜けました。

なかなかよく出来ています。骨盤回りの骨がいくつかのパーツから出来ているたころが、気に入りました。
胸鎖関節が動けば文句なしだったのですが、それを差し引いても十分勉強に使えそう。
股関節フル可動です(笑)

でも骨盤は後傾してる。

ホネホネロック!

2013年8月24日土曜日

甲野善紀『虎拉ぎ(とらひしぎ)』

先週から『とらひしぎ』で検索して来る人が急増して何故だろうと思っていたら、19日~23日まで武田鉄矢さんのラジオで甲野先生を取り上げて紹介していたのが理由のようです。

普段の倍近くの方々が当ブログに来られるので、『虎ひしぎ』紹介の記事を書いておきます。
武田さんが話している内容の中には細かい部分で少々誤った内容に聞こえるものもありますが、『虎ひしぎ』の効果は本物です。手の形を作る手間はあるとしても、寝技での攻防で脚部を丈夫にする効果や、階段を楽に登れるようになる効果などがあります。やってみて感じるのは、肩が下がり、腕と体幹部が繋がるのと、股関節の可動域が増す効果です。

手の形は甲野先生の著書にもありますが、実際に甲野先生の講習会かあるいは甲野先生関連の先生方の講習会で教えてもらって試してみるのが良いと思います。

関東では甲野先生の講座が定期的に開催されていますし、『虎ひしぎ』の効果が足に及ぶ事を甲野先生に紹介した北川さんをはじめ、甲野先生とは30年以上にもなる中島先生甲野先生と中島先生から武術を学んでいる方条さんの講座、女性向けなら真弓さんの講座などでも教えてもらえると思います。関東以外でも甲野先生の講座や関連の先生方の講座があります。名古屋では山口先生、大阪では石田先生の講習会があります。参加される際は『虎ひしぎを教えてほしい』と一言添えると確実かと思います。(うちでも教えてるよというところがあればコメント下さい。)

※動画は中島先生の講座。

いつまで残っているかわかりませんが、武田鉄矢さんのラジオをYouTUBEで発見。武田さんに紹介されているのを聞くと検索数が急増したのも頷けます。武田さんのラジオ面白いですね。
http://www.youtube.com/watch?v=bDeIMWQoVh0
http://www.youtube.com/watch?v=tOmAoNNBI2E
http://www.youtube.com/watch?v=O4Qk21mftII
http://www.youtube.com/watch?v=Klo-EB7z19o
http://www.youtube.com/watch?v=1Ir9ybovoBI

著書で見るなら先日発売されたこちら『術の世界に踏み入って』に写真付きで解説があります。
他にも『旋段の手(せんだんのて)』や新しい術理の説明もあり。



2013年8月23日金曜日

股割りmoreチャレンジ!&骨盤おこしトレーナーになりました。

構造動作トレーニングの股割りmoreチャレンジに参加。

30分ほど遅れて到着。
それでもキツかった!きついのになぜやるかと自分に聞いてみても答えはない。
「そこに山があるから」じゃないとしたら、
「そこで股を割るから」かな?!

詳しいやり方は省略するが、股関節に刺激を入れて、適切な入力による動作を身体に刻み込む。
開脚から。
骨盤おこし前後運動。骨盤前傾、後傾を交互に繰り返す。
続いて左右。体幹をキープしたまま動く。重心と反対側の足は気にしなくてよい。
回転。これも体幹をキープしたまま動く。下を向いたりしない。
左右その2。体幹をキープしたまま動くのは同じ。股関節を外旋させて、お腹の横が内腿につくようにする。

ひっくり返って足を上に。
苦手なやつだ!
腿裏を縮める動作を繰り返す。具体的には足を膝から伸ばしたり曲げたり。足首を背屈させたまま。股関節はやや外旋させておく。
このまま開脚。
同じように腿裏を縮める動作を繰り返す。
キツすぎる!!

前へ。
股関節から足指で土台を作る。土台は動かない。
開脚から基本ポーズで土台を固める。
ところがこの基本ポーズですでにやることがたくさん。
・骨盤を立てる
・胸郭を引き上げて骨盤を浮かせる(New!浮いてるかわからん)
・足首を背屈させる
・膝に遊びをもたせる
・腕を収縮させる
・背中を集約する
・股関節を外旋させるように内転筋を固める(New!)
・腹圧をかける

腕の圧縮はきちんと肘を曲げること。脇が開かないように肘を体幹につけたまま肘を伸ばし、曲げる。
この動作を徐々に速く、繰り返し行う。
まげるどうさを意識するのではなく、伸ばす動作を行うとその反動で勝手に曲がる働きを利用して速度を出す。
この動作を行った直後、体幹部とうでのまとまりを感じる事が出来れば成功である。

まとまったら股割りの準備姿勢をとり、そのまま前に。
やはり体幹をキープ。下を向かない。
土台も上半身もカッチカチにしたまま動く。
腹圧をかけて腹で股に割って入る。
カッチカチのおかげか、いつもよりも体幹をキープしたまま割って入れることが感じがした
最後に三回ほどチャレンジして終了。

内転筋が痛い。膝が痛い。
痛みは動作ミスの証拠。この痛みがなくなるように動く必要がある。
以前に比べたら痛みも早くおさまるようになり、身体も全体的にはふわふわと軽く感じるようになった。

講座後の打ち上げにも参加。
システマSさんの「たいさんはどこへ向かっているのか?」「さあ?!」という話から、中島先生と中村先生から「たいさんは骨盤おこしトレーナー」という話になって、その場で骨盤おこしトレーナーに認定されました
これまで通りプレイヤーとしてしっかりやっていきたいと思いますが、セミナーなどではこれまで以上に積極的に参加者の皆さんをサポートしていきたいと思います!

おっと!課題付きのトレーナーでした。
「たいさんは内転筋ね。」と中村先生。
内転筋はほとんどの方の課題です。
一緒に頑張りましょう!

2013年8月22日木曜日

6方向『空気投げ』

恵比寿での稽古。

柔道有段者のIさん(忍者ではないIさんです)を発見するや、早速柔道稽古に付き合っていただいた。

このIさんの対『浪之下』受けの上達ぶりが激しい。
しばらく見ていなかったが、方条さんの全力をどノーマルな受け方で耐えてみせた。
対『浪之下』用に開発された『井上持ち』なしであそこまでしっかり受けているのを見たことがない。
怖いもの見たさで(?)試しに私も挑むが五センチも沈まない(笑)
ちょっとずるをして『謙譲の美徳』で身体全体を崩してからかけると多少行けそうな感じは出るが、感じだけで実際には沈まない(笑)

そのIさんや常連のSさんに先日の千代田で稽古した柔道技の数々を受けてもらいながら、試したかったこともいくつか。

全方向『空気投げ』に向けて、後隅への『空気投げ』。
これは相手がこちらを引く動きを察知して、その動きに乗って相手を後隅に引き出して崩し投げる形。
このタイミングが取れるかどうかは別問題としてあるが、約束した形の中では技になっているようだ。
これで二方向目。
続いて千代田で江東友の会Sさんに教わった右後隅への『空気投げ』。この形では飛ぶように投げられる感じがでなかったが、足も腰も使わずに投げることが出来るので文句なく『空気投げ』である。これで三方向。
右隅への『空気投げ』も試した。
横移動の動きに乗るのは、前後方向の感覚と同じ。
少し引き出して沈むと相手が崩れるので、そこに中心を外さないように向き合いつつ身体を回旋させて投げる
これで四方向。
理論的には左右の組手を入れ換えたら左後隅と左隅のプラス二方向で、合計六方向になった。

『謙譲の美徳』コントロール
相手の身体全体を動かすことが出来る強力な身体の使い方ではあるが、一方で加減が難しい動きでもある。
相手の状態によっては、身体全体は移動したが崩れていないという事もあり得る。技に入ることを考えれば出来れば腰から崩したり膝から崩せるようになるのが望ましい。
これも上手くいった。やってみると単純で股関節を弛めれば腰から崩れるようだった。
『謙譲の美徳』の良いところは相手だけ前に崩れてくるところ。揺さぶりをかける動作のように自分が激しく動く必要はない点もある。

足でやるのも効果あり。
ただ上半身が崩れないので連続技で追い込む必要がある。

『腕を突っ張って距離をとる相手を崩す』
千代田でも確かめた形だったが、恵比寿でもやはり効果を確認できた。
受けた感想は「なぜ突っ張っているはずの腕が曲がってしまうのかわからない。」というもの。
相手の侵入には抵抗しやすいが、『謙譲の美徳』によって結果的に自分から近づく形になると反射的に肘を曲げてしまうようだ。

『組んだまま拳で崩す』
手裏剣崩しの応用で出来ないかと考えていたものの拳版だ。Sさんが組んだ状態のまま崩せないかと提案されたので試しにやってみることに。
膝を曲げて重心を前に移動することで相手が後ろにのけ反る。そこに身体全体で前転方向の円を描くように身体が動くと手裏剣崩しのように相手が崩れる。
拳は置いておくだけ。
実際やってみると手裏剣崩しの感覚もあるが、健心流柔術の押し込んできた相手を受け流して力を返す感覚に近い

『剣』
道具を介すと体術とは違った厳密さが求められる。
接点が自分の身体よりも遠くなるが、それでもなお繋がりを保ち、中心をとり続ける感覚が必要。
たまにやると自分の出来なさ加減がわかって良いですね。

2013年8月21日水曜日

講座でやらない技

千代田の後、甲野先生を含む参加者の方々と喫茶店へ。 
私は気がつけば歴史講座の前から何も食べていないことに気がついて、ラーメンを食べてから行くという中島先生グループについて中華料理屋さんで刀削麺を食べてから合流した。 
この中華屋さんが美味しかったので紹介しておこう。 
と思って“神田 刀削麺”で検索したのだけれと見つからない。 
地下のお店ではないです。今度行ったら麺はハーフにして餃子を注文する予定。 

で、喫茶店に合流。 
端に座っていると甲野先生が移動してきて下さって、そな流れで座りながらのプチ稽古会が始まった。 
最新の技は、『影抜』。この技はだいぶまえからやっているが、今回のはこの動きを極々小さく、指人形がやる程の小ささで行うのだそう。 
これを体術の『斬落』で行う。 
忍者のIさんと練習してみると歴史講座の三要素同時進行での練習の感覚のおかげか、割りと悪くない感じだった。『影抜』は出来ていないと思いますが。 
Iさんは腕に力が入ってしまって生じる抵抗感に悩まされ続けていた。 
ここからである。 
とある稽古場で、別の団体の方たちが触れずに相手を飛ばす稽古というのをやっていたのを見たという話題になって、そんな話をしていたら甲野先生が座ったまま「ちょっと突いてごらんなさい。」という。 
言われるままに先生の胸の辺りを狙って突くと、いや突こうとすると「エイッ!」と指で目の前を斬る動きをされたと同時に私の突きが止められてしまった。 
触れずにである。 
思わず中島先生にも声をかけて、もう一度受けさせてもらった。 というのも甲野先生は、講座の中ではこのような事は全くやらないのだ。 
おそらく今後もやることはないと思われる。 
これは珍しい体験をさせていただいた。 

そういえば中島先生による歴史講座で、以前甲野先生が気合いのような稽古をしていた時期もあったと聞いていたのだった。 
興味のあるかたは甲野先生ではなく甲章研究室主催による中島先生の歴史講座でお尋ねください。

2013年8月20日火曜日

『謙譲の美徳』をコントロールする

千代田で柔道稽古をやったせいだろうか、『謙譲の美徳』の感覚が細かくなってきている。
今は身体全体を譲ることで相手に大きな力を短い時間に与える動きだが、部分的に譲るとどうなるだろうかと考えている。
威力は落ちるかもしれないし、実際どうなるかわからないが、上手くいけば面白いことになりそうなのである。

腰だけ譲る
上半身だけ譲る
足を動かして、全身を譲る

一見して筋トレに見える動きも、『謙譲の美徳』を身に付けるための稽古と捉えて取り組むと、パワーだけではなく質も向上する一石二鳥のトレーニングになる。
そういえば、千代田で柔道稽古をしたKさん、Iさんと打ち込みを『謙譲の美徳』でやったらよい稽古になるという話をしたのだった。

2013年8月19日月曜日

柔道技研究稽古

甲野先生の千代田武術稽古会。
ここだけではないのだけれど、甲野先生の講座では先生の説明の邪魔にならない範囲で、参加者が自主的に稽古をすることが認められている。というより、むしろ推奨されている。
先生自ら「どうぞやってください。」と発言することもあるが、大抵の場合は最新の技の説明が次々に出てくるので参加した人はいつ練習したら良いのか(そもそも練習して良いのか)迷われるかも知れない。
結論だけ先に書くと、いつ練習しても構わない。
千代田の会場は、広く縦長という特徴もあって、奥の半分が甲野先生で手前の半分が参加者が自由に稽古する場所という暗黙の切り分けが出来ているので練習しやすい環境だ。
甲野先生の講座で、技の練習をする方法は別の機会に紹介することとしよう。



甲野先生の動きを見ていたのは序盤のみ、ほぼ全編が忍者の柔道有段者のIさんと、忍者ではないが同じく柔道ゆ有段者のKさんとの三船久蔵十段の記録映画を元にした柔道稽古になった。
どこにも甲野先生が出てきませんがご了承下さい(笑)

『空気投げ(その1)』
まだまだ他のやり方を開発する必要があることもあり、その2が出来る前だが今のやり方を『空気投げ(その1)』と呼ぶことにした。
振り返ってみるとほぼ『浮落』と同じ原理で投げている。見た目は『空気投げ』。
タイミングと相手の状態を感じて投げる。
これは一つのやり方として確定。

『浮落』
Iさんのリクエストでこちらも試す。Iさんは柔道の手技の形でやったことがあるが、形では受け側が自分で飛ぶので厳密には技を受ける機会がなかったとのこと。
この形では相手と組んだ状態で真後ろに三回下がる。三回目で相手との繋がりを保ったまま少しだけ右袖を引き出すように大きめに下がりながら体を沈める。
右袖を引き出す時に手で引いてはならない。
『送足払』の形と技に入るまでの感覚が似ている。

『送足払』
この日はやらなかったが、私がやる『送足払』は(受け側が)かなり飛ぶと、IさんがKさんから聞いたらしい。以前Kさんに受けていただいた時にぶわっと飛んでいたがあれは大袈裟に受けを取ったのではないということだ。
三船十段の『送足払』も相手が飛んでいたのでこれは良いこと。

その後も色々と練習した。特に『謙譲の美徳』を用いて相手をコントロール出来ないかと試したが、どれも有効なものであることがわかった。
それぞれの技には入りやすい相手の状態がある。『謙譲の美徳』の動きで一気にその状態に持っていこうというのだ。

『大外刈り』
相手を右隅に崩すのに『謙譲の美徳』を用いる。
瞬間的に伝わる作用に抵抗できずに崩れるので、そこで重心のかかった足を刈ると投げられる。

『大内刈り』
自分が相手に向かい、浴びせ倒すようにかける技だが、Kさんの提案で相手を手前に引き寄せて、結果として同じ形になるように『謙譲の美徳』で崩しをかけてみた。
この場合、謙譲の方向は斜め前上になる。
やってみると一気に相手が懐に飛び込んでくるので、そこに足を掛けて倒す。

『袖釣込腰』
受け慣れないとびっくりする。何かの技に入るところからの切り替えとか、その逆とか、組み合わせて使うと良さそうだ。

『大外落』
股関節の可動域が必要な技。組んだ状態の繋がりは変えずに、相手の右腰から腿裏を擦るように足を下ろす。
このとき相手の足は刈らない。

『大車』『膝車』『足車』
動画で見て検証してはっきりしてきた。
三船十段のそれは、腰にのせて足を掛けて投げる技ではない。体捌きで崩して投げる技。相手との位置関係により補助的に出す足の位置が変わる。

『大外車』
『大外刈り』を右足を浮かせてかわされた場合に連続して左足首にこちらの右足を掛けて投げる。

『支釣込足』
『○車』と同じ体捌きだが、足を掛ける分だけ思いきり体重をかけて崩せる形だ。梃子の原理を効かせやすい。
後でIさんに見せてもらったのが棟田選手の『支釣込足』。やばい。
http://www.youtube.com/watch?v=cPRzpeglON0

『跳腰』
形通りに練習。

『谷落』
捨て身技。Iさんが好きな技らしい。
急に来られるとびっくりする。体重が乗ってくるので来られてしまってから防ぐのは難しそうだ。

『背負投げ』
相手に背中を近付け過ぎず、少し離れたところで回転する。背を向けたところから、自分が後ろに下がるつもりで腕を引く。
受けを取ったIさんが言うには、自分が引っ張られたのか、投げる相手が近づいてきたのかわからないまま背負われている感じらしい。

『肩車を巴投げ』
投げ裏の形。
担ぎ上げられるところから後ろ重心で姿勢を真っ直ぐに保つ。自分から遠くにある荷物は重いという単純な理屈により、抱えあげられずに下りてきたところを『巴投げ』。後ろ重心は『屏風座り』で行う。
けっこう上手くいった。

投げ裏の形と言えば、『支釣込足を隅落(空気投げ)』というのがあった。『空気投げ』に入る動きのヒントがありそうだ。今度練習することにしよう。

『五つの形』
記録映画「柔道の真髄」に出てくる形。記憶を頼りにやってみた。
ちょっとよくわからない。

『ふわふわ受け』
投げに乗せられてからでは厳しい。
乗せられずに乗るためには三船十段の「押さば回れ、引かば斜めに。」に従って動く必要がある。
後手に回っては間に合わない。先に動いて自分で飛ぶのではない。
リラックスして相手の動きを感じて動く。

『謙譲の美徳』
組み合わずに手を突っ張って距離を取ろうとする相手を崩すのに使う。
やるとIさんがあっさり崩れるので、実はそんなに大変な形ではないのではと思い、普通に頑張ったら全く崩せる気がしませんでした。我ながら『謙譲の美徳』の威力に驚きました

『三人打ち込み』
打ち込みを受ける人の後ろにもう一人が付き、帯をもって座り、足裏で踵を押さえる。
この練習の意味は通常の打ち込みで持ち上がるはずの相手を、後ろから帯、踵を押さえることで持ち上げにくくするというもの。『謙譲の美徳』の威力を確かめようというわけだ。
私が打ち込んで、Iさんが受け、Kさんが座って押さえる形で試した。
袖、帯を持ち引き付ける動作を『謙譲の美徳』を使ってやってみたところ、座っているKさんのお尻が浮く。
私はKさんを立たせるくらいやらないといけないのかと思って、どうしようかと考えながらやっていたのだけれど、軽くやって後ろの人のお尻が浮けば、それは十分らしい。
バトンタッチしてKさんが打ち込みで私が座るとやはりお尻が浮く
Kさんは『謙譲の美徳』と言われる前から「自分と相手が入れ替わるように」という表現をされていたが、やはり効率よく自分のうごきを相手に伝えられているという事だろう。



我々の練習をみていた中国武術のUさんや、中島先生との講座も持たれている江東友の会主宰者のSさんからアドバイスをいただく。
Uさんからは座る事について、Sさんからは研究中の形の紹介をそれぞれ投げに繋がる形でアドバイスしていただいた。
本当に恵まれた環境で稽古させていただいていると感じた。
最近特に思うのは、稽古すればするほど稽古したい事が増えるというもの。大袈裟でなくずーっと稽古していたい。仕事している暇があったら稽古したいくらいだ(笑)

普段やらない稽古のせいかかなり疲労感もあったが、始めから終わりまでずーっと楽しかった。
みなさま、ありがとうございました!

甲野先生の技もしっかり受けましたよ。
長くなったのでこちらはまた今度書きます。